これまでの「今日のコラム」(2016年11月分)


11月1日(火)   <カレンダーをめくり・・・>
カレンダーをめくり今日から11月。霜月ときくと急に今年も押し迫った雰囲気になる。朝食前にやったことは昨日でハロウィンが終わったので、共同玄関に置いたハロウィン用の飾り付けの整理。代わりに出来上がったばかりの陶芸作品(穴窯で焼成)を飾った。この共同玄関にはこれまでの陶芸作品を適宜置かせてもらっている。噴水やら照明具なども置ける唯一の私の作品展示場だ。・・朝からの冷たい雨が上がり午後には晴れ間も見えるようになった。”お使い用事”で自由が丘まで出かけた後、自由が丘・熊野神社に立寄ってみた。寒さのためかほとんど人を見かけない。お参りをした後、久しぶりに神社周辺の街歩き。自由が丘は家から近い割にまだまだ何も知らない。ウォーキングをするなら自由が丘探索を加えてみるかと思い始めた。
 
2016-11-01 自由が丘・熊野神社   右はベニス風街並


11月2日(水)   <肌寒い曇天・・・>
肌寒い曇天の下、妻と歩いて息子の墓参りに行った。今日、2日は息子の月命日。墓のドウダンツツジが赤く色づき始めていた。毎回のことではあるが、お参りの時間よりも清掃にかける時間が遥かに長い。今日はまた落葉が多かったので、時間をかけて墓の周囲10数メートルを念入りに掃除した。今の時期の墓参りで恒例となっているのが寺の境内での銀杏(ギンナン)拾い。ギンナンにも色々あるようで、大イチョウよりも少し離れた若いイチョウのギンナンの方が美味しいと教えてくれた人もいた。・・今日の月命日から妻と新しい決めごとをした。月命日で一緒に外出するのであるから、この日には立派な外食をすることにしたのである。今日は早速に自由が丘のフレンチレストランでランチ。初めての店で昼からワインを飲んでご機嫌になった。
 
2016-11-02 九品仏浄真寺にて  右は歩いている途中で見かけたオシロイバナ(白粉花)
11月3日(木)   <今日、文化の日の休日・・・>
今日、文化の日の休日は昨日と打って変わり快晴となった。11月3日は30年前に亡くなった父の誕生日であったので昔からこの日に食事会などを催したが、毎年晴れとなる「晴れの特異日」であった。今もなお「特異日」は活きている。今日のウォーキングは「建築MAP・東京」という本を持って目黒区の都立大学駅や碑文谷方面を歩いた。建築家が設計した施設や住宅を案内してある本であるが今回は地図を活用して公園や神社も巡った。下に撮影した写真を掲載してみると特別に新鮮味はない。けれども一つ一つに由緒があり歴史遺産とみると新たな感慨もわく。神社はもちろん歴史の産物であるし、都会の中の公園はまた大抵は屋敷跡などほんの100年、200年前の怨念を背負ったスペースである。写真は掲載しなかったが、住宅街の中にも建築家が心血を注いだ建築作品があって面白い。
 
2016-11-03 すずめのお宿緑地公園(目黒区碑文谷)   右は 碑文谷八幡宮
 
目黒サレジオ教会&目黒星美学園の教会      右は道端で見かけた 果実
11月4日(金)   <正に「小春日和」・・・>
正に「小春日和」の一日。 午前中は雲一つない晴天の下でテニスをしながら働いている人たちに申し訳ないような気がしてしまった。・・今日、何か新しい経験はなかったかと考えると、そうだコンビニでタバコを購入した。自分でタバコを買ったのは人生初でないかな。コンビニのレジでお金を払う前に”成年”であることをインプットしなければならなかったのも初体験。タバコを買ったのは吸うためではなくタバコからニコチンを抽出して陶芸の釉薬と合わせて特殊な模様を出す試みをするためだ。購入するときもニコチンの多いのを選んでもらった。陶芸でこれが成功するかどうかはまだ分からないが、うまくいくとタバコを頻繁に買うことになるのか。・・と、そこでニコチンとは何?で調べてみた。そうすると、有害物質であり即効性の非常に強い神経毒性を持つとか、喫煙だけでなく触れるだけでも皮膚から体内に吸収される危険があるなど、リスキーな話ばかり。陶芸模様に結びつく理屈も出て来ない。これは余り深入りしない方がいいかもしれない。
11月5日(土)   <表紙に「大型花器<穴窯焼成分>」・・・>
表紙に「大型花器<穴窯焼成分>」を掲載した。先日(10/23=ここ)、茨城県石岡市の穴窯で陶芸焼成に参加した際に窯で焼いた作品の一つ。今日は一緒に参加した仲間が教室に作品を受け取りに来るというので私も合わせて教室に行き、この大型花器を台車に乗せて持ち帰った。穴窯で焼いた私の作品の中では、この大型花器には最も火や灰の変化が表れた。恐らくは大型ということで火に近い場所に置かれたためと思われる。今回は私の小物作品はほとんど灰をかぶらない不本意な作品が多かったが仲間の作品を見せてもらうと、なるほど色々と工夫して見栄えがする仕上がりなので参考になった。穴窯でも初めから釉薬をかけておくと火や灰の成り行きで非常に面白い景色なることもある。今の教室では作陶展などが開催されず、お互いの作品をみるチャンスがないのが不満なのだが、陶芸に限らず創作活動では仲間の作品を見ながら切磋琢磨しエネルギーを交換し合うことが必須であろう。このところ何かにつけて自分自身が一番見えないと思い知らされる。鏡の中の無様な自分に気がつかなければ進化しないか・・。

11月6日(日)   <視点が変わると・・・>
視点が変わると考え方が変わる、評価が変わる。物事をどう見るか、どう評価するか、現状を認めるのか、否定するのか、上から見るのか、下から見るのか、何を善とし何を悪とするのか、背景に何をみるか・・。目線、視線、観点など全て視点に関する言葉で人間が目で見ることによって(実際には見たと錯覚することも含めて)考えが左右される恐ろしい感覚だ。・・こんなことを書いたのは昨日表紙に掲載した陶芸作品「 大型花器<穴窯小成分>」の花器を別のアングルから写真を撮ると全く別の印象になったことに始まる。良いとか悪いという絶対評価はない。良い所に視点を合わせれば良くなるし、悪い所は見えなくもなる。今日表紙に掲載した花器は昨日と比べると非対称に歪んで見えるし、裂け目もある。けれどもこれはこれでよしと言えないこともない。何事も視点によると思わせるのが焼き物のいいところ。下にもう一枚視点を変えた景色を掲載してみる。
 
11月7日(月)   <昨晩は明治座・・・>
昨晩は明治座(中央区日本橋)で「SAKURA-JAPAN IN THE BOX」という演目をみた。切符をいただいたので何も知らずに見に行ったのであるが、何とも啓上し難いエンターテインメントでとにかくも記憶に残る公演であった。女子高生・サクラが、ある日出会った白狐に導かれ不思議な旅にでかける物語。大画面のアニメーションあり、日本舞踊、和楽器にポップカルチャーが組み合わさり、恥ずかしくなるほど外人が好むだろうと勝手に考えた日本調の連続。英中韓の字幕を使い明らかに外人向けを意識していることは分かる。それにしては外人の観客は目につかなかった。舞台でガンバっているハーテイーンの娘さんと同年代の観客もいない。せっかくロングランで公演をするなら明治座さんよ、もっと観客を集める算段をしないと出演している女の子たちが可哀想とショーを見ながら思い続けた・・(SAKURA紹介=ここ)。
今朝の神宮外苑・新国立競技場の建設現場の写真を下に掲載する。テニスの開門を待つ間に現場まで行ってみたもの。昨日には同じ神宮外苑でイベントの展示で使用された木製のジャングルジムが火災を起こして男の子が死亡するという痛ましい事故が起きた。大鋸屑を敷いた直近で白熱球の投光器を使ったのが原因と聞き言葉を失う。
2016-11-07 新国立競技場建設現場(塀の向こう側)
11月8日(火)   <家のポストに・・・>
家のポストに勧誘のためか時々無料の新聞が入る。我家では数年以上新聞をとっていないので、その日の新聞は新鮮に見える。けれどもニュースの内容は特別のものはないし、記事もどうと言うことはない。新聞を止めてインターネットでニュースを見るようになってから主な新聞各社のネット記事に目を通すほか、毎日各社のコラムなどもパソコンで読むようになったから、返って情報量は増えた。最近は新聞以外に週刊誌もi-Phoneで自由に読めるようにもなった。ニュースはテレビでも流れるので最早ニュースのための新聞は成り立たない。ニュースのほかには健康、食べ物、旅行など話題とするテーマが新聞、テレビ、週刊誌ともに可笑しいほどほとんど同じ。健康番組で見た内容が週刊誌に記載されたり、どこかで見かけた内容の焼き直しばかりが繰り返しでてくる。毎日、毎週記事を書き、番組を編成する担当者の苦労は分かるけれど、変わらなければ存続できないだろう。ところで、新聞をいただくと割れ物の包み用とか、汚れ防止の下敷きなどで大いに役立ってはいる・・。

11月9日(水)   <今日、11月9日は歴史的な日・・・>
今日、11月9日は歴史的な日となるのだろうか。米国の大統領選挙で大方の予想がくつがえり、トランプ氏がクリントン氏に勝利した。6月の英国EU脱退に続いて今年は選挙による”まさか”の連続である。あれこれと評論する立場でないが、英国も米国も理想とか理性が感情とか実益に敗れるパターンに見える。一般庶民であれば余りにお利口さんよりもオバカさんの方が愛らしいと言うこともあるが、世界のリーダーとなるとどうだろう。それでも人類はそれほど愚かでないと考えると、揺り戻しをしながらCHANGEによって進化すると信じたい。・・今日の日の出は6時11分(東京)。明け方は強風が吹き荒れて妖しげな雲行きだった(下の写真)。それでも時間とともに秋空が広がる。米国の情勢もこうなるのか・・。

2016-11-09 上はam6:20頃   下はam7:00頃<東京から丹沢山系方面をみる>
11月10日(木)   <石黒修氏の死去・・・>
石黒修氏の死去が今日のニュースで報じられている。今は知る人は少ないかもしれないが戦後初の日本人のプロテニス選手となった人で40~50年ほど前には国別対抗戦などで日本の有力選手としてお馴染みだった。享年80歳ときき、また別の感慨が湧く。今日の木曜日テニスは80歳を越えた昔の仲間と久しぶりにペアを組んだ。10年ほど前にはよくペアを組んだり練習で打ち合った思い出がある。彼はとにかくミスが少なく安定したテニスをした。打ち合いをすると根負けして私が先にミスをした。ペアを組むと私がミスをしない限り大抵の相手には負けなかった。そんな彼が今は記憶などに障害が起き、テニスも”面倒”と言って、なかなか来るチャンスもない。今日は何とか呼び出して”試合は絶対にしない”と拒んでいたのを無理矢理参加させてプレーをした。不思議なことに私と組んで試合を始めるとボールに対する反応が実に早いし、打つ球のコースも的確。相手にもよるが2ゲームとも完勝だった。認知機能が低下しても運動機能は衰えない。逆に、運動をやっていても別の脳を使う訓練をしないと脳の劣化は免れないのか。これは他人事でない・・。<今朝の朝焼けが余りに美しかったので下に写真を掲載する。東京タワー(右)と東京スカイツリー(左)がみえる>
2016-11-10 東京の朝焼け
11月11日(金)   <「ファミリーヒストリー」というNHKの番組・・・>
「ファミリーヒストリー」というNHKの番組がある。有名人の父母、祖父母、祖先などの歴史をNHKのスタッフが取材して映像を本人に見せる番組だが、自分の先祖の苦労話を初めて知って涙する有名人も多い。私も一時母方の家系図を作ってみたり、ルーツ探しをしてみたことはあったが本格的にはできなかった。母は兄妹が4人いたので、まだ従姉妹や親戚に確認することが出来たが、父は一人っ子でほとんど家系をたどれなかった。ましてや父方のヒストリーの細かなところは知らない。今になって後悔しているのは、30~40年前には父方のハワイの親戚などとも交流があったので、聞くべきチャンスがあったのに聞けなかったこと。父と母共に自分の家系やヒストリーを積極的に語ることはなかった。生前にもっと聞いておけばよかったと思っても後の祭り。それにしても、ファミリーヒストリーの一員として自分を見ると、この世に存在できたのは本当に”たまたま”だと思う。私は5人兄妹の三男。それ以外にも事情が少しでもズレれば、生を受けていなくても不思議ではない。この世に生まれて70数年の人生を歩めたこと、そしてまだこれからも人生を満喫できる幸運を誰に感謝すべきか・・。
11月12日(土)   <天の気は一日で激変・・・>
天の気は一日で激変する。米国の大統領選挙の話ではなくお天気のこと。東京では昨日はこの冬一番の冷え込みで冷たい雨が降った。それが今日は快晴となり風もなく小春日和。気温も昨日より10℃も高く20℃まで上がった。昨日が世話になった義兄の月命日であったが、一日ずらして今日、谷中の寺に妻と墓参りに行く。谷中の墓参りは昼食を谷中近辺でとるのが楽しみの一つ。今日はスイス料理の店で食事をした。ハロウィン気分が残る店の雰囲気を写真に撮ったので下に掲載する。さらにお寺からの帰りは少し回り道をして谷中霊園を通った。谷中五重塔のあった場所で休息を取り、案内板を読むと、幸田露伴が小説「五重塔」を執筆したモデルであり、かつては谷中霊園のシンボルでもあった五重塔が火事で焼失したのは昭和32年であったことを知った。私が高校生の頃だ。戦災を免れた五重塔が男女の放火心中によって燃えてしまったことを思い出したが、何とも口惜しい事件だった。 五重塔跡地には欅(けやき)の樹ばかりが巨大に伸びている・・。
 
2016-11-12 墓のある瑞輪寺  右はスイス料理の店にて
 
谷中霊園の五重塔跡地・樹々の紅葉が始まっている
11月13日(日)   <表紙にはまた陶芸・・・>
表紙にはまた陶芸で制作した「92面体素材」の正三角形板18を掲載した。何しろ92面体のために正三角形を80枚作らなければならないので、コツコツと制作を続けている。実際にはもう40枚余完成しているので、毎日でも新作品を掲載できるが、適宜選択して掲載するつもりだ。今回の作品の中央にある模様は11月4日のコラム(=ここ)で書いたタバコのニコチンを使って白化粧の上に樹木状のにじみ模様を描かせたもの。今ひとつ樹木模様がクリアでないが、これも微妙な条件で模様の出方が左右されることを学んだ。
明日11月14日には68年振りに満月の月と地球の距離が最接近する超スーパームーンの日という。残念ながら天気予報では明日の夜は満月を見られそうにないので、今夜の満月を堪能した。”恥ずかしながら”下に写真を掲載してみるが、我ながら月を撮影する技能がない。googleで「スーパームーン」の画像を検索すると恐ろしいほど凄いスーパームーンの写真を見ることが出来る。
2016-11-13
11月14日(月)   <朝7時半に家を出てテニス・・・>
朝7時半に家を出てテニスに行く。このところ自転車でなくバス・電車を使うことが多い。自転車でもバス・電車でも所要時間はほとんど変わらない。自転車では緊張感が必要だがバス・電車は気楽なものだ。ただし、朝の電車は通勤のラッシュアワーであるので野球帽にテニスラケットの入ったリュックサックを背負って乗車するのは少々気が引ける。電車は東横線ー半蔵門線ー銀座線を乗り継ぐが、乗り換えの最短ルートなど路線の利用法にはかなり習熟した。毎回、ラッシュの電車で可哀想に思うのは混合う電車に懸命に乗車している小学生。大人の胸ほどしか背丈がなく周囲が全く見えない状態で押し合いへし合い。無事であるのが不思議なほどだ。恐らくは私立の学校に通う生徒だろうが、米国であれば幼児虐待で問題になる。逆に日本ではこれが許されるほど安全で子供を守る社会でもあるのだろう。ラッシュアワーの電車では大人も子供も我が侭が許されない社会を学ぶ。・・表紙には昨日に続いて「正三角形 19」(陶芸作品)を掲載した。

11月15日(火)   <昨年ノーベル賞を受賞した大村智氏・・・>
昨年ノーベル賞を受賞した大村智氏の講演を聴いた。日経ホール(大手町・日経ビル内)で「チャリテイー講演会」が開催されると切符を頂戴し毎回聴講させていただいている。今回の講演のタイトルは「半生ー岐路と選択」とあったが、大村さんはいわゆるエリートコースでなく夜間の工業高校の先生から始まりノーベル賞を獲得する研究者となるまでの過程がドラマチック。機会があれば韮崎の大村美術館にも是非行って見たくなった。大村さんが色紙に書くモットーの一つが「実践躬行」。「躬行(きゅうこう)」は「自らの意志で実際に行なうこと」。今の時代はマスコミを含めて他人を批評するばかりで自分で実践しない輩が目立つ。ノーベル賞の栄誉までなくても、世の中、地道な実践者で成り立っていることを思い起こす・・。
 
2016-11-15 日経ビル内部にて  右はホール前の飾り
11月16日(水)   <我家のベランダ菜園では・・・>
我家のベランダ菜園では今黄金虫の幼虫との戦いの真っ最中だ。ある時、妻が土の中に白い芋虫をみつけた。一匹や二匹でないので園芸店で相談したところ、最近大発生している黄金虫の幼虫だろうという。野菜や花、樹木などの根を食べて成長するので植物が元気がない場合は大抵この幼虫による被害と考えられるようだ。これまでは何の経験もない菜園一年生としては早速土を深く広く掘り起こしてみる。篩(ふるい)で土を漉すと、出るは出るは黄金虫の幼虫が何十匹。殺虫剤を使うことにしたけれど、一度今の幼虫は駆除したいと戦いは続く。・・黄金虫というと「黄金虫は金持ちだ・・」ではじまる童謡(野口雨情作詞、中山晋平作曲)のイメージが余りに強く、害虫と思えない。ところが野口雨情は故郷(北関東)ではゴキブリのことを「コガネムシ」とか「カネムシ」と呼んだので作詞は「ゴキブリ」のことを念頭にした詩との説もある。どちらにしても、名前で善し悪しを判断してはならない。
11月17日(木)   <自分以外に誰にも責任がない失敗・・・>
自分以外に誰にも責任がない失敗には馴れてはいるが、期待が大きければさすがにガッカリする。今朝、朝食前に家の電気窯をワクワクしながら扉をオープンして、焼成が完了した陶芸作品を取り出すと見事に失敗だった。これまでに経験したことのない「結晶釉薬」を試みたもの。結晶釉は融点より少し下の温度(例えば1100℃)である時間保持しなければ結晶が出ないとされる。その辺りの温度と時間が非常にデリケートだ。結晶がでなかった要因を挙げるとすればいくつも思い当たるが、ではどうすると確実に修正できるかは何とも言えない。”失敗は成功の元”を信じて実証するしかない。まさに、「トライ・アンド・エラー」(trial and error)」。このような陶芸の奥深さを面白いと思えるから続けることが出来る。
11月18日(金)   <東京都美術館で開催・・・>
東京都美術館で開催されている「都展」と「ゴッホとゴーギャン展」をハシゴして見て回った。都展には定年後絵を描き始めた知人が出展し、奨励賞を受賞していた。都展に絵画を出展している人はほとんどが絵を売って生計を立てる”専門家”でなく趣味で描いている。方や、今や超高値で絵画が取引されるゴッホやゴーギャンは誰もが「画家」と認識しているが、共に順調な画家人生を送った訳ではない。ゴッホが37歳の生涯を終えるまでほとんど一つも絵が売れなかったことはよく知られている。5歳年下のゴッホに誘われて南仏アルルでゴッホと9週間の共同生活を送ったゴーギャンも20代半ばから絵を描き始め色々な職業を転々としながら毀誉褒貶がある中で画家として歴史に名を残した。絵を見ながらゴッホとゴーギャンのような個性の強い二人がどうやって共同生活が出来たのだろうとか、自分が人と付き合いをするならば都展に出しているような精神が正常と見える絵を描く人がいいとか、都展の中にも没後ゴッホ、ゴーギャンになる人がいないだろうかと、絵の鑑賞以前のことが頭を駆け巡ってしまった。
 
2016-11-18 都美術館前にて     右は帰途に立寄った洗足池(東京・大田区)
11月19日(土)   <陶芸の仲間と夕食会・・・>
陶芸の仲間と夕食会をして今帰宅した。会食をした渋谷・池尻にある料理店では一緒に行った陶芸の先生(以前の教室)の陶芸作品をメインにして使っている。オーナーの女主人が先生の弟子であったこともあり、ぐい飲みや皿などオーナー作かあるいは先生の作品か、いずれにしても風情がある器ばかりで気持ちがよい。会食での話題は専ら陶芸に関すること。皆が熱心な陶芸愛好者である。そして現在の陶芸教室の先行きを心配するのも同じ。同好の士であると同時に、憂教室の士とでも言うべき仲間を知って、安心するやら、憂いが増えるやら、複雑な心境となった。
11月20日(日)   <穏やかな日和につられて・・・>
穏やかな日和につられて多摩川縁をウォーキングした。二子玉川までバスで行き、いまや高層ビルが建ち並ぶ二子玉川ライズの脇を歩いて通り抜けると二子玉川公園がある。更に公園を通り過ぎて多摩川の土手までいき、土手を下って行くと水辺で遊ぶことも出来る。二子玉川までの往復のバスはシルバーパスを使うのでバス代もない。日曜日なので家族連れが多く見かけるなかを速歩で駆け抜けていくと汗をかいた。家から直接住宅街をウォーキングするとどうしても刺激が少ないが、少々バスに乗るだけで新天地にいるような歩きができる。
 
2016-11-20 多摩川&右は二子玉川ライズのビル群
 
二子玉川公園内の帰真園(日本庭園)にて

11月21日(月)   <月曜日の午前中はテニス・・・>
月曜日の午前中はテニス。午後はどうしてもやりたいことが残っているので陶芸教室へ行き一作業。午前、午後と続けて身体を動かすことに何の問題もないのが有難い。今日はそれ以外にリサイタル用のパンフレット作りもやった。頼まれ仕事で少しでも他人のためになるのならうれしい。パンフレットはパソコンでPhotoshopソフトを使って作成する。Photoshopを操作するのは元来好きであるので楽しい時間が過ごせる。以前、コラムにも書いたが、パソコンは最近立って使うように自分で台を付けた。これが大正解で椅子に座ってパソコンを長い時間使っていると腰の具合が悪くなることがあるが、立ってパソコンをやると身体の調子が明らかにいい。陶芸でも長時間作業を続けると背骨が曲がって伸びなくなることがある。その点、パソコンで背筋を伸ばして体調を整えているのかも知れない。テニスの仲間で急に体調を崩して来られなくなる人がいる。あれほど元気だったのに・・は他人事ではない。パソコンをやる人には「立ったままパソコン作業」を是非勧めたい・・。
11月22日(火)   <今日のテレビは早朝6時から福島県沖の地震・・・>
今日のテレビは早朝6時から福島県沖の地震(am5時59分発生、震度5弱)一本槍。いわき市に3mの津波が来るので”直ぐ逃げて下さい”、”高台に避難して下さい”、”逃げて下さい”の連呼が一時間以上続く。NHK教育テレビも全て地震避難通報で、6時25分からのテレビ体操も、8時からの連ドラもお休み。更に、東京地区の(九州も四国も同じだろうが)天気予報も交通情報も全てなし。日本全国が福島ローカルになった報道だった。最悪の可能性を予報するのが津波警報のやり方であるので当然であるかも知れないが、結果としては、いわき小名浜の津波は0.6mであり、他の地域でもほとんど被害がなかったのは幸いと言うべきだろう。それにしてもローカルな避難指示を全国一律に流し続けて、東京や大阪などの交通情報まで一切止めてしまうのは異常に思えた。今回は幸運にも「狼は来なかった」が、次の警報が狼少年と思われないことを祈ろう。
11月23日(水)   <今日は勤労感謝の日・・・>
今日は勤労感謝の日で休日。妻が外出先で”勤労できることに感謝しましょう”と張り紙がしてあったと話題にしたので、私は自分も同感、働けるだけでも幸いで、働いている人に感謝するより仕事に感謝する方がいい、と言った。国民の祝日と定めた趣旨としては「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とされている。この”勤労感謝の日”は戦後に新たに付けられた名称で、戦前は「新嘗祭(にいなめさい)」の祭日であった。明治生まれの私の父などは新嘗祭に馴染んでいたので、戦後でもどうしても勤労感謝の日の名がでなかった。新嘗祭はいわば日本の収穫祭で、秋の実り、五穀豊穣を神に感謝する特別の日であった。どのような収穫も神の加護なしにはあり得ないのは現代でも変わらない。考えようによっては、どのような働きも生活自体も神の加護のもとに成り立っている。自分一人では何も出来ない。勤労に感謝なんていうよりも、周りの人すべてに感謝する日、そして生きていることを神に感謝する、そんな日であってもいい・・。
11月24日(木)   <今日は東京都心でも雪・・・>
今日は東京都心でも雪が降った。11月としては54年振りの初雪と報道されていたのが、積雪が確認されると11月では観測史上初めての積雪となった。予定のテニスにも行けず外出も控えたので陶芸のことを書こう。表紙に掲載して「三角形板20」は11月17日のコラム(=ここ)で書いた”結晶釉薬”の失敗作をリメイクした一つ。青の結晶釉薬を試みたのが結晶がうまく発生しないので人工的な模様をつけて遊んだ。結晶が出る条件は、釉薬が溶融した後結晶が発生するまでの温度と時間の要素を把握しなければならないので、容易ではない。まだ条件を変えて試みている最中であるが、結果は直に表れない。700年前に作られた曜変天目茶碗の模様を再現しようと一生をかけて研究した陶芸家が結論として”偶然の産物”と述べている。何万回もの試行錯誤を繰り返しても決定的な再現プロセスは見つからなかったという。これは特別な場合であるが、ただの結晶釉ははるかに簡単で、初心者でもできる。以前、陶芸教室で作ったことのある結晶模様をまた初心者に返って家の窯でトライしている訳だ。一方で人間が意図的に描いた模様だって美しければよいと思い始めた。

11月25日(金)   <東京は昨日の雪とは打って変わって・・・>
東京は昨日の雪とは打って変わって穏やかな快晴。早朝の太陽に釣られて急遽予定を変更して朝食後すぐにテニスに出かけた。テニス場のある神宮外苑では今銀杏並木が黄色く色づいている。今年はじめて銀杏並木の場所まで行って写真を撮った(下)。撮影時刻は8時21分。昼間の時間は紅葉を見に来る人で非常に混雑するという話を聞いたが、この時間は人は少なくゆったりしていた。・・明日から二泊の予定で長野県へリンゴ狩りにいく。親戚の子供と一緒だが、長野県では昨日かなりの積雪があったと報じられているので、どうなることやら。<パソコンは持参せずに、コラム休みます>

2016-11-25 @神宮外苑   右はテニスコートから見た銀杏並木の遠景

11月26日(土)   <信州上田(真田の郷)でリンゴ狩り・・・>
信州上田(真田の郷)でリンゴ狩り。一昨日の大雪でどうなるかと心配したが、快晴に恵まれて、道路の凍結もなくりんご園では雪も風情にみえた。今日の所は写真掲載で雰囲気を伝えたい。<パソコン持参して幸いWiFiが利用できた>
 
2016-11-26 
 
11月27日(日)   <信州の旅行・・・>
信州の旅行が続く。今日は曇りのち雨の天候。残雪がある中で道路が凍結しないだけでもありがたい。「佐久市子ども未来館」でプラネタリウムを見ながら半分居眠りをして十分に休息をとった一日。今は菅平の宿にいる。
 
2016-11-27 左は佐久平     右はこども未来館内
11月28日(月)   <今日は山梨県韮崎市にある大村美術館・・・>
今日は山梨県韮崎市にある大村美術館に行った。長野県菅平から車で東京に帰る途中、立寄ったのだが周囲の山々と美術館が見事にマッチしており、楽しい時間を過ごすことができた。。この美術館は2015年にノーベル賞を受賞した大村智博士が長年収集してきた美術品を主体に2007年に開設された美術館(=ここ)。大村氏は女子美術大学の理事長でもあり、日本を代表する女流画家の作品が常設展示されている。女流画家の作品をまとめてみることの出来る美術館としてもユニークで、すばらしい。・・先ほど無事に家に帰り着いたところ。また今日のドライブの雰囲気を写真に語ってももらおう。
 
2016-11-28 韮崎大村美術館外観   右は美術館の正面に見える山
 
ドライブ途中の風景
11月29日(火)   <旅行から帰ると・・・>
旅行から帰ると以前は必ず旅行のアルバムを作った。デジタルの写真とは別にA4サイズの用紙に写真を配列して整理・印刷したものだ。それをいつからかやらなくなって自分の旅行写真はほとんど残らなくなった。そういえばこの数年間は正月から始まる毎年のアルバム作りもなくしてしまった。アルバムを見て喜んでくれる人がいなくなったのか・・。アナログのアルバムが廃れる一方でデジタルの写真はパソコンやら専用サイトに山ほど保管されている。量的にはアナログ写真帳の何百倍になるかも知れない。けれども経験的にはパソコンの中のアルバムはほとんど見る機会がない。古いデジタル写真を誰かと懐かしく見るというより、ケイタイとかi-Padなどで仲間と新しい作品を見せ合うような使い方が一般的になった。アナログのアルバムは収納スペースの関係で本人が亡くなると処分されることが多い。考えてみるとパソコン内のアルバムも本人がいなくなるとパソコンとともに大抵は消えてしまう。 ”生きた証”として何が残るのか。そんなことを考えずにただ必死に生きているのがよろしいようで・・。
11月30日(水)   <人を喜ばせ勇気づけること・・・>
人を喜ばせ勇気づけることは容易ではない。人には皆個性があり好みや思想信条も異なる。ある人を喜ばせても別の人を傷つけていることはいくらでもある。好きな芸能人リストの上位者が嫌いな芸能人の中にも入る。政治家は支持率が5%でも我こそが正しいとして活動を続ける。50%の人から不愉快と思われても自分の信条を訴えなければ仕事にならない。もっと身近で惨めなのは画家が一生懸命に自分の表現こそベストでしょうと描いた絵画が大多数の人に敬遠される不快極まりない作品である場合。何も見ない、何も聴かない方が心が平穏であるケースの何と多いことか。一方でほんの些細な作品で元気をもらい生きててよかったと感じさせられるものもあるのは確かだ。・・今朝、満員電車の中で直ぐ近くにスピーカーがあり車内放送の音量が最大限であった。押し合いへし合いしている最中に耳元で、”中へお進みください、扉に気をつけて下さい、荷物を引いて下さい・・”の連続。若い電車の車掌さんが一生懸命に仕事をしているのはよく分かる。同情しながらも逃げたくなったが逃げる場所がなかった。・・何もしないことが他人に迷惑をかけないとは、ちと淋しいなぁ。


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