これまでの「今日のコラム」(2017年3月分)


3月1日(水)   <「智美術館」で「工芸の現在展」・・・>
「智美術館」で「工芸の現在展」をみた。智美術館(=ここ)は東京・虎ノ門、ホテルオークラの隣にある美術館で毎回現代工芸のユニークな展覧会を開催してくれる。今日も陶磁、ガラス、金工、竹工などの現代作家の最新作が60点ほど展示されており、非常に刺激的だった。現代の最先端の創作者がどのような表現をするのか、どこにも模範解答がない中でそれぞれに苦悩している雰囲気もあり、緊迫感を楽しんだ。展示された工芸から元気をいただく他に、この美術館の近辺にはアメリカ大使館、スエーデン大使館、城山ガーデンなどがあり、道を歩くだけでも非日常。やはり美術館巡りは大正解だ。しばらくの間はエネルギーをチャージすることに専念しよう。
 
2017-03-01智美術館入口&前庭


3月2日(木)   <今日は上野の東京都美術館・・・>
今日は上野の東京都美術館で「 現代彫刻作家展」をみた。彫刻家の知人(故人)の作品が展示されているので行ったのであるが、申し訳ないが知人の作品以外に見るべきものがなかった。どちらかというとお粗末。”現代彫刻”と称するには恥ずかしい。帰路、国立西洋美術館の庭でロダンの彫刻「考える人」(拡大判)や「カレーの市民」を改めてじっくりと鑑賞すると実に迫力がある。100年前の彫刻と比べて現代の彫刻は何をしたいのか・・。
表紙に「92面体組立作業4」(陶芸作品)を掲載した。毎日少しずつ手を入れているが、いつまで経っても”完成品”とならない。組立て仕事の調整は際限なく続く・・。
     
2017-03-02 ロダンの彫刻  右は東京国立博物館前

3月3日(金)   <「雛祭り」・・・>
「雛祭り」は我家では関係なくなったが、共用の玄関には小さなひな人形と心ばかりの花を飾った。午前中は春らしい陽射しの下でテニス。午後は曇ってきたけれども墓参りをした。息子の月命日は昨日だったが、昨日は雨だったので今日に延ばした墓参。いつものように墓周辺を時間をかけて思う存分掃除した。墓の数メートル離れたところにある梅の花がすっかり散ってしまい、下には一面梅の花びらだ。今日は静かなお寺の境内も後一ヶ月もすると桜が咲いて人で賑わう。

2017-03-03 九品仏浄真寺(東京‐世田谷区) にて
3月4日(土)   <3月になって初めての土曜日・・・>
3月になって初めての土曜日。自動車を運転して10kmほど離れた場所にあるガソリンスタンドに車検の相談に行ったり、親戚の家に寄って庭で草取りをしたり、多少は行動をしているけれども何と日常的な連続であることよ・・。”ななつ星”の列車に乗るのとは大層な違いだ。糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」(=ここ)を見ていると、糸井さんが今日、この日に観光寝台列車「ななつ星in 九州」に乗車するところが現場から中継されている(=ここ)。 今朝の早朝から逐一レポートが続き今、夕刻まで移動しながら「ななつ星」の様子がリアルタイムでインターネットで発信されており、これからも明日にかけて夜行寝台の実況中継が続く。テレビ番組のゲストとしての乗車であるようだが、今この瞬間に「ななつ星」がどこを走り、どんな状況であるというのはインターネット配信の強みで確かに面白い。次はシベリア鉄道一週間の旅なんていうテーマでGPSによる列車の位置とレポートを組合わせた生中継などはいかが・・。
3月5日(日)   <ボケの花・・・>
ボケの花が咲いている。ボケは漢字で書くと「木瓜」。実が瓜のような形であり木にウリがなったように見えることから「木瓜」、これをモッケと呼び、更に「モケ」から「ボケ」になったという。ボケの実は9月、10月に収穫できるというが、実には余り関心がなかった。漢字からはキュウリを連想するが、こちらは「胡瓜」あるいは「黄瓜」と書く。面白いことにキュウリは黄色い花が咲くのにほとんど花は鑑賞されない。もっぱら熟す前の実を食用としていただく(熟したキュウリの実は黄色くなる)。ボケの実は固くて生食には向かないがジャムやお酒に加工することはできるそうだ。この秋にボケの実を手に入れようかと思い始めた。・・夏目漱石の俳句;「木瓜(ボケ)咲くや 漱石拙(せつ)を 守るべく」。この俳句の「漱石」を「私も」とすることができるのか、ボケの花を機会に考えさせられる・・。
2017-03-05
3月6日(月)   <陶芸で「92面体」を制作・・・>
陶芸で「92面体」を制作してみて、まだ完成宣言をしてない段階であるが展示のやり方(飾り方)を考えさせられる。正五角形12枚、正三角形80枚、合計92枚の板を接続して92面体が完成するのであるが、今回は基本色を春(青)、夏(赤)、秋(白)、冬(黒)の4色としながらも、全てを異なった色模様とした。完成する球体の直径が約720mm程度であり、設置した場合にたまたま下に位置した部分は見えないことになる。組立の都合で上部の11枚を蓋にして接続する(蓋を外すことも出来る)ようにしたが、蓋は必ずしも真上でなくても構わない。92枚の板模様には優劣はないので、最下部の板は「縁の下の力持ち」の役割はするが人目にはつかない。展示する場合に上下の位置を決めてしまうと下部の板模様が可哀想。自動的に球体を回転させる装置でも付けるかとも考えたが大袈裟なので止める。時々、位置をずらしてやる程度しか知恵が出ない・・。<表紙には以前と違う位置にセットして撮影した写真を掲載>

3月7日(火)   <超・日本刀入門・・・>
「超・日本刀入門〜名刀で分かる・名刀で知る〜」で刀剣を鑑賞した。静嘉堂文庫美術館で開催されている展覧会(3月20日まで、案内=ここ)での話だ。この美術館は国宝の曜変天目茶碗を所蔵していることでも知られる。特別展と関係なく曜変天目茶碗が展示されていることもあり、私は行く時には曜変天目茶碗を期待する。今日は残念ながら曜変天目の展示はなかったが刀剣だけで十分に楽しめた。刀剣については全く知識がなかったので初めての体験ばかりだった。美術館側の刀剣鑑賞の手引きも充実している。太刀と刀の違い、刀身各部の名称、刀の見所(刃文、肌,造り込み)などの解説書の他に、展示されている国宝や重文の刀剣と並べて実物大の図を添えて”見所”を示してあるのもいい。刀剣は製鉄の技術と刀工の技能との融合がなければできない。それが、800~1000年の昔に美術品というべき名刀が完成している文化の高さにあらためて驚く。古墳時代に戦う武器として鉄の刀剣が始まったとして、平安時代には日本刀独特の刀身に反りをつけた形状に工夫され、刃物としての質の高さも抜群に向上させる。やがて刀工たちは武器としての品質をはるかに越えた芸術品ともいうべき刀剣を造り上げる。刀工も仏師と同じく納得するモノづくりに生涯をかけたことがよく分かる・・。
 
2017-03-17 静嘉堂文庫&庭
3月8日(水)   <久しぶりにオートバックス代官山店・・・>
久しぶりにオートバックス代官山店にいって車の修理の合間に店の周囲を見て回った。この近辺は今の住居に引越してくる前に50年以上住んでいたので非常に懐かしい。東京・恵比寿と中目黒の中間点になるので、昔の懐かしさが残るよりも絶えず街の姿が変貌して留まることのない地域でもある。オートバックスそのものも店舗や修理スペースを一新していた。何よりもオートバックスの隣にあった「花壇」という中国飯店がマンションに変わり、花壇はオートバックスと一体化して3階に店舗を構えている。・・確かに都会の活力は「変貌」の中にある。巨大なスーパーダイエー店がイオンに変わり、便利だったユニクロの店(世田谷店?、目黒通り面した店)が撤退するなど身近な所でも素早い変化が目立つ。人もまた年齢を重ねるのに同じ所に留まっているだけでは駄目であろう。過去の年功、実績を捨て去って変化を求めることにこそ未来があるぞ・・。
3月9日(木)   <災難はどこに潜んでいるか・・・>
災難はどこに潜んでいるか分からない。週刊誌(i-PhoneのD-マガジン)を読んでいると昨年7月に自転車事故で頸髄損傷の重傷を負ってリハビリを続けている谷垣さん(自民党が野党のときの総裁、党幹事長などを歴任)が未だ回復せずに深刻であるらしい。谷垣さんは趣味が自転車で自転車競技歴20年、100回以上自転車レースに出場したことのある政界きっての自転車愛好家とされた。それが都内の皇居周辺を自転車で走行中に事故を起こした。この自転車事故を知ってから私も都心に自転車で行くのに慎重になった。今日のテニスにもバスと電車を三路線乗り継いで行った。以前は自転車で45分の時間をかけてテニスに通ったのだが、ラッシュアワーで混雑してもバス・電車を使った方が気楽である。都心を自転車で走る場合、自分で余程気をつけても事故のリスクはある。歩行者や自動車よりも無法な自転車が一番怖い。何をやっても変えられない運命はあるがリスクの確率を下げることは出来る。健康の対策も同じことだろうか。
 
2017-03-09 テニス場開門を待つ間に撮影
3月10日(金)   <毎日何か見える結果を残す・・・>
毎日何か見える結果を残すことのできる趣味が欲しい。このところアウトプットが何もなくコラムを書くにもテーマがない事態にそんな事を思う。例えば俳句とか短歌であれば毎日の成果を示せるだろう。これが小説では駄目。今は陶芸の大作に取り組んでいるといって、いつまでも結果を出せない。もう少し小物であれば短時間で変化をみせられる。「今日の作品」として以前は毎日のように描いた絵手紙はどうした・・。そういえば今年は絵の作品がほとんど進展がない。30分、1時間の時間を取れば、はがき一枚の作品ができるのに何故だ。自分なりに考えてみると、今まで病院とは無縁であったのに、昨年末から今に至るまで白内障の手術が続いたことで(左右の眼、一度は再手術)生活のパターンが狂ったことが主原因のように思える。手術の結果は極めて良好であるので今まで以上に元気を出せるはずだ。生活のリズムを再セットしてみようか・・。
3月11日(土)   <東京ミッドタウン・・・>
東京ミッドタウンに行った。東京ミッドタウンは東京・六本木〜赤坂地区にある複合施設で元防衛庁の本庁があった場所を再開発して2007年3月30日にオープンしたので、丁度この3月末に開業10周年を迎える(=ここ)。東京ミッドタウンに行くといっても買物をする訳でもなく、ほとんどの場合はサントリー美術館がお目当て。今日も「サントリー美術館新収蔵品 コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス」のタイトルの展覧会をみた(=ここ、明日最終日)。今回の展覧会に限って会場内での写真撮影は自由と表示があった。早速撮影した写真を下に掲載する。展示品は17~18世紀のオランダの陶磁器が多かった。当時、ヨーロッパで異国趣味(主に中国の陶磁器)がブームとなりオリエンタル調の陶磁器が一生懸命に制作されたのが何か微笑ましくもあった。美術館の後には毎度隣接する檜町公園を散策する。たまたま先日テニスで一緒にプレーをした女性が檜町公園の隣のマンションに住んでいるといったことを思い出して周りを見渡した。・・六本木の散策ながら雑踏もなくのどかな日和を楽しむことはできたのは確かだ。
 
サントリー美術館展示品
 
2017-03-11檜町公園  右はミッドタウン地下入口
3月12日(日)   <近所の住宅街を歩いていると・・・>
近所の住宅街を歩いていると今年初めて辛夷(こぶし)に出会い、もう辛夷の季節だと気がついた。それではと改めてバスに乗って五島美術館へでかけた(=ここ)。五島美術館の庭園には東京都の天然記念物に指定されている樹齢250年の辛夷の老木がある。残念ながらここの辛夷は一部が咲き始めたばかりで見頃には早すぎた。けれどももちろんメインの目的は美術館の「中国の陶芸展」。紀元前四世紀から17世紀頃までの焼き物、約60点が展示されている。こうした中国2000年にわたる陶磁器の名品を前にすると、そのオリジナルな文化に圧倒される。それにしては現在の中国は世界の文化を牽引するのにはほど遠くなってしまったのは何故。エジプトの巨大文明を現代のエジプト人からは感じないように・・。文化のDNAは案外簡単に断ち切られるのか・・。
 
2017-03-12 五島美術館庭園より二子玉川方面をみる(正面の高層ビルは楽天本社ビル) 右は辛夷の樹
ミツマタ(三又)の花は満開
3月13日(月)   <今日の午前中はテニス・・・>
今日の午前中はテニス。最近は昔からの仲間が退会したり、来られなくなったりして比較的新しい仲間とプレーする。テニスを通しての仲間は貴重だと思うことが近頃特に多くなった。以前、テニス仲間の女性の縁で、どういう訳かご主人と知り合いになり数学が趣味だというそのご主人に今作成中の92面体の構造を教わった経緯もある。他の人にしてもテニスは趣味として色々な専門を経験した人がいるので私の付き合いの範囲では考えられない分野の話を聞ける。年齢や男女、序列、経歴など一切関係なくテニス以外の話で刺激を受けるところがいい。私の場合、テニスに限らず、陶芸でも仲間に恵まれた。独りで制作するのでなく仲間に教えられたり、切磋琢磨するところがやりがいとなる。・・運動でも手仕事でも趣味の中に人の中身が表れるから面白い。
3月14日(火)   <私たちは毎日約26000回の呼吸・・・>
私たちは毎日約26000回の呼吸をしているが、”どの1回もムダにせず深く呼吸するように心がければ確実に体調はよくなります”と書いてある本があった。1週間食事をとらなくても、2~3日水を飲まなくても人は生きていけるけれども数分間呼吸をしなければ生きていけない。そういえば先日見たテレビの健康番組で一日に何回かやるだけでもよいとして、「4秒をかけて鼻から息を吸い、4秒息を停止し、8秒かけて口から息を吐く」やり方を推奨していた。腹式呼吸をきっちりとやればいいのだろうが、これは分かりやすかった。末梢血管(毛細血管)が年齢とともに減っていく老化現象に対しても対策の一つとなるそうだ。食事とか運動など健康維持の常識の陰で見失いそうな「呼吸」は新たな道具も時間も必要としない。もちろん、末梢血管の一部である脳細胞の活性化(浄化)にも腹式呼吸は非常に効果的。直ぐでも実践できるがどこまで続くか・・。
3月15日(水)   <日本の私立の美術館・・・>
日本の私立の美術館は一昔前の成功した実業家が収集した収集した美術品の遺産であるものがほとんどである。大原美術館(大原孫三郎)、ブリヂストン美術館(石橋正二郎)、根津美術館(根津嘉一郎)、五島美術館(五島慶太)、静嘉堂文庫美術館(岩崎弥之助)、山種美術館(山種種二)、畠山記念館(畠山一清)、サントリー美術館(佐治敬三)、智美術館(菊池寛実)など名を挙げればきりがない。お金持ちが個人の資産として美術品を所持していると相続の時に税金を払うために収集品が散逸してしまうのでまとめて維持するには公益財団法人として美術館とするしかない。私たちはそのお陰で世界の名品に接することが出来る。一昔前までのお金持ちの遺産はこうして活かされているが、果たして今のお金持ちはと見てみると、そう、ソフトバンクの孫正義氏、楽天の三木谷浩史氏のようにプロ野球の球団を持っている。ライブドアの堀江貴文氏も調子のいい時には球団を買収しようと試みた。プロ野球はそれほど魅力的なのかもしれないが、遺産的な価値はないだろう。球団の名前も”久しくとどまりたるためしなし”、一代限りか。お金持ちも大変ですね・・。
3月16日(木)   <今日一日を東京・南青山近辺で・・・>
今日一日を東京・南青山近辺で過ごせたことを感謝。といっても、テニスに、美術館、通院と全く関連のない内容を繋いだだけではある。テニスの後、白内障手術の検査時刻に合わせて、根津美術館を訪れて時間を調節した。久しぶりの根津美術館は特別展「高麗仏画」という地味な催しであったが、いつもながら庭園と合わせてたっぷりと楽しむことが出来た。特に庭園の風景、石仏や石灯籠がみな新鮮に見えたのは4ヶ月ぶりのせいかと思ったが、後で白内障手術後初めてであるので景色もはっきり、くっきりしたのだと気がついた。手術後は間違いなく世の中明るくなった。検査結果も良好で言うことはなし。
 
2017-03-16根津美術館庭園にて
”ししおどし”が気持ちのよい音を音を響かせていた
3月17日(金)   <表紙に「92面体完成体1」(陶芸作品)・・・>
表紙に「92面体完成体1」(陶芸作品)を掲載。組立経過の写真ばかりでいつまでたっても完成しないので”一応”完成体ということにした。完成写真としても、どのアングルを撮影するかを迷う。トータルでは92通りの表情があり、正五角形だけでも12通り。自分としては時々回転させて真下の部分も見えるようにしたいところ。今真上にある白の正五角形には補強用のネジが外部に出ているので、このネジキャップも陶器で制作してネジを埋め込んでいる(下の写真参照)。92枚の板の組立てについては、いくら調整しても不本意な所があり、完成体といってもいわば妥協の産物。これからも追加の仕事があるかもしれない。イエスキリストの顔や道化師の名品を多く残した画家・ジョルジュ・ルオーは絵を売った後に、もう少し手を入れたいからと買い手から絵を引取り加筆したことが何度もあったと聞いたことがある。ルオーの気持ちはよく分かるが、こちらはいくら追加をしても誰の迷惑にもならない。完成したといってもしばらくは追加工事を楽しもう・・。
  2017-03-17
3月18日(土)   <人の振り見て我が振り直せ・・・>
「人の振り見て我が振り直せ」とは言い得て妙。先日、数ヶ月振りに会った同年輩の人が余りに年寄りに見えたので愕然とした。Every man's neighbour is his looking-glass. 他人事ではなく正に自分を鏡で見ると同じかも知れない。”年寄り”を感じさせる要素は、歩く際に左右の脚が直線でなく幅が広くなること、脚の膝が伸びないこと、動作が遅いこと、背筋が丸くなることなどか。要は機敏さがなくモタモタする。ショックだったのは少なくとも半年前には特に”老人”を感じなかった人が変わってしまうという事実だ。以前、ラジオ体操をする時に鏡で自分の姿を見てテレビのお姉さん方と比べてあまりに不細工なのでガックリきたことを忘れられない。その後、O脚を少しでも直そうとか膝を延ばすなどしながら極力鏡の前で体操をする。外を歩く時にはショウウィンドウなどで自分の姿を見るのも参考になる。”我が振り直す”ネタには事欠かない。・・「今日の写真」(下)は、今日、お彼岸の墓掃除にいったお寺で撮影。墓前には息子のためであろう、ビールが二缶供えてあった。
 
2017-03-18 九品仏浄真寺(東京・世田谷区)

3月19日(日)   <自然教育園に行った・・・>
自然教育園(東京・港区白金台=ここ)に行ったのは何年振りか。目黒の駅ビルに所用ででかけて1時間ほど時間をつぶさなければならないので側の自然教育園に立寄ったのであるが、自分でも驚くほど感激した。2014年の7月に今の家に引越して来る前には比較的家に近かったので一時は自分の庭のように頻繁に自然教育園に通った。65歳以上は無料で入れる気安さもあり春夏秋冬訪れているうちに、広大な園内を隅から隅まで知っているほどになった。今日は久しぶりに故郷に帰ったような気分。変わらぬ巨木、蒲の穂、何と白鷺まで以前と同じように迎えてくれた。故郷を持たぬ身としては故郷の懐かしさとはこんなものかと納得。目黒駅前など周辺の街はどんどん変わっていく中で教育園には変わらぬ安心感がある。
 
2017-03-19 自然教育園にて
 
右左はフキノトウにとまったアブ  右右はバイモ(貝母/編笠百合)の花


3月20日(月)   <来客があると部屋が片付く・・・>
来客があると部屋が片付く。特別に見栄を張るとか格好をつける気がなくても、誰か他人が部屋に入るというだけで掃除をする動機付けになるのだろう。最近は友人、知人と家で交流する機会が減ったので、家にわざわざ来ていただく人は以前にも増して有難いと思うようになった。・・”お客”ではないが、娘と孫娘がニューヨークから帰省するので、このところ掃除ばかりしている。居間や台所、洗面所だけでなく、私のパソコン部屋とか作業室などを片付け、掃除機をかけて、更に洗剤で磨く。掃除の成果はbeforeとafterを並べてみないと分かりづらい。”きれい”であればそれが当たり前で、もっときれいにと思うのが自然。娘たちがもう少し頻繁に帰ってくれば家中がきれいになるだろうか・・。
3月21日(火)   <今日は終日冷たい雨・・・>
今日は終日冷たい雨が降り続く。娘と孫娘が帰省してはきたが、それぞれに待った無しでやることがあり、ゆとりはない。孫娘もニューヨークでは寝る間もないほど励んでいるから日本に来た時ぐらいは休養すればよいのに、現実は東京でも寸暇を惜しむ大忙し。最早、こちらが出て行き助けてやる出番もなくなってしまった。今週末の桜の開花を楽しみにするのは年寄りだけとすると少々寂しい。一方で孫娘に限らず若者が活発であるのは気持ちがよい。若いのにやる気がなくぼーとしているより何にでも興味を持って活動する方が爽やかだ。日頃は同年代の年寄りばかりとのお付き合いが多いので、ミドルティーンに接するだけで元気になりそうだ。
3月22日(水)   <ハンドスピナーという遊び道具・・・>
ハンドスピナーという遊び道具を知らなかった。娘がニューヨークで流行っているといってお土産に買ってきてくれたのがハンドスピナー(hand-spinner)。アメリカではfinger(指)とgadget(ガジェット=ユニークな小物)とを組合わせてFidget(フィジェット)とも呼ばれる。ボールベアリングを軸として指の力で回転できるオモチャで、床において5分以上の間回転を続けるものもある。ペンを指でくるくる回して遊ぶのと同じ感覚で欧米で大人気だというが日本のサイトのYou-tubeでも沢山紹介されている(例=ここ or ここ)。私などはこの種の回転体ではミニチュアボールベアリングの性能に興味が湧く。遊びとしてはこれからで、今日は写真掲載まで。並べて掲載する花の写真は今日植えた花。最近は花の種類が多くて名前が覚えられない。
 
2017-03-22 ハンドスピナー・右は回転中     エニシダ・コロニラバレンティナ &  セレニティ・ オステオスペルマム
3月23日(木)   <今日は我家にとって特別な日・・・>
今日は我家にとって特別な日。夜、妻のピアノ、孫娘のヴァイオリン(伴奏のピアノは娘)と「親子三代・世代を超えて」ジョイントコンサートをやる。恐らくは、この三世代のコンサートをするのは生涯で初めで最後になるだろう。会場を借りて人を集めるコンサートを開くことが如何に大変かを目の当たりにする。出演者を脇で見ているだけでもくたびれるけれども、こちらは何の手助けもできない。孫娘は一番の現役で、いま16歳だが3年前の13歳のときからYouTubeで演奏を発信している(=ここ、この機会に見てみると10歳の可愛らしい頃からの演奏=ここ=を毎年You Tubeに掲載していた)。アメリカでは演奏会の機会も多く経験しているが日本では初デビューとなる。果たしてどんなコンサートになるか、そろそろ家を出る・・。
3月24日(金)   <昨夜の「親子三代・世代を超えて」のコンサート・・・>
昨夜の「親子三代・世代を超えて」のコンサートは先ずは大成功だった。椅子席が足りなくなるなど不手際が起きそうなときも色々な人に助けられてクリアできた。何より来ていただいた方々が善意で喜んでくれたのがうれしい。妻、娘、孫娘でコンサートを開催できたこと自体、まれに見る幸運のおかげと天に感謝しなければならない。同時に周囲の友人、知人、更に多くの人の好意がなければ成り立たない集いであったと、みなみなさまの有難さを思う。・・今日になって娘や孫娘は早朝から活発に動き始めたが、妻はすっかり気が抜けて思考力がなくなるほどに疲れきってしまった。やはり若さは強い。これが逆でなくてよかった・・。
3月25日(土)   <娘の義父の十三回忌・・・>
娘の義父の十三回忌が営まれた。娘家族がニューヨークから帰省している今の時期に合わせて法事とした訳だ。12年前、娘が義父を看病していた時に4歳になる孫娘をこちらで預かっていたことを思い出す。その孫娘は16歳。今やすばらしいバイオリンの演奏を聴かせてくれるまでに成長した。少人数での十三回忌も日頃会う機会のない親戚と交流する貴重なチャンスと考えると、うまくできた法要のシステムだと感心する。・・昨日来の妻の疲労が未だ回復しないので、夕食も外食とする。といっても直ぐ近所のデニーズで「ハンバーグカレードリア」を食べる程度。昼の法事の時には立派な懐石料理だったので、これでも十分、言うことはなし・・。
3月26日(日)   <雨と寒さの日曜日・・・>
雨と寒さの日曜日。どこにも外出せずに家で休養する。今、家の中には先日のコンサートでいただいた花が置ききれないほど並んでいる。いただいた花は全て新鮮なうちにと写真を撮った。それぞれに異なった表情を持つ美しい花々を見ているだけで時間を忘れて癒される。有難いことだ。明日はレンタカーを借りて娘家族と一泊旅行に出かける予定。今回はパソコンも持参せずに、のんびりと過ごすつもりだ。帰ってきた時にまた元気な花々と再会できるだろう。
 
2017-03-26
3月28日(火)   <先ほどドライブ旅行を終えて・・・>
先ほどドライブ旅行を終えて無事帰宅したところ。昨日は思わぬ大雪で、軽井沢では30cmの積雪が残っていたり、宿泊地の長野県佐久市の山中でも雪道を大いに心配したが何とか事なきを得た。今朝は素晴らしい快晴の下、雪景色を楽しんだ。今回の旅行はドライブや一泊旅行をしながら娘家族、娘義母らと同じ時間を過ごすことが出来た意味が大きい。先ずは写真の掲載で雰囲気を残したい。
 
2017-03-28 軽井沢・石の教会(内村鑑三記念堂)
 
佐久平の宿  右は白樺湖
3月29日(水)   <ニューヨークから娘と一緒に帰省している娘婿・・・>
ニューヨークから娘と一緒に帰省している娘婿が帰国前に息子の墓参りをしてくれた。息子の命日は今度の日曜日4月2日。亡くなってから丸8年が経過した。命日の頃には毎年桜が満開となるが、今日はまだようやく一部が開花した程度。桜の見頃は数日後だろう。墓前には先に供えられたばかりの新しい花束があった。いつもながらありがたい。桜は開花しているのに気温は上がらずに日中でも少し冷える。「花冷や明日へ急がんこころもなく 」(中村草田男)、「花冷や味噌たつぷりと味噌おでん」( 鈴木真砂女)。夕飯には暖かいものが欲しくなる・・。
2017-03-29 九品仏浄真寺
3月30日(木)   <紫式部や清少納言など1000年も前に・・・>
紫式部や清少納言など1000年も前に日本では女性の創作活動が活発に行われ、作品が長い歴史を経て現代まで伝えられているのは希有な事だとあらためて思う。世界中の他の国ではあり得ないのでないか。今の日本で女性作家の活躍が余りに目覚ましいから、そのルーツは何だろうと考えているうちに紫式部や清少納言に行き着いた次第。それほど読書をするとは言えない私でさえ印象に残る名著が軒並み女性の創作だ。本屋大賞の関連の作者では小川洋子さん(「博士の愛した数式」ほか)、宮下奈都さん(「羊と鋼の森」ほか)、上橋菜穂子さん(「精霊の守り人」、「鹿の王」ほか)、西加奈子さんなど。「テルマエ・ロマエ」のヤマザキマリさんなどアニメで名作を残す人もいる。どうしてこれほど女性の優れた人材が輩出するのか・・。やはり1000年の文化の伝統、DNAが脈々と引き継がれていると考えるしかない。
3月31日(金)   <テレビを見ていると還暦を過ぎた浅田美代子さん・・・>
テレビを見ていると還暦を過ぎた浅田美代子さん(61歳)がインタビュー番組に出ていた。最近のバラエテイー番組でも昔のテレビではあり得なかったジイサン、バアサンに会う事が出来る。昨日だったか、浅丘ルリ子さんが出演しているのを見て懐かしかった。彼女は私と同学年。私が地方の中学を卒業して東京の高等学校に入学したときに(ざっと60年前だ!)、クラスの一人が既に映画スターになっていた浅丘ルリ子さんのことを中学で同級だったと話していたのが忘れられない。さすが東京の学校は違うと妙に感心した。そういえば津川雅彦さんが高校一年の時に隣のクラスに在籍していた。私は何も知らなかったが、その頃から彼は知る人ぞ知る有名人であった。結局、津川雅彦さんとは同級になることはなく彼は転校したはずだ。私たちの世代の少し下のアイドルであった中尾ミエさん(70歳)もまたテレビで活躍している。こうした現役のお年寄り女性の元祖が83歳の黒柳徹子さんなのだろう。個人的には男性の老人タレントは”見たくない”のでテレビを消す。けれども女性の場合は見てしまう。かつては、これほど可愛らしかった女の子が、こんなに魅力的に年を重ねていると昔の写真(映像)と共に紹介すれば若い視聴者も興味を持つに違いない。




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