「今日のコラム」(2018年 9月分)

9月1日(土) <”向う三軒両隣”・・・>
”向う三軒両隣”という言葉があるが、ご近所付き合いの快適さが生活の質を左右する。今日、お向かいのテニス場のスタッフからいつもお世話になっていますと丁寧にチョコレートセットをいただいた。こちらこそ綺麗に掃除していただいてお世話様ですと返した。確かに早朝にゴミ出しをする際に”向う三軒両隣”の道路を掃除することを習慣としているが、お向かいのテニス場のスタッフは昼間、頻繁に木の葉などを掃除するし、樹木の世話を欠かさない。近所は”ゴミ屋敷”と無縁であるのが本当に有難い。今日、息子の墓参りに行った際も、いつものようにこちらの墓の周囲、数軒分の通路を掃除した。特別の労力でなく墓掃除の延長。逆に他の人がこちらの周りを掃除してくれていることはいくらでもあるだろう。性分としては他人の目のある時には余分な掃除はしない。早朝に人知れずやったつもりの掃除がお向かいのスタッフさんにどうして知れてしまったのかが少々気になった。
 
2018-09-01 墓参りに行った九品仏浄真寺境内(東京・世田谷区)


9月2日(日) <今日は妻の誕生日・・・>
今日は妻の誕生日。歩いて自由が丘方面に行き”フカヒレ”を食べさせてくれるレストランでランチをした。誕生日祝いなら歩いて行く場所でなく立派なレストランを予約して、せめてデイナーにしたらと言われそうだが、二人とも不満はない。妻は年齢の割には元気でやることも多く忙しい。それでも三食の食事は全面的に妻に任せているので、余り口には出さないけれども、”お陰さま”と感謝の気持ちは強い。人の健康状態はほとんどが食事で決まる。連れ合いの作る食事のバランスで体調も寿命も左右されるのは間違いない。もう一つ、日頃密やかに感謝しているのは妻はテニスや陶芸その他私のやることに口出しをせず応援してくれることだ。前回の陶芸展で大きな作品を運搬する際に妻が手伝ってくれたのをみて陶芸仲間から”オクサマが手伝うのは珍しい”と羨ましがられた。男が陶芸を続けていると家にいる奥様から不用なガラクタばかりを持って帰らないでと言われた話しを何度聞いたことか。・・こんなことを書きながら、せっかくならば今日という日に「花束」などを準備してサプライズの演出をしてもよかったかと気がついたが後の祭り。もう少し早く頭を働かせよ・・。


9月3日(月) <表紙に「Mieuへの絵手紙・九品仏山門」・・・>
表紙に「Mieuへの絵手紙・九品仏山門」(ペンと水彩)を掲載した。この九品仏浄真寺(東京・世田谷区)の山門は仁王門(別名紫雲楼)とも呼ばれ、寛政5年(1793年)創建とされる。左右に仁王像、そして楼上には阿弥陀如来と二十五菩薩像があり、普段は仁王像しか見られないが、特別の時には上の窓が開けられて阿弥陀如来を拝謁できる。息子の墓が九品仏浄真寺にあるので、月に一度はこの山門を通り墓参りをしている。昨日が月命日であったが、一昨日の土曜日に墓参りをした。残暑が続いているが山門周辺には秋の気配が感じられた。間もなく紅葉の季節には境内の樹木が美しく色づく。春の桜も見事だ。一年中、この山門を通りながら時々の季節を楽しむことが出来るのは息子の”お陰さま”・・。


9月4日(火) <台風21号・・・>
台風21号が非常に強い勢力で正午頃に四国(徳島)に上陸し、近畿地方を縦断、夕方には日本海側に抜けてなお能登半島近辺を北上中。東京でも終日断続的に風雨が激しく吹き荒れた。・・今日は以前から懸案であったパソコン内の写真を大整理した。私の場合、iPhoneなどデジカメで撮影した写真はMacパソコンの「i-Photo」に保存してきた。「iPhoto Library」というソフト内に保存されるのであるが、これをパソコン外のハードデイスクへ移し、パソコン本体の負荷を減らした上で新しいiPhoto Libraryを動作させるだけであるが、意外にスムースにできず悪戦苦闘した結果何とか思った通りに完了した。2014年までは外部ハードデイスクの中にデジタル写真のファイルを年毎に作成して保存していたが、今回の処置により2015~2018.8/Eまでを外部ハードデイスク内のiPhoto Libraryで一括保管となった。この分だけで実に容量は56GB。これだけの容量、パソコン本体のストレージを減らしたことになる。最近のデジタル写真データは余りに安易に撮影できるので保存すべき内容か否かに拘らず膨大な量の写真データがパソコン内に溜まる。外部のハードデイスクにしたところで将来に誰の目にも留まらぬ膨大なゴミ箱ではしようがないなぁと、少々考えさせられる・・。


9月5日(水) <母が2歳の頃の写真・・・>
母が2歳の頃の写真を見つけた。以前、古い写真をデジタル化してパソコンの外付けハードデイスクに保存していたものだ。この写真は明治45年(1912年)に撮影されたもので、母の両親が一緒に写っている。母の両親、つまり私の祖父母は私もよく覚えているが、イメージとしてはお爺さん、お婆さんの姿である。ところが、写真の母の両親は共にカッコいい。特に父親は丁度夏目漱石の写真と同じような口ひげをはやしている。随分と貫禄があるが、生まれ歳から算定すると、この時には33歳。2歳の娘を温かく見守っている様がよく分かる。ちなみに母が生まれた頃には気象台の台長をしていて毎日天気予報を出していた話しを聞いた。母が生まれた1910年(明治43年)にはハレー彗星が地球に大接近した年で、母の父は娘に「とし」(ハレー彗星の”年”の意)と名前を付けて、生まれて間もない赤ん坊を抱いて一生懸命に彗星を見せたという。ハレー彗星が次に地球に近づくのは76年後だと言い聞かせたのか・・。母、とし(子)は76年後のハレー彗星を見た翌年、77歳で亡くなった・・。


9月6日(木) <久しぶりに五島美術館・・・>
久しぶりに五島美術館(=ここ)に行った。「禅宗の美術と学芸」という地味な展覧会。特集展示として当館所蔵の日本陶器の名品も同時に公開されていた。毎回、日本の歴史に残る美術品に感銘を受けるのはその自由奔放さである。中国などをお手本にした教科書的な作品とは別個に独自な美の世界を多くの人が平然と造り上げている。今回の展覧会でも白隠慧鶴(はくいんえかく)や一休宗純の展示物(禅画や墨蹟)の何と伸びやかなことか。陶芸作品では重要文化財である「古伊賀水差し<破袋>」があった。これは文字通り破れたり壊れたりしている水差し。欧米ならば出来損ないの不良品として捨てられるものが、茶道の場では”景色がよい”と珍重された。封建社会と言われた時代に拘束されない文化が育まれた素地が興味深い。・・今日の午前3時8分頃、北海道で震度7の大地震が発生。昨日来の四国・関西地区を襲った台風被害の報道はどこかへ行ってしまい、終日地震のニュース。テレビ、マスコミに注文を出してもしようがないが、いつもながら、どの社も余りにワンパターン。このままではテレビも衰退の道に向かうぞぇ・・。
 
2018-09-06 五島美術館庭園にて


9月7日(金) <ホオズキを描いた絵手紙・・・>
ホオズキを描いた絵手紙を8月12日の表紙に掲載した(8/12コラム=ここ=参照)。今日はその後、絵を描き終えたホオズキを水につけて毎日水を交換しながら、周囲の赤い皮をはがして編み目状にする作業を続けた結果の写真を下に掲載する。もう一息更に徹底して網目状を作り上げる予定であるが、思った以上に編み目がうまく出来ているので途中であるが「今日のホオズキ」を掲載してみることにした。網目状のホオズキを作る手法は大昔に開発されて伝承されているのだろう。私は人生初めての体験で編み目ホオズキ作りを楽しんでいる。水の中の編み目や中心に残っている赤い球を見ていると時間を忘れる。

2018-09-07今日のホオズキ(水の中)


9月8日(土) <「ウェス」という言葉・・・>
「ウェス」という言葉を我家では当たり前で使う。「ウエス」と書いた専用の箱もある。「ウェス」はいわば”ぼろ布”のこと。Wikipediaでは「機械類の油を拭き取ったり、汚れ・不純物などを拭き取ってきれいにするために用いる布」と解説されている。「ウエスは、Waste(英語ウェイスト:無駄・くず・ぼろ・廃棄物)から、訛ってウエスと呼ばれるようになった」ともあるように、語源はWasteである。今日、ユニクロで購入したジーパンの裾を上げてもらった際に「ウェス」で使うからと先端の端材もいただいてきた。その時に店員さんに「ウェス」ってご存知ですかと聞くと知らないという。説明すると、知りませんでした、覚えておきますと素直に応じた。私もほぼ50年前にウェスという言葉を初めて知った。当時機械の設計を担当していたが機械のメンテナンスをやる現場にでたところ”ウェス”という言葉が頻繁に出て来る。これがWasteからきた布のことと分かるまでしばらく時間がかかった。最近はウェスといってもリサイクル品や新品のウェスも製造されるようだが、我家では使えなくなった下着、古着類は洗濯した後ウェスとして活用する。以前愛用したテイーシャツが雑巾になっていると”ごくろうさま”と言って使う・・。


9月9日(日) <表紙に「Mieuへの絵手紙・網入りホオズキ」・・・>
表紙に「Mieuへの絵手紙・網入りホオズキ」(ペンと水彩)を掲載した。一昨日、9月7日に写真を掲載した「網入りホオズキ」をその後、更に皮を剥がして、絵手紙として描いたもの。前にも書いたが「網入り」とするために水の中に入れて毎日水を交換しながら少しずつ赤い皮を剥がして一ヶ月近くを経て今のような状態になったのであるが、水に入れなかったホオズキは未だに”赤”が美しく残っている。今日その内の一つを撮影したのが下の写真。俳句では「ほほずき」、「鬼灯」は秋の季語という。さすがに”編み目”を詠んだ詩はほとんど見当たらないが”ホオズキ”の句は多い。「鬼灯の少し破れたるぞ口をしき<正岡子規>」、「鬼灯はまことしやかに赤らみぬ<高浜虚子>」、「枯るる中ほほづきはおのが網の中<山口青邨>」。

 2018-09-09


9月10日(月) <全米オープンテニス・女子シングルス決勝戦・・・>
全米オープンテニス・女子シングルス決勝戦で大坂なおみがセリーナ・ウィリアムズに6-2,6-4で勝ち初制覇した。日本人が全米オープンテニスで優勝したのはもちろん初めてで歴史上の大快挙だ。大坂なおみは大阪生まれで父親はハイチ系アメリカ人、母親は日本人の20歳。4歳からアメリカに住んでいるので日本語は片言で英語が堪能だが18歳のときの国籍選択で日本国籍を選んだという。大坂なおみを見ていると、この二年、一年、半年の短期間で目に見える進化が凄い。180cmの身長から強烈なサーブが武器とされながら一時はミスショットで自滅したり安定感に問題があるように見えた。それが、このところのテレビ解説でも言われているがコーチとなったドイツ人のメンタルな面でのアドバイスが効いたのかも知れない。プレー中の我慢を覚えたし、集中力を切らせない冷静さもある。世界の4大大会で優勝回数23回という36歳のセリーナが今回の決勝戦で審判の判定に激昂したりラケットを圧し折ったりする乱れ方をしたのに対して、20歳の大坂なおみの何と平常心であったことか! 優勝インタビューの場ではセリーナ応援の観客の前でセリーナに感謝し称えるスピーチをして世界中に感動を与えた。20歳の大坂に日本人の良き謙虚さのDNAが見えて何かうれしい・・。


9月11日(火) <最近のテニスでは”ゆるめる力”・・・>
最近のテニスでは”ゆるめる力”を意識している。以前は”無理をしない”ことを専ら言い聞かせていた。調子に乗って必要以上に強打をしたり思い切り力を入れた時に限って肘や膝を痛めた経験があるので、”無理をしない”ことが一番と自制していたのである。”ゆるめる力”は10年ほど前に評判になった本「ゆるめる力 骨ストレッチ」(松村卓著)からいただいた。筋トレで筋肉強化を計るのでなく骨の使い方を知れば本当の力が発揮できるという視点だ。「力を入れるより力を抜く、身体を固めるよりゆるめる」をポイントとする。実際にゆるめる力をプレー中に意識するとゆとりができて集中力も高まるしミスも少なくなる。臨機応変に対処できる一方で間違いなく”無理をしない”ことにもなる。このところ、テニスや運動だけでなく”ゆるめる力”は生活全般にも応用できるのでないかと思い始めた。”ゆるめる力”には”ゆるめる”だけでなく”力”が入っている・・。


9月12日(水) <「桐一葉落ちて天下の秋を知る」・・・>
「桐一葉落ちて天下の秋を知る」。今朝の気温は20℃ほどで急に涼しくなった。猛暑の後でも秋は確実にやって来ると思いながら、神宮外苑駅を出てテニス場に歩いて行く時に「アオギリ(青桐)」の街路樹を見つけて冒頭の句を思い出した。この句は豊臣秀吉の忠実な家臣であった片桐且元(かたぎりかつもと)が豊臣家最期の頃に秀頼、淀君から離脱するときに詠んだ句とされ、写実ではない。桐は豊臣家の家紋でもあり豊臣終焉を察知した句だ。桐にも白桐と青桐(梧桐)がある。白桐は箪笥などの木材として重宝され、家紋にデザインされているのも白桐の花。青桐は都心の街路樹で使われるほどポピュラーであるが、共に葉が非常に大きいので一葉落ちると目立つ。俳句で詠まれるのは大抵青桐のようだ。「桐一葉日当りながら落ちにけり」(高浜虚子)、   「夏痩の骨にひびくや桐一葉 」(正岡子規)。

2018-09-12 神宮外苑にて


9月13日(木) <江戸中期の禅僧、白隠慧鶴・・・>
江戸中期の禅僧、白隠慧鶴(はくいんえかく=1686~1769)は達磨の図など独特の禅画や墨蹟でも知られるが、73歳の時に「夜船閑話(やせんかんな)」という本を著している。本書は”内観”による禅の健康法ともいうべき著作で、現代語に翻訳された本が多く出版されるほど今の健康法と通じるところがある。一部引用して記してみよう:「一身の元気をして臍輪気界、丹田腰脚、足心の間に充たしめ、時時に此観を成すべし・・」。お臍(へそ)の下の丹田(臍下丹田)は気が満ちる場所(気界丹田)であり、そこに意識を集中させることにより「気」を巡り回して心身共に健康にしようという法。現代の骨ストレッチや腹式呼吸などとも通じるところが興味深い。健康法に昔も今もない・・。

2018-09-13義兄の墓参りに行った谷中の瑞輪寺(下の石仏は他の寺)


9月14日(金) <創作物が時代を超越・・・>
創作物が時代を超越して人に影響を及ぼすことは多い。何百年も前の仏像や建築、書画、絵画に至るまで生前に作者が想像もしなかった後世まで人を感動させる。形あるモノ以外に著作物もまた時代を超えた宝物になる。紫式部や清少納言は当時の殿様の名前以上に現代の世に知られ歴史を彩る。最近、風呂に入りながらゆっくりと本を読むときに、新しい本ではなくこれまで何度となく読んだ著作を繰り返して繙いていることに気がついた。例えば、司馬遼太郎(1923~1996/作家、評論家)とか池田弥三郎(1914~1982/国文学者)といった今は既に亡くなってはいるが姿も声も馴染みがあった人の著書だ。この人たちの書いているものを読むと全く時代のギャップを感じさせない。大袈裟な"古典”と呼ばれなくても、世の中には歴史の遺産とも言うべき名著が溢れている。美術品も同じ。世評だけに左右されずに自分の目で見ると知られていない名品が新たに発見できるかも知れない・・。


9月15日(土) <安室奈美恵さんが明日・・・>
安室奈美恵さんが明日故郷の沖縄での公演を最後に引退する。日本屈指のアーテイストである安室奈美恵が一年前にこの日の引退を公表し、いよいいよその日を迎えることとなりマスコミも大特番を組んで忙しい。引退と言っても安室奈美恵さんは1977年生まれで40歳。20歳の時に長男を出産し、その3年後に離婚したが息子さんは現在20歳となり京都の大学に通っているという。安室さんがこれからどのような道を歩むのか知らないが何とも爽やかな方向転換を感じる。今、世の中で話題が続出している体育系のパワハラ問題などはほとんどは地位にしがみつく老害が根底にある。老害とまでは言えなくても70,80歳を越してなおテレビで醜態をさらす芸能人は多すぎる。新陳代謝があるところに活力が生まれる。安室さんは若すぎる引退であるだけに逆に今後の活躍を大いに応援したい・・。


9月16日(日) <明日から一週間スペイン旅行・・・>
明日から一週間スペイン旅行にでかける。スペインには私はこれまで一度も訪れたことがない。以前から行きたいと思いながらチャンスがなかった。今回の旅行はツアーに加わり、それもスペインだけの決まったコースを巡るので気楽ではあるが、さてどうなるか。Wi-Fiは持参せずにホテルの設備任せにするので、ノートパソコンは持って行くもののコラムの更新が出来るかどうかは成り行き次第。このところ創作のアイデイアも枯渇気味で低調なので、スペインの文化が刺激を与えてくれることを期待している。では、行ってきま〜す!


9月17日(月) <今、スペイン・マドリッドの宿・・・>
今、スペイン・マドリッドの宿にいる。成田空港からイベリア航空の直行便でマドリッドまで13時間30分。長旅であったが、ロシアの北極圏ーフィンランドースエーデンードイツーフランスの上空をひとっ飛びしてスペインに至る航空路を体感できた。それにしても今ホテルのWi-Fiを接続して、コラムを世界に発信できたりスペインで日本の新聞ニュースを当然のごとく見ることが出来るインターネットという仕組みに今更ながら感歎する。・・明日からは観光だ・・。


9月18日(火) <今はトレドの宿・・・>
今はトレドの宿にいる。朝から半日はマドリードのプラド美術館などマドリードの観光。その後約70kmバスで移動してトレドの街や教会を見学した。トレド市街をよく歩き歩数計では一万歩ほど。明日のためにも早々に就寝して疲労回復しなければならないと、今日は下の写真掲載まで・・。
 
2018-09-18トレドの街遠景  右はトレドの大聖堂(カテドラル)


9月19日(水) <先ほど夜の11時過ぎにグラナダ・・・>
先ほど夜の11時過ぎにグラナダでフラメンコのショウを見てホテルに帰ってきた。今朝、トレドをバスで出発して、途中ドン・キホーテゆかりの白い風車などを見学し約5時間かけてコルドバまで行った。コルドバでは世界遺産のメスキータ(モスク・イスラムのモスクにキリスト教の建築が追加された巨大な宗教施設)が想像以上に迫力があった。その後、コルドバから更にバスで3時間かけてグラナダに着いた。グラナダ観光は明日となる。今日もポイントとなる一部の写真を下に掲載する。
  
2018-09-19 右はメスキータ内部(@コルドバ)


9月20日(木) <今、セビリアのホテルで夕食・・・>
今、セビリアのホテルで夕食を終えたところ。今日は朝からグラナダのアルハンブラ宮殿(&ヘレナリーフェ庭園)を観光。その後、グラナダの南方約154kmにあるミハスまでバスで2時間余をかけて移動。白い街として有名な地中海沿いにあるミハスの街を楽しんだ。更にミハスから3時間30分を掛けて243kmの位置にあるセビリアに夕刻到着した。今日もまたそれぞれの感想を綴るゆとりはないが、このところ何かに付け歴史の重さを考えさせられる。


2018-09-20 グラナダ・アルハンブラ宮殿にて  右はミハスの街風景


9月21日(金) <今日は朝からセビリアの市内観光・・・>
今日は朝からセビリアの市内観光。スペイン王室の宮殿であるアルカサルにも行ったが、やはり圧巻は世界遺産のセビリア大聖堂だった。スペイン最大のカテドラルであり、世界最大のゴシック建築大聖堂といわれる。ヒラルダの塔と呼ばれる中央の塔は高さ96m。この塔の頂上まで歩いて登るとセビリアの街が一望できた。夕刻にはセビリアからバルセロナへ飛行機で移動(所要時間1時間35分)。今はスペイン旅行最後の地、バルセロナのホテルでくつろいでいる。
 
2018-09-21 セビリア大聖堂  最右がヒラルダの塔

 ヒラルダの塔頂上から見たセビリアの街


9月22日(土) <今日スペイン旅行最後の日はバルセロナ・・・>
今日スペイン旅行最後の日はバルセロナ。以前からバルセロナを訪れたいと思い続けていた。バルセロナのハイライトはやはりガウデイ。今日はサグラダ・ファミリアを初めガウデイ建築を存分に楽しんだ。サグラダ・ファミリアは思っていたより建設が進行しているし、やはり歴史遺産を今建設中である緊迫感が生で伝わって来る。サグラダ・ファミリアの他グエル公園などガウデイの作品群をも堪能した。先ずは写真掲載とする。
 
2018-09-22 今の(建設中)サグラダ・ファミリア

 夜のサグラダ・ファミリア


9月24日(月) <今日の昼、無事に我家へ帰着・・・>
今日の昼、無事に我家へ帰着。わずか一週間のスペーン旅行だったが内容は豊富だった。イスラムとキリスト教が混在した強烈な歴史遺産だけでなく現代も続くスペインのエネルギーも実感した。バルセロナにある建築家ガウデイのサクラダ・ファミリア(聖家族教会)は余りに有名だがガウデイ死後今も続けられて変容が続く建設現場が中でも興味深い。一時は完成まで300年かかると言われたサクラダ・ファミリアは、その後の膨大な拝観料収入などにも支えられて建造が急ピッチでガウデイ死後100年目に当たる2026年には完成するだろうとされている。8年後のこの時にまた見学できれば最高だが・・。ガウデイの作品はサクラダ・ファミリア以外にもバルセロナの街でいくつか見られた。今日の写真には教会と別のガウデイ作品を掲載する。
 
2018-09-22 見学分  左=カサ・バトリョ   右=グエル公園にて


 9月25日(火) <今日しか行くチャンスがない・・・>

今日しか行くチャンスがないので時差ぼけの冴えない頭を抱えて雨の中「渡辺省亭」の展覧会を見に行った(@京橋、加島美術)。渡辺省亭(1851~1918)は明治期に活躍し”近代日本画の原点を作り上げた”が、他の日本画家と比べてそれほど知名度がなく”歴史の狭間に埋もれた幻の大画家”とされる。最近、急速に注目を浴び再評価されている。それにしても、昨日までさんざん目にしたスペインの強烈な色彩やエネルギー溢れる造形物と比べて何と心休まる絵画だろう。そうかといって発するエネルギー量は決して負けていない。静かな中にもパワーがみなぎっている。人は画一的でなく文化が違い感性も異なるから面白い。スペイン文化に接した直後に日本画を見たからこそ見えるものも多かったように思える。


2018-09-25 渡辺省亭展覧会より

9月26日(水)<朝6時25分からのテレビ体操をやり・・・>
朝6時25分からのテレビ体操をやり夜就寝前のWii(任天堂ゲーム機)によるバランス計測をすると日常の生活リズムに戻った気になる。その意味からは昨日の夜から旅行モードが日常モードに切り替わった。今日は雨でテニスはお休み。その代わりに制作はしないが早速に陶芸教室にも顔をだし完成品を受け取ったり、10月に予定されている陶芸展の案内ハガキをもらったりした。これからは案内も含めて展覧会の準備でやることが山積している。久しぶりに昼食前にトランポリンをやると身体はよく動き順調だった。スペイン旅行中には毎日一万歩以上を歩く日が続いたので運動不足はなさそうだ。雨とはいえ気温20℃の過し易い秋の到来・・。


9月27日(木)<終日の雨・・・>
終日の雨。今日の成果は昨日できあがった陶芸作品の修正加工か・・。陶芸作品といっても一辺が100mmの立方体を削り込んで制作したブロック8個からなるセット作品。ブロックの形状によって3点でサポートして釉薬をたっぷりつけて焼成したところ流れ易い釉薬で三つのサポート点の根元に釉薬が盛り上がって仕上がってしまった。組合せのセットとするためには盛り上がりは不都合。思案のあげく不要な釉薬をヤスリで削ることにした。先ず、近所の工具店でダイヤモンドヤスリを3本購入。後はシコシコと出っ張りを削った。陶器の表面を部分的とはいえヤスリで削る作業など初めてだ。一つの発見はヤスリで釉薬部分を削っても母材まで達しなければ削り後の色は釉薬色が保たれること。更に細かく研磨するとガラスを磨くのと同じでヤスリ傷も目立たなくなる。手間ひまかければ陶器もまた表面加工が出来るという当たり前のことを体験した。


9月28日(金)<朝6時54分神宮外苑駅着・・・>
朝6時54分神宮外苑駅着、駅前のファーストキッチンでモーニングサービスの朝食。7時30分頃には食べ終えるが8時までデスクワークで時間つぶし。それからテニスコートの受付前に順番とりの荷物を並べて開門を待つ。・・珍しくテニスコートの側で朝食をとった今日、メモにはこんなことを書いていた。久しぶりのテニスは雲一つない快晴の下、存分に走り回った。・・運動は身体を動かしている瞬間だけではなく、その準備段階から脳が活性化しているように思える。気持ちのよい疲労感が味わえる環境全てに感謝・・。


9月29日(土)<数学を応用して陶芸で独特の形状を創る・・・>
数学を応用して陶芸で独特の形状を創るやり方をアドバイスいただいた方(80歳過ぎの男性)に一年振りに陶芸展の案内を出したところ奥様から末期癌で治療中との返事がきた。健康に関しては誰もが予断を許されない。以前、将棋の米長邦雄名人が前立腺癌を患った時の経緯を記録した「癌ノート」という本を読んだことがある。米長名人は癌が発見されると独自に研究調査を行い治療の「最善手」を選択してついには完治させて退院する。「前立腺癌との一局を終えて」などと本の最後を飾る言葉が華やかだった。けれども、その三年後に米長は再発した癌で言葉もなく68歳で亡くなった。健康で調子のいい話を聞くといつもこの話しを思い出す。私の体調も今は問題ないと言っても何時どうなるかは神のみぞ知る。全く分からない。逆に、癌を患った知人には何とか回復して欲しいと思うものの、祈る他の術を知らない・・。


9月30日(日)<テレビで俳句の番組を見る・・・>
テレビで俳句の番組を見る機会が増えた。日曜日の早朝6時35分〜7時00分の「NHK俳句」は毎週選者が代わりそれぞれの選者の違いを楽しめる。今朝の”俳句さく咲く”は芸能人数人が句会や吟行を行い選者が添削・指導を行う。TBS系の「俳句プレバト」はゴールデンアワーのバラエテイー番組でもある。芸能人が参加する他の”プレバト”に水彩画や生け花などもあるが、私は俳句番組が好きだ。この番組で有名になった夏井いつきさんは毒舌で売っているが、その添削が抜群に上手く、素直に納得させる力がある。考えてみると「俳句」とは実に日本的な特殊な文化だ。先ず、季語が定められるほどに四季がある国でないと成り立たない。5−7−5という短い言葉で心情、風景など無限の広がりを表現する詩。俳句とは無縁であった芸能人が実に達者な俳句を直ぐに詠むようになるのはどのような文化の土壌があるのだろうと感心する。先週、9月27日の俳句プレバトのタイトル戦で梅沢富美男(俳優、歌手、タレント)が連覇したときの句:「廃村のポストに小鳥来て夜明け」。今回は無理のない自然な句を詠んだ。




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