これまでの「今日のコラム」(2010年 1月分)

1月1日(金) <正月用のお節料理や初詣・・・>
正月用のお節料理や初詣など一切なしの元旦を過ごす。喪中で年賀状もない。日本の四季といった番組は見たがその後テレビも消した。静かに時が流れていく・・。久しぶりに妻と都心の温泉「庭の湯」(@豊島園)にいった。ここはまた静かな時間を過ごすには絶好の「大人の湯処」で元旦は朝6時から開いている。水流で全身をマッサージしたりサウナに入ったりして肉体を存分にリフレッシュ。家に帰って一休みすると、今度は妻に陶芸を教える。教えると言っても粘土を提供して好きに制作するのをアドバイスする程度。初めてにしては意外に器用に形を創るので妻を見直す。その内に家の電気窯で焼成するつもり。・・こんな元旦もまた元旦である。

2010-01-01
1月2日(土)  <曰く付きの香炉・・・>
曰く付き(いわくつき)の香炉を完成させた。「今日の表紙」に掲載した「香炉E-1」(陶芸)である。この香炉は元旦(昨日)の朝9時45分に家の窯から取り出したものである(内部の温度が90度以下になれば窯を開くことができるので時間を覚えている)。昨年末に陶芸教室で制作していた香炉を削り仕上げの段階で一部を割ってしまった。修理しても割れが残る可能性が強いので廃却すべきところを家に持ち帰り家の窯で試しに焼成してみたものである。やはり割れは発生したけれども仕上げを工夫すれば何とかなるのでないかと手を入れて香炉を完成させた。香炉のカバーには上部に水を入れて一輪挿しなどを飾れるようなくぼみを設け、また側面(写真の反対側)から内部で香の燃える様が見えるような構造としている。世の中には一つでも欠陥があったり、気に入らないと直ちに廃棄してしまう名人気質の話をよく聞くが、私はいつも本当に欠陥なのかを問うてみる。欠陥に見えるものが実はユニークな特長であったり味わい深い姿であったり独特の風味であることは多いものだ。意外な素質を持った”曰く付き”を名品に変えることができればこれほど面白いことはない。
「今日の写真」は墓参にいったお寺の夕暮れ風景。
2010-01-02@九品仏・東京

1月3日(日)  <正月恒例の箱根駅伝・・・>
正月恒例の箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)は東洋大が二連覇を達成して幕を閉じた。往路5区で東洋大のエース・柏原竜二が7位でたすきを受けた後一挙に6人を抜きトップでゴールした大逆転が勝負の全てといってもよい。柏原は昨年に続く「山上り」での激走である。往復10人のチームプレーであるにもかかわらず一人の力で勝負を決める「怪物」の出現は喜ぶべき事だろう。「箱根駅伝」のゴール、大手町読売新聞社前のテレビ映像をみながら個人的にはふと感慨に浸るところがあった。丁度10年前の2000年1月3日、私は正月にもかかわらず特別に大手町のオフィスに出社していた。当時年号が1999から2000に変わることによるコンピュータ処理上の問題が懸念されて(いわゆる「2000年問題」)その対応に備えていたのである。幸いそれほどの混乱は発生せずホット一息ついたころ、直ぐ側の路上では箱根駅伝のアンカーが続々とゴールしていた。あれから10年・・。その後好きなことばかりやらせてもらっている幸運を感謝。少しは恩返ししなければならない・・。

1月4日(月)  <世界一の超高層ビル・・・>
世界一の超高層ビルがドバイで今日1月4日にオープンする。アラブ首長国連邦・ドバイの「ブルジュ・ドバイ(Burj Dubai)」である。”ブルジュ”はアラビア語で「塔」を意味するから”ドバイタワー”だ。160階建て、高さが約820mというが正確な高さは今は未確認のようだ。何しろ膨大な建築材の重量によって完成後に60cm余垂直方向に変位を生ずるとか。このビルは世界一高い超高層ビル以外に以下の記録がつく:世界一高い自立式建造物(テレビ塔より高い)、歴史上最も高い建造物(放送塔より高い)/Wikipedia資料より<写真例=ここ>。ドバイでは「ブルジュ・ドバイ」の側に昨年(2009)世界最大の噴水「ドバイ・ファウンテン」がオープンした(動画例=ここ)。いうまでもなくアラブ首長国連邦(UAE)の財力の元は石油である(日本はその最大の輸出先)。そして石油で稼げる間に観光客を世界中から呼び寄せるための”世界一”を目玉として作り上げる戦略が着々と実践されつつある。成功すればラスベガスに行くよりも世界の金持ちがドバイに行くことになる。先行きは分からないがこんなところでも歴史は確実に動いている。
1月5日(火)  <亡くなって知る犬の役・・・>
”亡くなって知る犬の役”と言いたくなる。昨年11月に犬が亡くなると朝晩必ず一緒に散歩していた習慣が途絶えて一人で散歩するには戸惑いがある。気がつくとほとんど運動なし、散歩もなしで一日が終わる事が多い。これではいけないとウオーキングを試みるが健康のために推奨される"一日一万歩”にはほど遠い。今日は恵比寿ガーデンプレイスまで行ったがこれも4500歩ほどであった。歩数は足りなくても最近は散歩の時間が貴重に思えてきた。決して無駄でも余分な時間でもない。むしろ贅沢な時間である。創作のテーマを抱えている時には考える時間となるし、都会といえども季節の移り変わりを発見できる。ダイナミックに変化する街は刺激的だ。犬を連れている人とのコミュニケーションは楽しい。まだ継続できるかどうかは分からないけれど、歩数のためのウオーキングでなく”散歩”を習慣としたい。

2010-01-05@恵比寿ガーデンプレイス・東京

1月6日(水)  <”鏡リュウジ”という占星術研究家・・・>
”鏡リュウジ”という占星術研究家の名を知らなかったが、本人の書いた文章を読んで感心した。本は「16歳の教科書2」(講談社)のタイトルで16歳の若者向けに6名のスペシアリストが特別講義をする形式をとったもので、ジャズシンガーの綾戸智恵さんや外食のサイゼリアを立ち上げた正垣泰彦さんらと並んで鏡リュウジさんの講義も取り上げられている。私は占いなどにほとんど興味がないので鏡さんの名もしらなかったし、怪しげな占い師が得意げにテレビに出演するのにはむしろ不快感を感じる方だ。ところが鏡さんは今年32歳になるという若さにもかかわらず占いとか占星術を非常に的確に捉えている。彼は占いが「科学的でない」ことを明言する。その上で、科学はHowにはこたえられるけれどもWhyには答えられないところに占いの存在意義があるとする。そして星占いの12星座や易の四柱推命(また血液型)などのパターンは「自分と他者に違いがある」、「自分とは違う価値観がある」ことを受け入れるための智恵とみる。こういうとらえ方をした占いならばある程度分かる。彼は国際基督教大学の修士課程を修了しており「心理学的アプローチの占星術を日本に紹介した第一人者」と紹介されていた。この人、占星術以外のことでも何かみせるのでないか・・。
「今日の写真」は 菅刈公園(東京・目黒区、西郷山公園と同じく、西郷隆盛の弟、西郷従道の屋敷跡)で撮影した「クロガネモチの赤い実」&目黒川沿いの写真。

2010-01-06@菅刈公園(目黒区)     「枯れ枝が クレーンと競う 冬の空」(T)

1月7日(木)  <人間型ロボットは絵画に似ている・・・>
人間型ロボットは絵画に似ている・・と、こんな妄想を抱いた。人間型ロボットは人間らしさが増えるに従って一般的には好感度が上昇するが、あるレベルに達すると急に嫌悪感が強くなるという。これは「不気味の谷」と呼ばれて要は中途半端に無表情な人間に似ているのが逆に”気持ち悪い”と感じられるためらしい。けれども最近の技術で表情や動作がもっとリアルになると今度はまた好感度が増してくるというのである。絵画の場合一般的には抽象よりも具象的な絵が”上手”などと好まれる。けれども一生懸命に対象と同じように描こうとしながら未熟である具象画は下手さが目立ってしまう。ところが技量が向上して更に細かい細密画が完璧に描ければ評価される。いささか安易な絵画論であるが私の場合は特別に細密画がいいとも思わないし、むしろ適度な抽象やデフォルメした姿が好きだ。下手な具象は好みではない。・・言いたいことは人間型ロボットさんも余りにリアルな顔や表情は勘弁して欲しいということ。私の場合いくらリアルなロボットでも不気味な谷は深まるばかりだ。ロボットはロボットらしくメカニカルな美しさを表現して欲しい・・。
1月8日(金)  <オタマトーン・・・>
「オタマトーン」という電子楽器を知っている人は相当モノズキに違いない。表紙の「今日の絵」に掲載した「mieuへの絵手紙・オタマトーン(水彩)」はこのオタマトーンを描いた。これはアノ明和電機が昨年新発売した"電子楽器”である。明和電機はオリジナルな電子楽器や玩具を製作する非常にユニークな会社だが経営的に大丈夫かこちらが心配するのをよそ事にMOMA(ニューヨーク近代美術館)のショップでオモチャを販売するなど元気に活動しているのがうれしい(私も明和電機のオモチャをいくつか持っている。明和電機のユニークな製品群を是非見てやって欲しい=ここ)。さてオタマトーンは縦の棒の部分に指を置くと音がでる。音階は指の位置で決まる。下の人形の口を開くようにするとビブラートがかかる・・とこんな説明をするよりもインターネットの動画(you tube)でデモンストレーションを見る方が分かり易い=ここ。オタマトーンを「mieuへの絵手紙」に描いたが実はこのオタマトーンはニューヨークに住む孫娘mieuのものでこれからニューヨークに送らなければならない。アメリカで買うより日本で買う方が割安なのでこちらは発送係という訳だが、楽器といえるかどうか分からないが(きっちりした演奏は相当に難しい)これだけの機能を持った製品を3000円足らずで販売出来るようにする技術力にむしろ感心してしまう。


1月9日(土)  <樹木葬・・・>
樹木葬を東京都が2012年度に都立霊園に導入するとのニュースがあった。樹木葬は墓石の代わりに樹木の根元に遺骨を埋葬するやり方だが、散骨のようにどこにでも埋める事は法律で禁止されているので墓地として許可された区域に行政や宗教法人が埋葬することになる。全国に20箇所以上あるようだが都立霊園では初めての試みで、1本の樹木を複数の人の墓標とするので墓地不足を解消し緑化も推進されるとしている。私は千葉に住む親戚が樹木葬の墓地を購入してとてもいいよと勧められたことがあった。紹介されてインターネットで樹木葬の場所も見たことがあるので樹木葬のことはよく知っていた。東京都内では一年間に新たに必要となる墓は約2万基という。確かに自分の墓の事を考えると憂鬱になる。三男の自分など墓なんてなくてもいいと思いながら昨年亡くなった息子は私の親の墓に入れてもらっている。自分のことはどうでもいいが身内のこととなると親の墓があって有り難かった。先のことを心配する趣味はないが今の時代長男が墓を継いでいくと直ぐに家系が途絶えることはいくらでもあるので墓のあり方も難しい。都立霊園の樹木葬はいいと思うが公募で当選するのは容易ではないようだ。やはり先のことを考えるのは止めようか・・。
1月10日(日)  <雪の結晶・・・>
雪の結晶を見るだけで人は造化の妙を知る。・・などといって実は私自身本物の雪の結晶を顕微鏡で鮮明に見たことはない。子供の頃、中谷宇吉郎さん(=1900〜1962、物理学者&随筆家、人工雪で結晶の解明をした、現在も中谷宇吉郎の雪の科学技術館がある=ここ)の話に胸を躍らせて雪の結晶を顕微鏡で見ようとしたことがあるが、顕微鏡で雪を見るのは気温がマイナス5度からマイナス10度近辺でなければならないから簡単には見られなかった。「今日の表紙」に「mieuへの絵手紙・雪の結晶」(水彩)を掲載したが、これはインターネットで結晶の写真を見て改めて感動して絵手紙としたものである。二つとして全く同じ形状にならないと言われるが全て見事な正6角形(中には12角形のものもある)。なぜ正6角形かというと、雪も氷も水の固体であり水の分子の結晶構造が(大気圧下では)六方晶型であるからだ(雪の結晶の成長過程について=ここ=の説明が分かり易い)。ニューヨークに住む孫娘、mieuのところはマイナス10度など日常であるというから、その気になれば雪の結晶を見ることが出来るかも知れない。


1月11日(月)  <明治座で「細雪」・・・>
明治座で「細雪」の舞台をみた。正月からはじまった明治座公演「細雪」の切符をいただいたので久しぶりに妻と観劇したのである。細雪はご存じの通り作家谷崎潤一郎の長編小説を舞台化したもの(脚本は菊田一夫)。内容は大阪船場で古い暖簾(のれん)を誇る家の四人姉妹が繰り広げる物語で特別に過激でも反体制でもないが執筆されたのが第二次世界大戦中(1942〜)であったため軍部から発禁処分を受けた。しかし終戦後に(1948)作品が完成したときには多くの人から評価されたという。名家の崩壊寸前の中にも逞しさや美しさ、優しさを醸し出す四人姉妹の個性が見事に描かれる。今回の四人姉妹のキャストは、高橋恵子(54歳)賀来千香子(48)紺野美沙子(49)藤谷美紀(36)。舞台としてはこの四人姉妹の豪華な着物姿が見せ場である。私はといえば明治座の大舞台の装置が極めて静かに転換することにも今更ながら感心した。東京・日本橋浜町にある明治座は隅田川に近い。観劇のついでに川岸の浜町公園までいってしばし隅田川を眺めてきた。

2010-01-11@明治座・日本橋浜町         隅田川 /浜町公園より

1月12日(火)  <自分の”しもやけ”・・・>
自分の”しもやけ”が勲章のように思えることがある。子供の頃”○○ちゃんはしもやけがひどくてかわいそうね”と親や周りの人から言われた。その時代は手袋もすることはなかったし勿論しもやけなど何の苦にもならなかった。それでも大人になって手の指にしもやけの痕跡が残っているのを見て完治しないほどの相当ひどいしもやけだったのだろうと思ったものだ。東京は昨日、今日とこの冬一番の寒さが続く。寒いときに左手の人差し指に残る60年以上前のしもやけの跡をみると何故か寒さなどに負けていられるかと元気になるのである。しもやけ(霜焼け)は「寒さのために血行が悪くなり生じる炎症」と説明されているがかかりやすいかどうかはかなり個人差があるようだ。つまり個人の体質により皮膚の表面の状態が異なる。霜焼けになり易かった私の手はいわゆる”油手”である。脂肪分の分泌が多いとか多汗症だとかいわれることもあるが楽器などに手の脂が付くので演奏者には向いていないと自ら悟った経緯がある。油手でも霜焼けになりやすくても指がきっちり動くだけで不満はない。童謡「たきび」の二番の歌詞に「しもやけお手々」がでてくる。この童謡は私の生まれた年に発表されたものだった:「さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき あたろうか あたろうよ しもやけ おててが もうかゆい」(巽聖歌作詞・渡辺茂作曲)

1月13日(水)  <「香炉&箸置き」(陶芸)・・・>
「香炉&箸置き」(陶芸)を「今日の表紙」に掲載した。昨日、家の電気窯で焼き上がった”陶芸作品”であるが、香炉と箸置きが特別関連あるわけではない。正月に家で妻に陶芸を教えて家の電気窯で焼成したところ初めてにしてはとてもよくできた。そこで初心者に陶芸を体験してもらうときには色見本があった方がいいと気がつき「箸置き」を作ったのである。箸置きは陶芸教室でも初めて陶芸をするときの課題とする。比較的制作が容易で自由に本人の好きな形と色を選ぶことができるので初心者には最適だ。この写真に掲載した箸置きは釉薬の色が比較できるように色を分けて塗布したり釉薬の厚みを意識的に変えて制作した。もう一つの「香炉」は以前陶芸教室で制作したことのある形状の香炉をまた作ったもの。気に入った香炉は教室だとか家とか関係なく作りたくなる。香炉の外観形状はリピートに見えても詳細は決して同じにはならない。似て非なるところが面白く、香炉はこれからもまたしばらくは作り続けたいテーマの一つある。

1月14日(木)  <「歌会始の儀」・・・>
「歌会始の儀」が今日の午前中に行われた。これまで歌会始には特に興味がなかったけれども最近インターネットで"写真俳句”を毎日読んでいるので今回の歌会始の歌(題は<光>)を味わってみた。一つ一つ細かく読んでみるとこれがとても面白い。勿論、良し悪しをコメントしたり論評するなどおこがましい。ただ好みだけははっきりしている。感心するのは訓練されているのだろうが皇族方の巧みな歌。天皇、皇后陛下は言うに及ばず、例えば秋篠宮さま:「イグアスの 蛍は数多(あまた) 光りつつ 散り交(か)ふ影は 星の如くに」、常陸宮妃華子さま:「大記録 なししイチローの その知らせ 希望の光を 子らにあたへむ」(!)。選者の三枝昂之さん:「あたらしき 一歩をわれに 促して 山河は春へ 光をふくむ」(分かり易いが私には観念的に思えた)、入選者の小川健二さん(84歳):「選果機の ベルトに乗りし 我がみかん 光センサーが 糖度を示す」(光センサーの意外性はとても84歳の作とは思えない)。ちなみに新年早々には昨年中に天皇、皇后両陛下が詠まれた歌から8首が発表されている。その中にある皇后陛下の歌:(宇宙飛行士帰還時に)「夏草の 茂れる星に 還り来て まづその草の 香を云ひし人」。・・なんと日本は文化的であることか・・。

1月15日(金)  <とにかく行動すること・・・>
とにかく行動すること、これが活力の源泉となる。今日は陶芸教室の仲間が個展を開催しているので国立(=くにたち、中央線で国分寺と立川の中間)までいった。毎回オリジナリテイーのある繊細な作品を発表する人なので今回も楽しみにしていた。センスのいい作品群を見ている内に突然自分の陶芸で制作するアイデイァが閃いた。もちろん同じものを作るのでなく自分ならこうしたいと創作の意欲が湧いてきたのである。帰りの電車の中でメモ帳にいくつもの浮かんだアイデイアの絵を描いていると今日は大きな収穫を得たような気分になった。今日のように個展で触発されることに限らずいつも他人から元気をもらうことが多い。家で本を読む(あるいは見る)、あるいはインターネットで外界をみることにより面識のない人から影響を受けることもあれば、外に出て人に出会ったり"現物”に接することによりインスピレーションを得ることもある。本を読むこと、インターネットをすること、そして外出すること全てを行動とみると行動なくして元気はでない。不思議なことに、私たちは先人たちのパワーを確実に受け入れることができるし、同時代に生きる見ず知らずの人のエネルギーを吸収することもできる。他人からもらう一方ではなく少しは何か与えたいと思うのだが・・。
「今日の表紙」に「香炉F-2(陶芸)」を掲載。香を焚くと煙が上部の穴を順に移動していくのが面白い。


1月16日(土)  <広い歩道を一人自転車で走る・・・>
広い歩道を一人自転車で走る贅沢を週に一度は味わう。土曜日の早朝にテニスのために青山通り(東京・国道246号)脇の歩道を自転車で走るときにいつも至福感を覚えるのであるが、一方で公共の道路を独り占めしている罪悪感にとらわれる(下の掲載写真は表参道から神宮前方向にみた広大な歩道。7時40分頃の風景で休日のため人も車も少ない)。丁度、北海道のガラガラの高速道路を自動車で走るような感覚。気持ちがいいかも知れないが税金で作った立派な設備をもっと大勢で利用しなくていいものか負い目を感じるのである。いわゆる社会共通資本(インフラストラクチャー)の充実なのかも知れないが他のことでも同じような「贅沢」に囲まれていると思うことが多い。混雑のピークを避けるだけで公共という名の下の贅沢を甘受できるのはいささか反動が怖ろしい。
 
2010-01-16@青山通り・東京/表参道   @西郷山公園、「寒空に 梅のつぼみが 音符みせ」(T)

1月17日(日)  <「すかす」という言葉・・・>
「すかす」という言葉の解釈で妻と意見が合わなかった。私は関西育ちで子供の頃に「すかす」を聞いたことも使ったこともなかった。東京で”あいつ、すかしやがるから・・”などと言う人に出会って何となく関東言葉のニュアンスをつかんだ。最近、俺は<お前たちとは違って>○○だといって平然と格好付けた言動をする人のことを”すかしてる”というのでないかと東京育ちの妻に同意を求めたところ、少し違うという。妻は自分のことを二枚目と思っている男性がそれを鼻にかけて澄まして話をするような時にその人を中傷するときに「すかしている」を使うのでないかという。そこで辞書を引いてみると見事に難問(?)解決した。新明解(三省堂)によれば「(東京・神奈川方言)きどる。すます。」とある。広辞苑には「きどる。すましこむ(侮っていう俗語)」とあるが東京・神奈川方言とまでは触れていない。「すかす」は、やはり”すかすんじゃあねえよ!”と使うのが相応しいようだ。
「今日の写真」(左)は目黒川(東京)にて撮影。(右)は西郷山公園(目黒区)、丘の中央に河津桜がある

2010-01-17     「春を待つ 桜の木々に 冬日差す」(T)

1月18日(月)  <ビール坂・・・>
「ビール坂」を散歩のコースに加えた。今の恵比寿ガーデンプレイス(東京)は1996年に恵比寿ビールの工場跡が再開発されたものであることはよく知られており、サッポロビールの本社や麦酒記念館もガーデンプレイスの中にある。現在一日の乗車人員が10万人以上であるJR恵比寿駅も歴史的には恵比寿ビールの運搬用としてできた駅であり、駅名の「恵比寿」もビールの名前からきていることはこのホームページでも触れている(=ここ)。「ビール坂」はこのビール工場からビールを運搬するために使用された道に付けられた名前であり、明治時代に馬車などが頻繁に行き来したのだろう。元は工場から渋谷川の方面に緩い下り坂になっているが今は変哲もない通りで言われなければ「ビール坂」とは気がつかない(地図=ここ)。「ビール坂」に限らず、都会でも「歴史探索」のつもりになればまだまだ新しい散歩コースを開拓できそうだ。
「今日の表紙」に前回の続きで「香炉F-3( 陶芸)」を掲載したが、これは中で香を焚くのでなくLEDランプを灯した遊び。


1月19日(火)  <楽焼・・・>
「楽焼」をやることにした。陶芸教室で定期的に「楽焼」の集まりがあるので次回に加わることにしたのである。陶芸教室では一般の陶芸品は電気窯を使い1200〜1300度の高温度で焼成するが、楽焼は800〜900度の低温度で焼成する素人でもコンロなどを使い焼き物を楽しむことができる焼き方である。それを何故教室であえてやるのか。それは形を作ることに加えて自分で「焼く」ことを体験して「焼き物」の奥深さに触れることでもあろう。ところで楽焼の伝統を引き継ぐ楽家の「楽」は豊臣秀吉から聚楽第の「楽」の字を記した黄金の印を与えられたことに始まるという。それにしても楽家初代の長次郎から400年以上、現代まで楽家(今は15代)の楽焼作りが継続されていることは驚異である(以前、長次郎作の黒楽茶碗「俊寛」(写真=ここ参照)以下、代々の作の展示を三井記念美術館でみたことがある)。さて教室ではやはり抹茶茶碗に挑戦する人が多いが私は実用的な湯飲み茶碗をまず二つ作ることにして家で制作した。「今日の表紙」に掲げた写真は今日教室に素焼きのために持って行った茶碗で、左が黒楽用、右が赤楽用。自分自身、完成がどんな姿になるか予測できていないが粘土の素材を記録するチャンスも希であるのであえて掲載してみた。楽焼完成はまだ一ヶ月ほど先になる。


1月20日(水)  <今日は月の第三水曜日・・・>
今日は月の第三水曜日。私のパソコンカレンダー(iCal=マックのカレンダーソフト)でこの日には特別のマークがしてある。第三水曜日は東京都の多くの施設で「65歳以上の利用料が無料」となるのである。入場料にこだわる訳ではないが都合がよければこれを活用しない手はない。上野の東京都美術館にも行けないことはないが今日は散歩のついでに恵比寿の東京都写真美術館にいった。「日本の新進(写真)作家展<6人のアーテイストによる旅>」、「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン、それに「アブストラクト・アニメーション(映像)」の各展示室を楽しませてもらった。見終わってまだ元気があったので更にウオーキングで東京都庭園美術館まで足を伸ばす。ここでは珍しくイタリアの絵画展、「マッキアイオーリ<光を描いた近代画家たち」を開催していた(3月14日まで)。1850年代のイタリア・トスカーナ地方で当時の"イタリア統一運動”に触発された若き芸術家たちが集まり新しい芸術を模索した中で斑点(イタリア語でマッキア)を用いる斬新な技法を編み出して生き生きと絵画を描いた。このグループは”マッキアイオーリ”(マッキア派の画家たち)と呼ばれその後のフランス印象派の先駆け的な位置づけとなったそうだ。私はマッキアイオーリのことを知らなかったが光と影の対比が巧みでフランス印象派よりもまだ古典的な細密描写が強く残っているように思えた。・・庭園美術館からの帰路、歩いているうちに汗をかいた。暦では大寒の日の今日、全国的に3月下旬並のポカポカ陽気であったとニュースが伝える。
2010-01-20@東京都庭園美術館

1月21日(木)  <シャコバサボテン・・・>
「シャコバサボテン」の絵をmieuへの絵手紙に描いた(今日の作品に掲載)。いま我が家では鉢植えのシャコバサボテンの花が満開である。数えきれないほど多くの花が咲いているがその内の一部を描いてみた。このサボテン、あらためて観察すると実に不思議な形をしている。葉のような形状をした茎が連なっておりその先端に花をつける。膨らんだ葉状の茎の形がシャコ(蝦蛄)に似ているので「シャコバ」の名前が付いたという。シャコは寿司ダネや郷土料理で使用されるエビと芋虫を合体させたような外観の生物。私は食用に余り好まないが、昔はサボテンの名前になるほどポピュラーであったのだろう。ちなみにシャコバサボテンの英名はChristmas cuctus。単純にクリスマスの頃に花を咲かせるサボテンとみた名前であり、花は関係なく茎(葉状)をシャコにみたシャコバサボテンと比べるとネーミングも国や地方によって随分と発想が違って面白い。日本ではサボテンのこともカクタスなどと呼ばずにやはりサボテンあるいはシャボテンであってほしい・・。


1月22日(金)  <年に一回の健康診査・・・>
年に一回の健康診査を受けると興味ある"改善”に気がつく。私の場合、区(東京)が指定する民間の医療機関を選んで受診するのであるが毎年決まったクリニックで検査を受けている。これとは別に区の付属診療所でガン検診も受診する。区の診療所では毎年変わらない手順と内容で終始するのに対して、民間のクリニックでは何らか新しいやり方を取り入れているのである。今日の受診では、上半身は診療着とするが下半身はそのまま(靴下だけは脱ぐ/以前は全身診療着)、身長体重は短時間の自動計測(これは以前からかな?)、眼底検査のやり方を変えて残像がいつまでも残らない、血液を採取した後の止血のやり方も以前よりよくなった・・、と言う調子。丁度、企業で行う改善提案であるとか顧客の要望をきいて顧客満足を目指す運動が医療現場でも実施されている感じを受ける。実質的にコストダウンになることも顧客がより満足するやり方を取り入れる姿勢がみえるのである。たまたまこのクリニックが熱心であるのかも知れないが、役所の機関も改善提案を導入することができないものか・・とつい役所を引き合いに出したくなった。
今日の写真は渋谷(東京)の繁華街(東急本店脇)と500mも離れていない公園風景。このギャップが面白い。
 
2010-01-22@渋谷・鍋島松濤公園         @渋谷・道玄坂二丁目 

1月23日(土)  <アドレナリンのこと・・・>
アドレナリンのことを書こう。先日NHKテレビで空腹状態の主婦(数名)が大好きな韓流スターが目の前に現れたとたんに空腹を全く忘れてしまう実験をやって見せた。その時、分泌されたアドレナリンによって血糖値が上がり脳は空腹であることを忘れるのだと説明していた。要はアドレナリンがでるとダイエット効果があるという訳だ。Wikipedia(ネットの百科事典)の解説ではアドレナリンとは:「副腎髄質より分泌されるホルモンであり、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質」、「ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開き血糖値を上げる作用などがある」。面白いのはアドレナリンは「fight-or-flight(闘争か逃走か)のホルモンと呼ばれて、動物が生き残るための闘争や敵から身を守るために費やすストレスを全身の器官に引き起こすものという。例えば、骨折したり血まみれになっても全く痛みを感じないケースは興奮してアドレナリンが分泌されることによる。確かに生死にかかわらなくても刺激を受けて興奮すると"腹が減った"などとは言わない。現在は薬品として合成されたアドレナリンも使用されるが、人間の生体内で合成されて分泌される本来のアドレナリンは実によくできた不思議な物質だ。人間が生きていく限り、つまり身体機能を維持するためにも適度の(ここがポイント!)刺激と興奮が不可欠であることが理解できる。
1月24日(日)  <「朝三暮四」の四字熟語・・・>
「朝三暮四」の四字熟語が日本中に浸透したように思える。鳩山首相が国会で「朝三暮四」の意を問われて「朝令暮改」と勘違いしたことを例によってマスコミがおもしろおかしく揶揄する。大体、”総理、『朝三暮四』の意味をご存じか”などと質問する方も失礼千万だが、質問の状況からとっさに「朝令暮改」を連想するのは無理もないと私は鳩山さんに同情的だ。以前、上司が朝令暮改(命令や方針が絶えず改められてあてにならないこと)だといって嘆く人がいたが私は朝令暮改大いに結構とした。決めたことが間違いと気がつけば如何に早く修正するかが勝負となる。朝令暮改と言われようが方針変更を恐れてはならない。朝三暮四(目的の違いばかりにこだわって同じ結果になることに気がつかないこと。朝四暮三。口先でうまく人をだますこと/解説は各広辞苑による)にしても質問者は「政府がやっていることはまさに朝三暮四だ」と非難したそうだが、つまりは前政権の予算案を編成し直したけれども結局同じ結果になるというのならばそもそも「議論」にならない。言葉尻をとらえたやりとりはもう結構。報道側も粗探しばかりでなく、少しは自分たちは何をすべきか真剣に考えたらどうか・・。

1月25日(月)  <芸術工学・・・>
「芸術工学」という展覧会をみた。実は"芸術工学”という言葉があることさえ知らなかったが、芸術と工学と両方に興味がある自分としては無条件に足が向いたのである。これは九州大学芸術工学東京サイトが東京ミッドタウン(デザインハブ=ここ)で開催している企画展(2/14まで開催中、入場無料、net案内=ここ))。今回知ったのであるが、いくつかの大学では、科学技術と芸術の融合を目指した学際的複合領域の学部として芸術工学部がある。これは1968年に九州芸術工科大学に設置されたのが最初で、その後九州大学がこの大学(学部)を合併統合して現在に至るという。九州大学芸術工学部は相当に長い歴史をもっていることになる。ただし残念ながら企画展の内容は何か「芸術工学部」の立場の難しさを象徴するような風にみえた。気迫というか迫力が感じられない、要は元気がないのである。昔からインダストリアルデザインの領域はあった。そんなデザイナーを養成するだけでもないし、当然”芸術は爆発だ!”といって表現するものでもない。せっかく東京ミッドタウンという一等地で発信するからには「芸術工学」とは”こんなにワクワクするものだ”という内容を見せて欲しかった。
今日の写真は東京ミッドタウンの広場に開設された屋外アイススケートリンク
(フォルクスワーゲンがスポンサー、2/28まで)。

2010-01-25@東京ミッドタウン
1月26日(火)  <「死に方」だけは・・・>
「死に方」だけは誰も自分の思うようにならないことを最近になって妙に意識するようになった。自分では無理に長生きなどしたくないと思っていても周囲に迷惑をかけながら長生きをする人がいるかと思えば、まだまだ元気で社会に貢献している人が不本意ながら世を去る。最近ニュースとなった”おくやみ”の人、元プロ野球選手の小林繁さん(57歳)は言うに及ばず、元タレントのミッキー安川さん(享年76歳)の年齢でもこの世からの去り方が爽やかに思える。それが映画評論家、双葉十三郎さんが99歳だったと聞くと失礼ながらご家族は最後の10〜20年間ご苦労されたのでは、と余計な心配をしてしまう。介護を受けながら生きながらえる人生の時間が意味がないとは云えなくても膨大な数の要介護の人をかかえる社会とはどうなるのか見当がつかない。超高齢化社会を迎えて「老人」に対する敬い方が昔と比べて変わるのは当然であろうが、その問題社会に私たちは徐々に浸ろうとしている。死ぬことが周囲と社会の役に立つ・・こんな社会はさびしいが一つの生物体の成り行きと見ればあり得るかも知れない・・。

1月27日(水)  <我が家で陶芸を体験・・・>
我が家で陶芸を体験してもらおうと妻の友人4人をお招きした。家には小さな電気窯があるので小物ならば焼成できる。一人は一二度陶芸をやったことがあるようだったが、3人は初体験。全く自由に何でも制作していいことにしたのに、そろって私が今年の年頭に制作した箱形香炉を作り始めた。この香炉はただの箱形でなく上部に水を溜めて小さな花も活けられる複雑な構造をしている。普通の陶芸教室ではとても初心者や初めて粘土をいじる人が取り組む課題ではない。ところがこちらで適当なアドバイスをするだけで制作がどんどん進む。最後には4人ともにすばらしい"香炉”を作り上げたのには驚いた。4人の作った香炉は決して同じではない。それぞれに個性が豊かで私がハッとする作品揃いだ。世の中では経験者とか専門家が威張っているが実はたまたまその分野に関与しなかった人の方が経験者たち以上に才能やセンスがあることも多いのでないか、・・そんな思いまで抱かせられた。今日は粘土形状まで。これから先の仕上がり、完成が楽しみだ。

1月28日(木)  <漢字の書き取り・・・>
漢字の書き取りを始めた、・・なんていうと小学生か、あるいはかなりの老人のようでかっこ悪いが、これが結構面白い。新たに教材を揃えたのでなく数年前に脳トレがブームになった頃の本が出てきたので中味を見ると「漢字の書き取り」には一つも手を付けていない。そこでおもしろ半分にやってみたらハマッタのである。何が上手くできているかというと問題が”やさしい”こと。小学生の上級生か中学生程度の漢字でほとんど出来る。ところが全部で20問(一日分)ある中でアレと思って直ぐに書けない問題が一個か二個でてくる。私は、マブカ(目深)とかブケショハット(武家諸法度)、ウブユ(産湯)まででなかった。字を見れば何でもない漢字ばかりだが思い出せない。満点でなければ悔しいので翌日やると今度はジガジサン(自画自讃)を間違えるという調子だ。最近はほとんど手で漢字を書く機会がなくなった。パソコンのキーを押すと直ぐに漢字が出る。自分で漢字を書いてみると書く能力の衰えを嫌でも自覚する。せっかくの教材を活用してあと50日ほど(教材の残り日にち)書き取り遊びを続けてみたい。

1月29日(金)  <孫娘が自分のメールドレス・・・>
孫娘が自分のメールドレスをつくって毎日のようにメールが届くようになった。こちらから返事を出すときに初めは意識して仮名文字を使っていたが全くそうする必要がないことが分かり、普通の漢字入りのメールとしている。キーボードを打つスピードはもしかすると私より早いかも知れない。インターネットでも孫娘は気に入ったサイトが見つけると直ぐに"お気に入り”に入れる。いつの時代でも子供の吸収力や適応力はすばらしい。身の回りの全てに興味を持ち使いこなす。遊び道具としてあれこれいじっている内にマスターするので、ほとんど教えてもらうこともないし、マニュアルを読むこともない。学習能力というとどうしても年輩者と比較してしまうが、年輩者が新しい分野を吸収しようとする場合、経験とプライドが障害になるという。「老人とは75歳以上」と新老人を説かれる日野原重明 さん(1911年生まれの医師、98歳で現役活躍中)は人は75歳から新しいことに挑戦すべきと言っている。積み重ねた経験に固執せずプライドを捨てて子供のように新しいことに興味を持てば脳が活性化することは分かる。孫娘はニューヨークで電子メールと同時に「習字」も始めたようだ。私は新老人にはまだ時間があるけれども書道や墨絵なども新分野の候補である・・。

1月30日(土)  <鼠人形の絵・・・>
鼠人形の絵を描いた。今日の表紙に掲載した「mieuへの絵手紙」(ペン&水彩)。飾り棚の奥から古い人形を見つけ出して描いたのであるが、描きながら感慨に浸っていた。この人形をモデルとしてかなり昔に留学している娘宛にやはり絵手紙を描いた覚えがある。娘への絵手紙に描いた同じ人形を娘の娘(孫娘)へ描いている現実が夢のようであった。娘への絵手紙はこのホームページに掲載している(=ここ)ので、昔の絵は1996年に描いたことが直ぐに分かった。タイトルは「ねずみさん(=ここ/part3)。14年の歳月の間にねずみさんの人形は変わらず私の描き方も大して変化していないけれども、変わるものは大きく変わる。パソコンや携帯電話などの機能は大進化。何より新たな人の生命が生まれ成長すると共に一方で我々は年を重ねる。次の14年後に私が絵手紙を描いているかどうかは神のみぞ知る。もちろんこの「鼠人形」が残っていれば十分に満足である。


1月31日(日)  <梅一輪・・・>
「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」は服部嵐雪の有名な句である。服部嵐雪(1654-1707)は松尾芭蕉の高弟として知られ芭蕉の没後江戸俳壇で活躍した。最近インターネットで写真俳句をみる機会が多い。今の時節、梅の俳句が急に増えているが、やはり先人の句に触れるとホッとする。芭蕉の梅の句はどれを選ぶか迷うが例えば:「梅が香や 見ぬ世の人に 御意を得る」。蕪村:「白梅の 枯木にもどる 月夜かな」。一茶:「梅咲けど 鶯なけど 一人かな」。・・東京でもポツリポツリと梅の開花がはじまった。梅の写真を添えたいところであるが梅には特別の思いが出来てしまったので今日は止める。「今日の写真」は自然教育園(東京・白金、案内=ここ)とした。ここにいくといつも沢山のパワーをもらって元気になる。
 
2010-01-31@ 自然教育園

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