これまでの「今日のコラム」(2017年8月分)


8月1日(火)  <いつからかアルバム作りを止めて・・・>
いつからかアルバム作りを止めてしまった。以前は毎年、その年のアルバムをきっちりと作っていた。今では旅行に行ってもホームページに写真を掲載はするが印画紙に印刷して整理することはやらない。ところが先日のコロラド州アスペンに滞在してロッキー山脈をドライブした旅行については写真のアルバムを作りつつある。今までにA4サイズ33枚が完成したが未だ先は長い。私の場合、Photoshopのソフトを駆使して趣味的に作るので制作するのは楽しい。かなりの大作に何故取り組むのかは、作ったアルバムを同行した娘や娘の義母など家族にプレゼントするためだ。自分のためだけであれば意欲が湧かなくても、他の人が喜んでくれるなら苦労はいとわぬ。この心理はアルバム作りだけではない。人間、本人の得にならなくても他人が喜んでくれることが一番のやりがいとなる。他人がやってくれた事を認めて感謝を伝えると相手は更にやってくれることもある。「やりがい」がほんの微妙な言葉の伝達で左右されるのは恐ろしい事でもある。


8月2日(水)  <息子の月命日・・・>
息子の月命日で墓参り。といっても朝からテニスをやっての帰り、昼食前に墓に立寄った次第。今にも雨が降りそうな雲行きだったが何とか線香をあげることができた。いつもながら墓のまわり近所の掃除と草取りに時間を費やす。墓のある九品仏浄真寺(世田谷区)の境内には鷺草の生息地がある。8月であるから鷺草が咲いているのを期待して見に行ったがまだ咲いていなかった。曇天であったせいか寺の境内がいつもより静かで落着いた雰囲気に感じられた。墓参りも非日常を味わうことのできる貴重な機会である・・。
 
2017-08-02 九品仏浄真寺
8月3日(木)  <久しぶりに妻と新宿・・・>
久しぶりに妻と新宿に買物に行った。せっかく新宿に来たのだからと先ず世界堂によってクリアファイルを買おうとしたが必要以上に立派で高価。ファイルならば100円ショップでも売っているかも知れないと、i-Phoneで検索すると世界堂の直ぐ隣のマルイのビルの中に100円ショップが入っている。結局は丁度手頃なクリアファイルを世界堂の十分の一の値段でまとめて買う事ができた。事ほど左様に新宿では高級品からお安い品まで何でも手に入る。そういえば、昼食のタイ料理の店もお得感があった。十分過ぎるほどの量と種類のおいしい美味しいタイ料理が税込みで1000円。やはり新宿は魅力のある街だ・・。
8月4日(金)  <今はプリンターの本体は随分安価・・・>
今はプリンターの本体は随分安価だと思う。けれどもプリンター用のインクの価格は高い。メーカーはインクで商売していることを誰もが知っている。メーカーの純正品が高いので相当品が安く出回っているが、メーカーとしては純正品でなければインク残量が表示されないとか、それなりの工夫はしているようだ。ところが、純正品を使っていて気がついたのは早い時期に「インクの残量が少なくなっています」と表示がでること。表示が出てからカラーインクでA4サイズで10枚ほどでも印刷できるのでないか。表示が出たからと直にインクを交換すると物凄いムダをしていることになる。表示が巧みなのは「少ない」と書いているけれども「交換して下さい」とは言っていない。結局は印刷を続けて色が異常になった時点で交換することになるので、表示のでない純正品でないインクと同じ使い方になる。プリンタ本体の価格以上にインク代を消費しながら、この分野はまだまだ変わっていくことを予感し、また期待する・・。
8月5日(土)  <カメラの修理のために新宿・・・>
カメラの修理のために新宿に行った。先のアメリカ旅行中にニコンのカメラの交換レンズに無理がかかったようでボデイーとの接続部に異常なガタがでていた。ニコンのサービスセンターは新宿西口のエルタワー28階にある。以前、一度行った事があるが非常に対応がよかった。今回も工場送りで修理するために預けることになったが、処置がテキパキしていて気持ちがよい。28階からは新宿駅やドコモタワーを見下ろす景色のおまけまでつく。ニコンの写真ギャラリーもまた面白かった。その後で、チョットした用事があって原宿の竹下通りを歩いたが、平和と繁栄の象徴のような混雑の中で、”東京っていいですね”と思わず叫びたくなった・・。
2017-08-05 新宿駅西口
8月6日(日)  <いいことは おかげさま・・・>
「いいことは おかげさま わるいことは 身から出たさび」とある(相田みつお:日めくりカレンダーより)。今日の”わるいこと”はプリンターの調子を悪くしてしまったこと。コピーの時に目詰まりをしたのでマニュアルに従って詰まった紙を取り除こうとして悪戦苦闘した末に印刷が正常にできなくなってしまった。元は、マニュアルの説明が不親切で初めから自分でプリンターの裏の蓋を開けるなどすれば問題なかったものを、マニュアル通りにやろうとして失敗したのだが、これも”身から出たさび”か。色々な処置をしたけれどもうまく回復しないので、サポートセンターに電話をして相談した。これから、綿棒に中性洗剤をつけてプリンター内部の清掃を試みる。一つ学んだのは、昔であれば修理センターにでも持参して清掃をしてもらうものを今では細かい要領を教えられて自分でやってみることができることだ。”身から出たさび”を自分でこすり落とすのも良いかも知れない。
8月7日(月)  <8 月7日は「機械の日」・・・>
8 月7日は「機械の日」と知ってびっくりした。i-Phoneのニュースを見ていて偶然目にしたのだが日本機械学会が制定したというが、長年機械学会の会員であった私でも知らなかったのだから、もちろん「今日は何の日」のサイトでも扱っていなかった。8月7日は七夕の中暦にあたる日で「たなばた」は神に捧げる衣を「棚機(たなばた)」という織り機で織り上げたので「機械」と関連づけたという。「機械の日」があっても構わないが、それでどうしたの・・。これは今日しか書けない話題でありました・・。
<一つ追加:昨日書いた「身から出たさび」を落とす「清掃」の結果は大成功でプリンターは見事に復活しました>
8月8日(火)  <電子メールで長い文章・・・>
電子メールで長い文章を書いていると何か感情がこもっていない気がする。電話であると一方的に時間を取ってしまうのでメールの方が親切と考えてメールにするケースも多い。電話番号が分かっているとLINEにすると、電話で話すのでなく一言ずつのメモのやり取りができるので、状況によっては電話やメールよりも便利なこともある。今は色々な通信手段が選べるけれども、たまに直筆の手紙やハガキの文字を見るとハッとするほど感激する。文字は上手い下手ではなく、その人の個性や感情が表れるので独特の魅力があるのは確かだ。デジタル万能の今の時代に年末、年始に手書きの手帳が結構売れ行きがよいという話も聞く。ふと、ホームページのこのコラムのような場所に電子ペンで手書きの文字を入れてみるのはどうだろうと思う。その内に実践してみようか・・。
8月9日(水)  <台風一過で・・・>
台風一過で全国的にこの夏一番の暑さ到来。東京では最高気温37℃というが、テニスをするときには、気温よりも直射日光で大汗をかく。休憩をとりながら午前中に三試合で引き上げる。熱中症にもならず無事。帰路の電車では空調の利いた涼しい車内に感謝である。
今日の写真に先日のアメリカ・アスペンの旅行の際にアスペン土産として買った「船型の凧」を掲載する。居間にモビールのように飾っているが、本来は凧糸まで付いた”凧”である。ただし、凧として飛ばしたならばアッという間に壊してしまうのでないかと、凧揚げをする勇気はない。
2017-08-09
8月10日(木)  <ジャコメッティ展(@国立新美術館)を見た・・・>
ジャコメッティ展(@国立新美術館)を見た後で、谷中に義兄の墓参りというダブルヘッダー。ジャコメッティ展のサブタイトルは「20世紀を代表する彫刻家、没後半世紀を経た大回顧展」とある。ジャコメッティ(1901~1966)はスイス生まれで主にフランスで活躍した。私も以前からジャコメッティの作品は好きだったが、没後半世紀とは知らなかった。作品は同じブロンズ作品でも数センチのミニチュアから数メートルの巨大なものまで幅広い。やはりこの種の創作からは色々と刺激を受ける。・・谷中のお寺の近辺では相変わらず外人が目につく。ジャコメッティの細い作品を見た直後だったので、墓のある瑞輪寺の日蓮上人像が随分と巨大で太って見えた・・。

  2017-08-10 ジャコメッティ展より  右は墓のある谷中・瑞輪寺にて
8月11日(金)  <今日の祝日(山の日)からお盆休み・・・>
今日の祝日(山の日)からお盆休みにつながる。この時期ドライブや旅行を避けるので時間的に余裕が出る。今日は思いついて「喜寿」を記念した文集の表紙のデザインを考えてみた(下に掲載)。以前に依頼されて原案は作ってあるけれど、こういうデザインはやれば切りがなく、またどれがベストかは自分では決められない。今回は喜寿の呼び名の元となる「喜」の行書体である「七十七」の文字の中に樹木や花を書き込んだ。描きすぎてもうるさいし、どの程度描くかが迷うところ。それにしても同級生はみな喜寿を過ぎた。自分で特別に喜寿を意識することはなかったが昔はお目出度い長寿であったのだろう。現代ではまだまだ年寄りとは言えない。これからの時代は喜寿の先にどのような喜びを見いだすかが問われている・・。
2017-08-11
8月12日(土)  <この時期は世間では夏休み・・・>
この時期は世間では夏休みモード。目的を持って、自由が丘〜奥沢のギャラリーや陶芸教室巡りをしたところ、”来週までお休み”の看板ばかりで無駄足が続いた。家から全部歩きで行ったので、ウォーキングの運動になったのは確かなので異存はないが。久しぶりに奥沢神社にも立寄った。この神社は創建が室町時代とされる由緒ある神社で江戸時代から続く「大蛇お練り神事」が今も残る。下の写真のようなに鳥居に藁製の大蛇が巻き付いている。この大蛇は前年の神事の時に使用されたものだというが、この大蛇お練り神事は9月の第二土曜日に行われると知った。今年は覚えていれば是非見に行こうと、カレンダーの9月9日にメモを付けた。
 
2017-08-12 奥沢神社(本殿正面には猫様がいた)
8月13日(日)  <表紙に「アスペンにて/mieuへの絵手紙・」(ペン画)」・・・>
表紙に「アスペンにて/mieuへの絵手紙・」(ペン画)」を掲載した。久しぶりの表紙絵更新。このところ絵にしろ陶芸にしろ創作物がほとんどなかったということは、生活のリズムを象徴している。陶芸の教室をどうするか迷っている最中だし、落着いて絵を描く気分にもなっていない。今回の「mieuへの絵手紙」を契機に創作を取り戻したいとは思う。孫娘mieuはまだ今もアスペンに滞在してガンバっている。アスペン音楽祭AND SCHOOLで貴重な体験を積みながら成長しているに違いない。今回掲載したアスペンの山景色はmieuにとってはもう庭のような風景であろうが、それもいいだろう。
今日の写真(下)は新宿西口エルタワー28階から撮った写真。ニコンカメラの修理が終わったのでニコンのサービスセンターで受領した後、撮影したもの。カメラの修理は予定より一週間以上早く完了した。これも心機一転のチャンスかも知れない。
   2017-08-13
8月14日(月)  <我が身仏になるのみならず ・・・>
「我が身仏になるのみならず 父母仏になり給う」。これは先日谷中に墓参りに行った時、寺の入口に掲示してあった言葉。日蓮上人のご遺文「盂蘭盆御書(うらぼんごしょ)」に記されたもので、私には少々意味は理解し難いが、日蓮上人自身が成仏すると同時に両親、先祖、子孫も成仏できることを説いたものだという。その解説の中で「自分の命は父と母から贈られたもの。その父母にも二人の親がいる。それが10代前には1024人の親がいました・・」という記述があった。その中の一人でも欠けると自分は存在しなかったという命のリレーとか不思議な縁をお盆に合わせて説いたものだが、 その数値に興味を持って検算してみた。2-4-8-16-32-64-128-256-512-1024と間違いなく1024人となる。ちなみに、日蓮がこの遺文を書いたのは59歳の時(享年は61歳/数え年)、今から737年前。それにしても”家系”を気にする柄でないにしても余りに先祖をしらないことは如何ともし難い。
8月15日(火)  <昨日から雨 ・・・>
昨日から雨が降り続く。月遅れのお盆と終戦記念日が重なる今日も全国的に雨だった。甲子園での高校野球も順延となり正午の「黙祷」の行事も見られなかった。こんな悪天候の中、我家には二組の夫婦が来宅してくれた。私たちより先輩である80歳前後の皆様はとてもお元気。何より、色々なことに興味があり、考え方が柔軟であるので大いに触発される。今の時代は年齢だけで人を決めつけてはならないと心底思う。80歳の人が50~60歳の人より意欲があり、考え、フレキシビリティがあることは不思議ではない。一方で80歳と言っても人様々。何でも他人任せの”お年寄り”も少なくない。いかに歳をとるかは、誰もが関心を持っていても、自分がどうなるかの保障はない。せめて見事な先輩方に恵まれたことを感謝しよう・・。
8月16日(水)  <今日も一日雨 ・・・>
今日も一日雨。8月に入って連続16日間雨が降った(晴れだった日も24時間、東京全域で見ると雨を記録)と異常気象がニュースになっている。テニスにも行けず、表紙に掲載したような「mieuへの絵手紙・虎の絵」を描いた。ペンで一応、虎とか竹の絵を描いたところで、時間もあったので、Photoshopのソフトを使ってバックに色づけして遊んだものも「今日の作品」コーナーに掲載してみた(一部下にも)。今なぜ”虎”と問われると、特に理由はない。実は京都南禅寺にある虎の絵を図録で見ているうちに、模写したくなっただけ。模写をするなら今はコンピューターで絵を取り込むことは容易だからペンを使わずに初めから画像を取り込んで加工することもできるが、そこはやはりペンを使い、筆も使いたくなる。コンピュータを使っても創作部分がなければ我慢ならないのが人なのであろう。

 2017-08-16
8月17日(木)  <雨上がりのどんよりした雲 ・・・>
雨上がりのどんよりした雲の下、久しぶりにテニスをやった。運動の合間に水と同時にビタミン+塩分のタブレットを舐める。今日の話題は”塩”。現代では塩分過剰は健康に良くないと警告される。思えば、人は随分と贅沢になったものだ。人間は紀元前の古代から塩の重要性を十分に認識していた。塩は生きていくために必要不可欠で塩の確保が人間社会で重要なテーマであった。貨幣と同等以上の価値があったと言われても今ではピンとこないが、日本でも戦国時代に上杉謙信の「敵に塩を贈る」が大美談になったし、先の大戦で終戦間際に南方のジャングルで生死を分ける行軍の際に塩のない悲惨さが語り継がれてもいる。「サラリーマン」という言葉があるが、サラリーの語源は古代ローマ時代に兵士に与えられた「塩」(ラテン語でsalarium)であるという(saltも同じ語源)。ちなみに、兵士=soldierの語源も塩と関係があるようだ。元来は兵士は塩を略奪されないように守る役割であったとか、塩代として兵士に支払われた賃金からきたともされる。過剰な塩分摂取をコントロールしようとする際に、人類の塩の歴史を少しでも思い巡らせよう・・。
8月18日(金)  <今日も昨日に続き・・・>
今日も昨日に続き午前中テニス。このところ雨が降らない時間が貴重に思えるので雨でなければ朝の7時半には家を出てテニス場に向かう。今日は入場前に久しぶりに新国立競技場の建設現場を見てきた。クレーンが林立している景色に魅かれて写真を撮り下に掲載した。煙突が並んでいる工場地帯やコンビナートの風景もまた良いが、クレーンの姿にはこれから出来上がって来るモノを予感させる力がある。新しく産まれてくるものが吊り上げられているように見える。古いものを壊さなければ新しいものが産まれない宿命をも考えさせられるクレーン群である。
 
2017-08-18新国立競技場建設現場   右は六本木のビル最上階
8月19日(土)  <先ほど猛烈な雷を伴ったゲリラ豪雨・・・>
先ほど猛烈な雷を伴ったゲリラ豪雨を初体験した。少々の雷雨ならいくらでも経験しているけれども、今夕のは特別だった。夕刻5時過ぎに、今晩二子玉川で花火大会が予定されているけれども、お天気は大丈夫だろうかなどと話しているうちに、空が突然かき曇ったと思うと、サンルームの屋根に猛烈な衝撃音。30~40mmの大きな雹(ひょう)の塊が降り注いできたのだ。これほど大きな雹をまともに浴びたことはない。雨風も強くなり1m先も見えない。雨も強いが風も強烈。ベランダの植木は全て横倒しとなり網戸まで外れてしまったが、外には出られない。その内、サンルームの室内に雨漏り、ベランダの排水溝が水量に追いつかずに水が溜まる・・。・・こんな調子でアタフタしながらテレビを付けると、テレビは暢気なものだった。NHKは高校野球、民放はグアムの北朝鮮対策、ニュースをやっていても安全なスタジオで”ところにより雷雨があるのでご注意ください”と原稿を読む。なるほど、マスコミ報道とはこんなものかと納得させられる。大雨被害など生死にかかわる災害であっても、マスコミはニュースのネタとするだけで当事者に何の援助も必要な情報も与えない。・・多摩川花火大会(世田谷&川崎)は中止と決まり、順延はないそうだ・・。
8月20日(日)  <一日を振り返ると今日はジグソーパズル・・・>
一日を振り返ると今日はジグソーパズルばかりをやっていた。外出もせずに家でシコシコと嵌め込み作業をやるのは健康にも良くないのだけれども、始めてしまうとブレーキがかからなくなる。このジグソーパズルは先日旅行したアスペンの土産で日本では見たことのないデザインが気に入っているが、何しろ1000ピースの大物。朝から晩までやったとしても一日で完成するものではない。1000ピースのジグソーパズルを完成させるために私が決めた原則は以下:期限を決めない、ノルマとしない、楽しみながらやりたいときだけやる、できる限り休み休みやる・・。まぁのんびりとやりましょう・・。
ジグソーパズルをやりながらテレビで甲子園で行われている高校野球の準々決勝の試合を流していた。全8校の試合を見ていて実によく打つのに感心。もちろんピッチャーも悪くはないが。今の高校野球のレベルは一昔前と全く異なっているのが分かる。ほとんどは将来できればプロ野球で生活しようかという少年で、昔のプロより力のある選手ばかりと言っても良いのでないか。その割に、今のプロ野球は何となく停滞しているようにみえるのは気のせいか・・。

8月21日(月)  <ヒトはどうして死ぬのか・・・>
「ヒトはどうして死ぬのか」という本(田沼靖一著、幻冬舎新書)を本棚で見つけて読み返した。6年ほど前に買って読んだことはあるけれども再読して面白かった。「生物はいつか死ぬ」のは当たり前のようだが地球の生物の進化過程からみると生とは別で死はかなり後になって現れたという。「生物の細胞がなぜ死ぬのか」は容易に答えられない問題のようだ。人体の細胞は毎日約200グラム(ステーキ一枚分)の細胞が死滅し、一方で死んだ分だけ細胞は補われる(毎日死ぬ細胞数は3000~4000億個)。これらは「再生系」と呼ばれる分裂・増殖する細胞であるが、一方で「非再生系」の細胞がある。脳の中枢の神経細胞や心臓の心筋細胞などで、生まれてから同じ細胞が生き続けるもの。ただし、神経細胞も大脳皮質で一日10万個とか一定の数が死滅する。ではなぜ再生・増殖できない細胞があるのか。それは人類としての種が継続するためのプログラムと説明されている。実際問題、ヒトが150年、300年生き続けたとしたら子孫は困ってしまうに違いない。
8月22日(火)  <京橋の画廊で開催されている・・・>
京橋の画廊で開催されている友人の絵画展を見に行った。私の通っていた(過去形!)陶芸教室では展覧会を一切開かなくなったので、このような展覧会が羨ましく思える(昔からの陶芸仲間はみな退会し、私も今新たな教室探しをしている最中だ)。人はどのような形であれ発表の機会がなければ作品を創る意欲が失せる。帰途、久しぶりに南青山の根津美術館へ寄った。企画展は「やきもの勉強会・食を彩った大皿と小皿」。この美術館では毎回催しもの以外に庭を楽しめる。今日はまさに真夏の庭。秋、冬、春、初夏とそれぞれの趣もいいが真夏の庭もこの時期独特の味わいがある。
 
2017-08-22 根津美術館の庭園
 
南青山の店舗風景
8月23日(水)  <「徳栄」 と書いて「とくはる」・・・>
「徳栄」 と書いて「とくはる」と読ませる恥ずかしいほど道徳的な学校名があると思っていたら、今や日本中の人が知ることとなった。今日の甲子園での高校野球、広島の広陵高校と埼玉の花咲徳栄高校の決勝戦は花咲徳栄が完勝だった。高校野球は試合の流れ、運・不運で勝敗が左右される一発勝負であるから見ていて面白い。今日は負けても明日勝てば良いというプロ野球よりも真剣さが伝わって来る。・・決勝戦の後の閉会式までテレビでみたが、最後に何か違和感が残った。メダルの授与や閉会の辞をすべて朝日新聞の社長が行うことだ。大昔に大阪朝日新聞が中等学校野球大会を主催してはじまった歴史があるにしても、いまだに「朝日」がしゃしゃり出ている。主催は朝日新聞と高等学校野球連盟というけれど、今の時代「高野連」だけの主催とするべきだろう。読売新聞の正力松太郎がプロ野球を創設したとしても、今のプロ野球は読売巨人軍だけを特別扱いはしていない。
8月24日(木)  <他人のことを不用意に批評・・・>
他人のことを不用意に批評してはならない。酷暑の中でテニスをやると、他人事でなく自らが信じられないミスを連発する。球を最後までしっかり見なさい、集中力を高めなさい、構えを確実に、スピードとコースの予測を怠りなく、あわてない、など批評されれば全てごもっとも。私もテニス歴は50~60年だから言われなくても自分では分かっているけれどもミスをするのだ。・・世の中に”批評家”と言われる人は多いが、批評家は相手を勇気づけるコメントができなければ意味がないと思っている。スポーツの評論家はそれなりに現役時代に実績のある人が論評するが音楽評論家、美術評論家、文芸評論家などは自分が実践できない分野でも堂々と論評する。批評によって相手が更に大きく成長するケースもあるから、善意の批評、飛躍のための批評はもちろん望ましい。それでは政治評論家はどうなのだろう。相手のことを考えるというより上から目線で論評をするケースも目立つ。いずれにしても実践者でない批評家はすべからく謙虚であるべきであろう。
8月25日(金)  <東海地震の予知・・・>
東海地震の予知に関連して警戒宣言の発令につながる「確度の高い予測はできないのが現状」と、これまでの地震予知のあり方を見直すことを専門家チームが結論づけたことがニュースで伝えられた。遅まきながら当然のことと思う。地震を予知して事前に防災対策をするなどまだまだ今の科学技術でできるものではないことは素人でも分かる。科学技術が進んだ現代でも自然のメカニズムを解明するにはほど遠い。地震よりもはるかに解明しやすいと思われる台風の発生や進路、豪雨の動きさえも大雑把な予想しかできないし、しばしば大外れする。”天の気”だから人間には予測は不可能だと気象予報士さんも開き直る。地球の内部に限らず、人間の身体の内部のことに関しても実は解明されているのはほんの一部と言っても良いだろう。健康に関連して身体のことは何でも分かったように解説されることもあるが、神経や脳を含めて”神秘”は深い。インターネット、GPSなど最先端の「道具」の開発は目覚ましいが、自然界の解明を過度に期待してはならない。
8月26日(土)  <暑い日が続くが秋はもう直ぐそこ・・・>
暑い日が続くが秋はもう直ぐそこまで来ている。一昨日神宮外苑でテニスをした時にプレーの邪魔になるほど赤とんぼがコート場を往き交っていた。家の側では赤とトンボはもちろん普通のトンボも見かけなくなった。毎年、秋が近くなると外苑のテニス場に赤とんぼが現れるので以前から不思議に思っていたがよくは分からない。確かに神宮の森には自然のままの池や水溜りがあるが外苑のコートまでは結構距離が離れている。トンボはどこで繁殖し生き延びているのだろう。理由はともかく、赤とんぼが都心で見られるのはうれしい。
明日から仙台方面に小旅行のため、コラム休みます。先月のアメリカ旅行にはパソコン持参でコラムも続けた。東京から1時間半ほどの仙台旅行でコラムは休み。こういう気楽さが良いと思っている。
8月29日(火)  <仙台をベースにしてレンタカー・・・>
仙台をベースにしてレンタカーで周遊した旅行から先ほど帰宅した。今朝は6時過ぎに北朝鮮が日本の東北地方、北海道などの方面にミサイルを発射したというアラートで起こされたが松島観光は予定通り実施。今日のところは写真掲載で雰囲気だけを残したい。
 
2017-08-27 秋保(あきう)大滝(同じ滝を上部からと滝つぼから)   右は大崎八幡宮(国宝)
 
2017-08-28~29 瑞鳳殿(伊達政宗の霊屋)    右は松島の一部
8月30日(水)  <東京は今日も30℃・・・>
東京は今日も30℃を越す暑さ。その上ほとんど風がなかったので蒸し暑く、午前中のテニスでは水ばかり飲んでいた。ところが夕刻からは一転して激しい雨。明日は最高気温が26℃と報じられている。この夏は猛烈な暑さと思えば、雨が続いたり不順な気候だったけれども、時は確実に秋へ向かう。「夕方の 前ぶれ雨や 紅蜀葵」(中村汀女)
下にまた昨日船で遊覧した松島風景を掲載。

8月31日(木)  <読書の秋が近づいた・・・>
読書の秋が近づいたが、最近は新刊書を買うことも稀になった。バスや電車で移動する際にi-PhoneのKindle(電子図書)で本を読むのは好きだが動く車内では長くは続かない。そうかといって、家で電子図書を読むのは性に合わない。そこで活字を見たくなるとつい本棚の古い本を読み返す。先ほど司馬遼太郎の「風塵抄」を読み直すととても面白かった。最近の作家にはない味を感じた。司馬遼太郎のことを私は無条件に尊敬する理由の一つに、1991年にソ連が崩壊するほぼ一年前に、司馬遼太郎が大領土を保有するソ連の問題を指摘してソ連が「四分五裂する恐れがある」と明言していることだ。事後の解説者はいくらでいるが、これほどはっきりと文章に書いて先を予測し的中させた人を他に知らない。その時点で同じく大領土を有する中国にも触れているが、方やますます領土を拡張する中国について司馬遼太郎が存命なら何を語るだろう・・。


これまでの「今日のコラム」(総括版)に戻る

 Menu + Picture + Ceramics+ Gallery + Corgi + Special + Links