これまでの「今日のコラム」(2016年 9月分)


9月1日(木)   <今日は朝一番で石山寺・・・>
今日は朝一番で石山寺に行った。石山寺は紫式部ゆかりの寺として知られる琵琶湖南端に位置するお寺。本堂が珪灰石という巨大な岩盤の上に建っているので石山の名となったとされるが、仏像の台座を始め、至るところに立派な岩石が認められる。その後再度三井寺にも行った。三井寺では一昨日には夕方の門限で行けなかった一番奥の観音堂や琵琶湖を一望できる展望台まで足を伸ばした。帰途、京都の伏見稲荷に立寄る。以前、伏見稲荷の前までは来たことがあるが、駐車場が混雑して入ることが出来なかったことがあるので駐車できるか心配したが直ぐに入ることが出来た。例の赤い鳥居でも見て帰るかと思っていたけれども見学し始めると止まらない。本殿から更に先の先、山道に作られた赤い鳥居を何百本も通り過ぎて(千本鳥居だ!)三の辻から四の辻・・。妻は今足の具合が悪く杖をついているところなのに今日半日で一万数千歩も歩いてしまった。

2016-09-01 石山寺(東大門)
 
伏見稲荷(楼門)  右は千本鳥居


9月2日(金)   <今朝の早い時間に宅急便・・・>
今朝の早い時間に宅急便が届いたので何事かと思うと妻への誕生日プレゼントの花束だった(下の写真)。ニューヨークに住む娘家族からの贈り物。今やニューヨークで時間を指定して日本の家へ花を届けるのはいとも簡単であるようだ。昨日までの小旅行の中で現在では当然と思っている諸々のことが実は驚異的な進化の御蔭を被っていることに改めて気づかされた。新幹線の過密なダイヤが神業的に正確に維持されていること、レンターカーのエコな走り、カーナビの信頼性の高さ、地方の隅々まで整備された道路網、地方都市での24時間営業のレストランなど挙げていけば切りがない。今日は息子の月命日でもあるので夕方九品仏浄真寺にある墓にお参りをした。お寺は、昨日まで巡った多くの寺を含めて遺産を更に活かす工夫が十分ではない。参拝者のためにはまだ多くの”改良すべき点”があるように思える。歴史遺産であるお寺は最早個人の所有物ではないので、アンケートなどで多くの知恵を結集して運営するシステムも必要だろう。
  
2016-09-02 右は九品仏浄真寺の日暮れ
9月3日(土)   <来月10月に茨城県石岡市で開催される・・・>
来月10月に茨城県石岡市(笠間市の南)で開催される穴窯に陶芸仲間と一緒に参加することにした。現地に寝泊まりしながら窯を焚くのだが、当面そこで焼成する作品を今月中に完成(素焼きまで)させなければならない。以前、千葉の木更津で穴窯や登り窯を体験したが、釉薬のかかり具合が窯任せ、火任せでどんな具合に仕上がるか予測できないところが面白い。先ずは粘土の段階で小物5個を既に完成させた。小物であっても久しぶりに”創作した”という感覚を味わった。何事もターゲットが絞られるとやる気が出る。結果は天に任せるにしても目的・標的は他人任せにできないぞ・・。
9月4日(日)   <下北沢の中華レストラン「バーミヤン」で昼食・・・>
下北沢の中華レストラン「バーミヤン」で昼食をとった。直ぐ前では御神輿がワッショワッショイやっている最中で道路は大混雑。北澤八幡神社例大祭でこの時期、町は一番の盛り上がりを見せるという。バーミヤンで食べたのが”おこわ付き冷やし中華セット”。あらためて”おこわ”とはどんな定義か、教えてもらったので書いておこう。”おこわ”とは漢字で「御強」、強飯(こわめし)に丁寧語の「お」が付いた。主にもち米を蒸したものを「こわいい」→「おこわ」となった。狭義では「赤飯」のことを指すとあるように赤飯は御強の一種と考えればいいようだ。バーミヤンでは期待通り、予想通り葉っぱに包まれたお赤飯だった。・・陶芸教室はこのバーミヤンから歩いて3分のところにある。今日は久しぶりに教室で大作を一つ完成させた。
9月5日(月)   <表紙に「Mieuへの絵手紙・野葡萄」(ペンと水彩)・・・>
表紙に「Mieuへの絵手紙・野葡萄」(ペンと水彩)を掲載した。今日は丁度ニューヨークに住む孫娘Mieuの16歳の誕生日になる。今日描いた絵手紙は誕生日に合わせたものではないが、今日はどういう訳か物凄くやる気があり、描きたくなった。午前中は炎天下、テニスで走り回った。一ゲームごとに水筒の水を飲み干して補充したので、三ゲームの間に水筒三杯分の水分をとった。大汗をかくことがこれほど気分爽快になるものか、体力を消耗したはずだけれども帰宅した後も元気一杯で絵筆をとった次第だ。昨日は陶芸教室で部屋にこもって陶芸に集中しすぎて実は疲労困憊した。今日の達成感と比較しながら”疲労”とは何か考えさせられる。人それぞれに特性があるだろうが私の場合は身体を思う存分に動かすことが心身の健康の源であるのは間違いなさそうだ。

9月6日(火)   <手先の仕事をやろうとすると・・・>
手先の仕事をやろうとすると手の指がつりそうになることが最近何度か続いた。具体的には筆記用具で細かい線を描こうとする時とか工具で粘土の細密な模様をトレースしようとするときとか、緊張して細かい作業をする時に起こった。水道水を手にかけるとあっという間に直ってしまうのでそう深刻には考えなかったが、一つの警告としてとらえて指のトレーニングを始めた。それにしてもキーボードは叩くけれど鉛筆やペンを持つ機会が少ない。テニスラケットやバーベルを持つことはあるが指は使わない。手の指を折り曲げると左右共に痛みを感じる。指を一本一本引っ張ったり、ねじったりしてみると正に鍛錬されずにたるんだ指が10本実感される。そういえば指運動は脳の活性化にもよいという話を聞く。指の鍛錬と同時に指体操も取り入れて今日からGO・・。
9月7日(水)   <駒沢公園はウォーキングのコース・・・>
駒沢公園はウォーキングのコースの一つとして定着してきた。今日も朝からの豪雨が止んで午後には陽が差してきたので1時間余をかけて駒沢公園の奥まで散歩した。この公園は正式には駒沢オリンピック公園の名称であるように東京オリンピックの時に整備された。その後、改築されたものや現在も改築工事中のものもあるが基本的に東京オリンピックの”時代”を現しているので面白い。下に掲載した写真のような広大な石畳もそうだ。余計な装飾がなくローマの広場風。真夏の暑い時期には陰がなくて困るが季節によっては陽光を存分に浴びることができる。別の一角にある緑の森の公園ならばどこでもみられる。来年の春完成予定で工事中である屋内球技場はその点ユニークな外装なので定期的に「今日の工事状況」の写真を撮っている(下)。暑さのせいか人があまりいない公園風景も好きだ。
 
2016-09-07駒沢公園(右の写真正面が工事中の屋内球技場)
 
今日の屋内球技場工事進捗状況      右は散歩中にみた植物
9月8日(木)   <今朝のNHKテレビ体操・・・>
今朝のNHKテレビ体操はリオデジャネイロ・パラリンピックの開会式生中継のため中止となった。それにしてもパラリンピックの開会式も気合いが入っている。急斜面を滑り降りてきた車椅子がスキーのモーグルのように空中で一回転したのには驚いた。今日は雨でテニスは出来なかったが、あるアスレチッククラブで身体全体の診断をしてもらった。身体の弱みや偏った変形などがないかを専門のスタッフが診断すると同時に一分間両手でセンサーを握るだけで多くの項目が計測された。項目別では、体成分分析、骨格筋・脂肪、肥満評価、筋肉バランスに分かれる。その中でも、例えば体成分分析中で、細胞内外の水分量、タンパク質量、ミネラル量、体脂肪量が計測されている。今は身体の状態を計測する技術が格段に進化しているのを改めて認識した。結果は特別に問題を指摘されなかったが、これはあくまで今日現在の成績。明日はどう変化するか分からないのが生きている身体のデリケートなところだろう。安心してはならない・・。
9月9日(金)   <秋の空とは言い難いが・・・>
秋の空とは言い難いが雨が止んで晴れ上がると「空」が映える。「今日の空」とか「今日の雲」を掲載しても同じ映像は二つとない。今朝5時40分の空を下に掲載してみる。今日の東京の日の出時刻は5時19分。日の出から20分ほどで高層ビルや鉄塔が一斉に陽を浴びる。下右は朝8時50分頃テニスコートから撮った写真。神宮外苑の銀杏並木の色は夏。この銀杏の紅葉まではまだ2~3ヶ月の日数がかかる。今日の雲、今日の空が秋とともにどのように変化するだろうか。正岡子規には「秋の空」を詠んだ句が多いので一部引用しよう;「秋の空露をためたる青さかな」、「見あぐれば塔の高さよ秋の空」、「大水の引て雨なし秋の空」。
 
2016-09-09
9月10日(土)   <このところi-Phoneにダウンロードした「dマガジン」・・・>
このところi-Phoneにダウンロードした「dマガジン」を 愛用している。NTTドコモの電子雑誌で、最新の週刊誌や雑誌160冊以上が読み放題で月額400円(妻のi-Phoneを含)。これまでは週刊誌を買うこともなかったが、話題の週刊新潮、週刊文春、かたや週刊朝日、AERA、FRIDAY、サライ、クロワッサンなど何でもあり。専らバスや電車の中で読むが切りがない。しかし、下世話な情報には強くなるが”それで〜”と考えると、特に先がある訳ではない。
今日の写真として東京・広尾にある聖心女子大学のキャンパス風景を掲載する。この大学には、旧久邇宮邸時代の建造物が残っており、”これが大学構内!”といった景観が随所に見られて面白い(昭和天皇皇后様はこの邸(御常御殿)で幼少期を過ごされたという)。今日は年に一度の宮代祭で構内が開放されていた。
 
2016-09-10 聖心女子大構内
9月11日(日)   <今年の健康診断の結果・・・>
今年の健康診断の結果をファイルしようとして収納箱を開けたところ古いデータが山ほどでてきた。1992年(平成4年)以降の毎年の健康診断結果がきっちりと整理されて今年までつながっている。その間、人間ドックの結果も含めて活用されることもない書類で満杯。健康状態の推移を見るならば数年のデータがあれば十分のはず。20年前、10年前はこんなに健康でしたといっても意味がない。現在から先が問題であって過去の成績は自慢にもならない。早々に古い健康データは処分しようと思っている。・・そこで連想したのは、30年とは言わず60年前の成績、つまり学歴に誇りを持つのはいいとして、それを生きがいとして一生を終える人たちも少なくないということ。オリンピックでメダルをとった人や、一時の栄誉を得た人たちも同じだが、過去の栄光を背負って後はお墓にメダルを持って行くだけというのでは余りに淋しい。「人事は棺を蓋うて定まる」は今も言えることであろう。最後の最後まで他人のために何が出来るか・・。
9月12日(月)   <全米オープンテニス・決勝戦・・・>
全米オープンテニス・決勝戦(男子シングルス)でワウリンカ(スイス)が第一シードのジョコビッチ(セルビア)を破り優勝した。ワウリンカは準決勝で錦織に勝利した強豪ではあるが、ジョコビッチは2014年から世界ランキング1位を続ける別格の選手。それにしても29歳のジョコビッチはそろそろピークを過ぎたか。少し前にはワウリンカと同じスイス国籍のフェデラーが圧倒的な強さを誇っていた。安定したテニスでフェデラーを破る選手はいるのだろうかと思うほど強かったけれども、トップは入れ替わる。更に前ではコナーズ(アメリカ)ーボルグ(スエーデン)のトップ対戦が目に焼き付いている。正に”盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(ことわり)”。・・今日もテニスで心地よい汗を流したが、私より若く強打を誇った仲間が筋肉を痛めたとかで強く打てず、途中で交代した。以前より脚力が鈍った仲間も見る。「驕れるもの久しからず」ではなく、決して”驕れる”ものでなくても力の衰えは確実にやってくる。それでも世界のトップ選手は若くして引退しなければならないが、我々はピークを過ぎようが楽しくプレーできるのがいい。
9月13日(火)   <カードを何枚持っているか・・・>
カードを何枚持っているか数えたこともない。それも次々と新しい機能を持ったカードが増える。銀行カードにしても、ATMから自分の銀行口座にアクセスして現金の預け入れや引き出しを行なう「キャッシュカード」と後払いでショッピング決済を行なう「クレジットカード」は昔からあるが、最近はインターネットバンキングと称して「ICクレジットカード」もできた。インターネットで購入・支払をする機会が増えると、インターネットバンキング(例=三菱東京UFLダイレクト)は非常に便利だ。このカードではパソコンでのセキュリテイ対策として「ワンタイムパスワード」を使う。専用のカードで指示される番号を押すと、その時限りのパスワードが表示されて確実に安全に振込作業ができる。”昔はよかった”などと懐かしむ暇もなく新たな道具を操作してみるのは一つの脳トレと考えよう。
9月14日(水)   <表紙に「三角形板(92面体素材)」(陶芸)・・・>
表紙に「三角形板(92面体素材)」(陶芸)を掲載した。完成すれば直径が700~800mm程度になる大型の92面体を制作することとしてスタートを切った部品(三角形3枚)である。三角形一辺の長さが約150mm。92面体は正三角形が80枚、正五角形が12枚で構成されるのでまだ先は長い。今回の3枚は家の電気窯で焼いた。陶芸教室で先に制作したのもあるが未だ焼成できていない。枚数が多いと陶芸教室では焼成費用がバカにならないので家で出来るものは家でやることにした。ところで、これから制作する92枚の正多角形の粘土・釉薬は全て異なったものにするつもりだ。一枚一枚をテストピースとして特別の試みをする。今日掲載した3枚は釉薬の基本パターンを確認するスタートであるので、今後はこの結果もふまえて次のパターンに挑戦する。制作する全てが未経験の釉薬調合、未知の焼成。結果が分からないところをやりがいとしよう。

9月15日(木)   <「水琴窟」の澄んだ音・・・>
「水琴窟」の澄んだ音を聴きながら、このような余韻を持った音を鑑賞する日本の文化を思った。今日は東京では早朝から大雨。テニスはとても無理と別の作業を始めたところ9時頃には雨はすっかり止んでしまった。午後、今日から根津美術館で開催されている「中国陶磁勉強会」(=ここ)へ。この美術館の庭園には四つの茶室がある。今日は特別に閑中庵という茶室を開放しており、茶室の前に冒頭で書いた「水琴窟」があったのである。お目当ての曜変天目、油滴天目、禾目天目(のぎめ)天目の茶碗など中国陶磁の名品を見ることもできたが、想定外の水琴窟の仕掛けと音に感動した。ただの水滴の反響音を聴くための手の込んだ仕掛けを作り、その音に風流を感じる人たちがいた!
 
2016-09-15 根津美術館エントランス(設計:隈研吾)&庭風景
 
庭風景&手水鉢(ちょうずばち)と水琴窟
9月16日(金)   <「たこ公園」の蛸・・・>
「たこ公園」の蛸(たこ)が小さく無様なっていた!今日、久しぶりに東京・恵比寿の通称「たこ公園」の側を通ったので「たこ」を見に行くと、どうも以前の記憶と違う。二年ほど前に今の家に引越したが、以前は恵比寿に住んでいたので恵比寿駅東口から徒歩3分、渋谷川沿いの「たこ公園」(正式名称恵比寿東公園」には時々行ったことがある。遊具の「たこ」がなければ目立たないマイナーな公園だったが、それにしても「たこ」が変貌した・・。調べてみると、やはり5年前に公園が全面改修され「たこ」も児童向けに小さくしたものだった。この間の経緯について=ここ=に写真入りで面白く紹介してあるのでリンクさせていただく。新旧の「たこ」を比較すると渋谷区の公園課は以前の「たこ」のデザインのよさを理解していなかったのだろうか。新しく改修された時にベターになるとは限らないのが淋しい。
2016-09-16 現在の恵比寿たこ公園
9月17日(土)   <「油滴天目」釉薬を使った三角形板・・・>
「油滴天目」釉薬を使った三角形板が完成したので表紙に掲載した。92面体の素材用として各種のテスト制作を行なう三角形板の一枚である。油滴天目茶碗が一般には知られているが、この釉薬は外面の地に斑紋が輝くように浮かび上がる油の滴のような模様が古来から珍重された。今回の一連の三角板試作の中でも油滴天目はベースの一つとするつもりだ。粘土を変える、釉薬の厚さを変える、他の釉薬と混合させる、焼成する温度条件を変えるなど、今後やりたいことは直に思い付くがどれだけ実行できるか、これからの課題は多い。今回の完成品は中央の三角形の線に対する釉薬のたらし込みが十分でなかったなど反省箇所もいろいろ・・。

9月18日(日)   <「目黒のさんま祭り」に行った・・・>
「目黒のさんま祭り」に行ったけれどもサンマにはありつけなかった。もとより例年何万人もの人がサンマめがけて訪れるから期待はしていなかったが・・。転居する前は歩いてサンマ祭りに行けるところに住んでいたので何回かはサンマをいただいた。「目黒のさんま祭り」は複雑で、先ず目黒駅前(山手線内側)で品川区の商店街が主催する「さんま祭り」がある(今年は9月4日開催済)。もう一つが、目黒区主催で目黒川沿いの田道広場で開催されるもの。こちらが気仙沼市から5000尾のサンマの提供を受けて今日開催された。時間は15時30分までとなっていたが、15時前に行っても全て完了。それはそうだろう。いくら早く行っても何百メートルも行列で並ぶので大抵は挫折する。雨模様でも5000尾が直に終わってしまうのは分かる。サンマも食べず、どこの売店にも寄らずに会場を一周して帰途へ。大鳥神社にお参りをしてからバスに乗った。

2016-09-18 目黒のさんま祭り会場(祭りの後)   右は目黒大鳥神社
9月19日(月)   <自分の胃の中を見ていると・・・>
自分の胃の中を見ていると不思議な感覚になる。胃カメラを飲んで胃の検査をする際、今は鼻の部分麻酔だけで鼻を通して超小型カメラを胃腸へ到達させるのでモニター画像を適時自分で見ることが出来る。胃の内部には何もなく、とにかく綺麗。前日の夜から12時間食事をとっていないだけで、これほど見事に消化して胃の中には残骸の一つも残らないのかと感心してしまう。そこで納得したのは、食事による健康は全て過去の成果で、明日はどうなるか分からないということ。もしこの日から食習慣が変われば明日には不健康になるかも知れない。それにしても手当もしていないのに生まれてからこのかた一瞬も休まず働き続ける臓器や器官、身体は不思議に満ちている。
今日は「敬老の日」。「老人を敬愛し、長寿を祝う」趣旨は形骸化している。日本人の2015年平均寿命、男=80.79(50.06)、女=87.79(53.96)/()内は1947年<私の幼児期>。老人は最早「敬愛」の対象ではない。では社会に何を還元できるのか・・。
2016-09-19谷中に義兄の墓参り
9月20日(火)   <「羊と鋼の森」(宮下奈都著)・・・>
「羊と鋼の森」(宮下奈都著)をようやく読み終えた。このような本が2016年本屋大賞第一位に選ばれたということは本屋さんへの大きな信頼となる。地味なピアノ調律師さんの話で、特別にドラマチックな展開もないにもかかわらず、私には読んでいる時、実に気が落ち着く至福の時間となった。何故か考えると、主人公の調律師さんをはじめ登場する人々に変人・悪人がいないことと思った。自分勝手な思い込みではあるが、作家さんは一般にどこかひねくれていたり正常ではない人物を必ず登場させる。それが作家さん自身の自己投影であったりする。ところが、真面目に働き、一生懸命に励む主人公と周囲の善人だけで「羊と鋼の森」は出来上がっている。この小説を読むかぎり著者の宮下奈都さんは本当に心が清い人なのだろう(奈都さんは上智大学の哲学科出身で三児の母、年齢は私の娘より1歳上)。ピアノの弦を叩くハンマーのフェルトが「羊」、そしてピアノの弦が「鋼」。硬軟を取混ぜたタイトルもいい。本の最後の箇所でさらりと触れているエピソード:「美」とか「善」の文字は「羊」からできている、そしてピアノの中にたくさんの「羊」がいる・・。
9月21日(水)   <昔の人の長寿を侮ってはならない・・・>
昔の人の長寿を侮ってはならない。今の日本人の寿命が延びたと調子のいい話を聞くと「蓮如」のことを思い起こす。現代人は誰も蓮如の長寿人生のマネはできないだろう。蓮如(1415~1499)は室町時代の浄土真宗の僧侶で本願寺の中興の祖。浄土宗の開祖、法然(1133~1212)や浄土真宗の宗祖、親鸞(1173~1263)と比べると一般の知名度は低いかも知れない。私も蓮如というと倒産しそうになっていた会社を立て直し大会社に成長させた辣腕経営者かつ大政治家といったイメージで浄土真宗本願寺派を立て直した業績を見てしまって、失礼ながら宗教家としての認識ができていない。それは5人の女性の間に男の子13人、女の子14人、合計27人の子供をつくったという有名なエピソードにも影響される。実に4度妻と死別して(4度目の妻を迎えたのが70歳過ぎ)5度目の結婚後7人の子供を作った<最後の子供は84歳のとき!>。蓮如のエネルギーをみると現代の老化防止の薬やサプリメントが何ともちっぽけでに見える・・。
9月22日(木)   <恐竜「ティラノサウルス」について・・・>
 恐竜「ティラノサウルス」について最近になっても次々と新しい発見や学説が披露される。6800万年前に地球上に君臨していた恐竜が今の時代に新事実が発覚するのは信じ難いが面白い。動画で解説もされるので、このところティラノサウルスのファンになってしまった。地上に存在した最大の肉食獣である「ティラノサウルス」が二足歩行でかなりの速さで走る姿を思い描きながら自分のトレーニングの参考にもする。何かというと5~6トンの巨体を前屈みでお尻を突き出してバランスをとり上手に走る形は人間の骨格の使い方にも応用できると直感してスクワットの体勢など身体のバランスをとる際に応用する。全肉体・骨格を最も無理なく使って最大限の力を発揮するのは人間を含めて動物の自然な姿だろう。といって、実はティラノサウルスやダチョウの動きの美しさに感動しているだけではある・・。
今日は朝から雨。夕刻小降りになった頃、傘をさして寺まで歩き墓参りをした。
 
2016-09-22 九品仏浄真寺(東京‐世田谷区)の上品阿弥陀堂にて   右は境内の彼岸花
9月23日(金)   <都内の至るところで街が変貌・・・>
都内の至るところで街が変貌しつつある。渋谷駅周辺もまたいつ見ても工事中。渋谷駅にはJR山手線、JR埼京線、京王井の頭戦、東急東横線、東急田園都市線、地下鉄銀座線、地下鉄半蔵門線、地下鉄副都心線が乗り入れている。例えば東急東横線は地下5階のホームであるので、これから銀座線に乗り換える時には地上3階まで昇らなければならない。渋谷駅周辺に住む知人が何人かいるが、みな今の渋谷駅は分かり難く、構内で迷うことがあるという。出来るだけ渋谷駅を避けると渋谷の住人が言うからおかしい。万物流転。変わることは自然で悪いことではない。何年か先に街全体がどのような姿に変貌するか楽しみにしよう。・・今日、渋谷駅前の高層階(25F)で親戚の集まりがあった。高い位置から見る渋谷駅前の風景も直に変わってしまうだろうと写真を撮った(下)。
2016-09-23
9月24日(土)   <太田記念美術館で開催・・・>
太田記念美術館で開催されている「国芳ヒーローズ〜水滸伝豪傑勢揃」を見た。東京‐原宿にある太田記念美術館(=ここ)は浮世絵美術館として知られるユニークな美術館。私は葛飾北斎の富嶽三十六景や北斎漫画を初めて見たのもこの美術館であった。今回は江戸末期の浮世絵師、歌川国芳の水滸伝に題材をとった浮世絵の特別展であった。最近は浮世絵も英語の解説がついているので、水滸伝の英訳が「Tales of the Water Margin」であることも知った。確かに中国・明の時代に書かれた小説「水滸伝」とは「水のほとりの物語」(水のほとりが梁山泊)。ただし、国芳の水滸伝は中国の水滸伝の豪傑を描くだけでなく、狂画や双六にしたり本朝(日本)の相当豪傑を描いたり、「風俗女水滸伝」まであらわれる。その奔放さ、発想の豊かさに圧倒される。・・昼前に所用で新宿に行き、元気が残っていたら原宿の美術館に行こうと妻と話していたのであるが、この美術館は元気をもらうために 行く所であった。
9月25日(日)   <東京では10日か2週間ぶりに太陽・・・>
東京では10日か2週間ぶりに太陽が顔を出した。陽の光を浴びるだけで特別の幸せを感じるのはこんな時だ。早速に洗濯物をベランダに出して干す。何百万人もの人が一斉に待ってましたと洗濯物を干している姿が目に浮かぶ。今日のウォーキングではこれも久しぶりに「ねこじゃらし公園」に行ってみた。世田谷区立の小さな公園だが名前がユニーク。当然、ねこじゃらし(エノコログサ)があふれているかと思うとほとんど見つからない。今日も猫じゃらしの写真は撮れずに花を撮影した(下)。白の彼岸花には今年は初めてお目にかかった。・・この表紙には「三角形板(陶芸)」の新しいものを掲載した。前に書いたが一辺約15cmの正三角形の板を92面体の素材として各種のテストを兼ねて80枚製作中である。それぞれにはテストの内容はあるのだが完成したものを全て掲載することもないので、どれだけを取り上げるか思案中というところ。
 
2016-09-25 ねこじゃらし公園(世田谷区)にて

9月26日(月)   <テニスでも、陶芸でも・・・>
テニスでも、陶芸でも・・というと奇妙な取り合わせであるが、どちらも思う通りに事は運ばない。今日は、真夏に逆戻りしたような蒸し暑さの中でテニス。くたびれてくると集中力がなくなる、狙ったところにボールがいかない、ミスが続く。陶芸で焼成が終わり窯から出してみると思っているのと随分違う。どの条件が狂ったのだろう・・。けれども、何にしても全てが思う通りであれば面白くない。思う通りにいかないから、やりがいがあり楽しい。「思い通り」の思いとは理想と考えることにして、理想に向かっていつも失敗ばかりしている図もよしとしよう・・。
<今日からしばらく毎日表紙に新しい三角板(陶芸・試作品)を掲載してみることにした>

9月27日(火)   <介護老人ホームにいる知人・・・>
介護老人ホームにいる知人を見舞いにいった。充実した設備、清潔な調度品や部屋、親切でテキパキしている職員の方々など感心する事ばかりであったが、一方で嫌でも他人事でなく自分の近未来を考えさせられてしまう。入居者の皆さんを見ていると、若い頃はさぞかし”しっかり者”だっただろうと推測されるひとばかり。それぞれの事情を抱えて介護を受ける立場になったのだろう。先日、親戚での集まりがあった時に、ほとんどの人が延命治療をしないように家族に言い渡してあると言っていた。今は寝たきりでも命だけは長らえるという発想はなくなってきている。長野県で発祥して全国的にも知れ渡っているPPK運動(ピン、ピン、コロリ)=老後を”ピン・ピン”と元気に生きて、”コロリ”と死ぬのをモットーとする運動=の趣旨を理解できても自分がそうなるかは分からない。動物の死に方はほとんどPPKに近いという。人の亡くなり方は誰もが予測できないところが極めて平等だ・・。
<今日の表紙に新たな正三角形板(陶芸作品)の写真を掲載した>

9月28日(水)   <今日も表紙に新しい正三角形板・・・>
今日も表紙に新しい正三角形板(陶芸作品)を掲載した。完成寸法で一辺16cmの正三角形の板で色々と条件を変えて試作を試みているが想定できない変化が生ずる。前に「油滴天目」という釉薬をかけて油滴模様のでた板を掲載したが、今回の黒色の部分は油滴天目釉薬だが「油滴」がでていない。異なっている条件は粘土の種類と釉薬の厚さ。粘土は鉄分の多い、より油滴模様のでやすいものを選んだつもりが裏目に出た。釉薬の結晶や模様の出方は焼成の温度条件(保持時間など)でも変わるので、この先に温度も変えてやってみるつもりだ。粘土の成分と釉薬の成分の組合せは無限と言っていいほどある。国宝の曜変天目茶碗(中国南宗時代の作)の再現を試みた現代の陶工は3万点以上の試作を行なったが 同じものは出来ない事を知ったと語っている。現代ほど細かい数値化技術が進んだ時代でもなお偶然に及ばないのが陶芸の面白いところか。

9月29日(木)   <今の時節らしい花・・・>
今の時節らしい花といえば彼岸花とキンモクセイか。ところが深沢(東京‐世田谷区)近辺を歩いているとサルスベリの赤い花をよく見かける。サルスベリは俳句では夏の季語だが百日もの間咲き続けるので「百日紅」と漢字で書くだけあって、9月末になってもまだ勢いがある(千代女の俳句:散れば咲き散れば咲きして百日紅)。キンモクセイの香りにつられてオレンジ色の花の写真を撮ったあと、歩きながら「キンモクセイ」の漢字が思い浮かばないで気になってしまった。「セイ」の文字が出そうで出ない。我慢できずに歩くのを止めてiPhoneで調べた。「金木犀」と教えられても「セイ」の字には馴染みがない。動物の「さい」の文字で中に「牛」の字が入る。自分で文字を書く機会は少なくなったが、この際覚えておこう。駒沢公園では人の姿は少なかったが、沢山のカモさんたちが日向ぼっこをしていた。
<表紙には新しい正三角形板(陶芸作品)を掲載>
 
2016-09-29 駒沢公園(東京‐世田谷)
 
9月30日(金)   <今週は月・水・金の3日間・・・>
今週は月・水・金の3日間テニスに行った。土日を含めた全日の会員の中にはほぼ毎日テニスをやる人もいるが、ウィークデェイの会員で同年代には週3日、月水金に来る人が多い。私もこのところ週3日を目標にしているがなかなか思うようにはできない。それでも隔日にテニスをやれば間違いなく体調はいいし気分もよくなる。週に3日といっても午前中だけであるので午後は他に使える。それと、テニスへの往復の時間に(自転車を使わずにバス・電車を使う時)iPhoneで週刊誌や雑誌を存分に読むことが出来る(”dマガジン”について9/10コラム=ここ=参照)。面白いもので、iPhoneでの週刊誌などを家で読む事はほとんどない。最近は移動時間、待ち時間にiPhoneで読む中に「dマガジン」の他に「ニュースパス」が加わった(今、世の中で話題になっているニュースを200媒体以上のメデイアから抜粋して提供される=無料ダウンドードできる)。家の内外の区別なく生活出来るように道具は確実に変わってきている。
今日も表紙に新しい「正三角形(陶芸作品)」掲載。



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