「今日のコラム」(2020年 4月分)

4月1日(水) <今年の4月1日は朝から冷たい雨・・・>
今年の4月1日は朝から冷たい雨。新年度の幕開けは新型コロナウィルスで先行きの分からぬ憂鬱なスタートとなった。個人的には趣味としているテニスも陶芸もウィルスの感染を防ぐためそろって休場中という事態。桜は満開であるが、自宅待機の要請に照応するような雨が何ともいいタイミングだ。・・世界中で非常事態が続く新型コロナウィルスの騒動で改めて思い知らされるのは、昔では考えられなかった膨大な人々が国を越えて交流しているのが現代だということ。国境を封鎖されて初めてこれほど多くの人が毎日国境を越えて行き来していると驚く。一方で今は国境関係なしに一般人が外国の知人と自由に通信をして情報を交換することが出来る。自宅待機で学校が休校になっても、通信を使っていくらでも勉強できる。国境を越えて通信で”学ぶ”ことも現代では容易だ。国のトップ同士の会談でもテレビや電話で十分に用は足りる。国を越えて移動する人々は観光旅行か親善旅行かの人が大部分と見えないこともない。直接握手をして接触を深めることに意義があるのが海外出張であったり・・。そうはいっても、個人でなく見世物のチーム(スポーツや舞台芸人など)は通信ではなく実際の移動が必要か。・・外出自粛でチームプレーをするテニスはどうしようもないが、陶芸はその気になれば家でもいくらでも出来ることを実感している。


4月2日(木) <今日は息子の命日・・・>
今日は息子の命日。妻と手作りのケーキと飲み物、弁当を持って墓参りに行った。息子が逝ってからもう11年も経った。治療中の病院では2月に臨終かという日が続いたが、奇跡的に持ち直し、4月まで命を長らえた。その日は桜が満開。桜が咲くのを待っていたかのような最期だった。今日もまた寺の境内の桜は満開で、新緑の緑色が桜とマッチして絵に描きたくなる風情。墓の周囲を掃除した後、ケーキを供えて昼食とした。ゆったりとした時間を墓前で過しながら、現実の新型コロナウィルス感染で問題になりそうな他人との接触は一切なし。諸々を考えると感無量、そして今私たちが元気に生きていることには感謝の念が湧く。「さまざまのこと思ひ出す桜かな」(芭蕉)・・。
 
2020-04-02九品仏浄真寺(東京・世田谷区)境内にて
4月3日(金) <今日は、バスにも電車にも乗らずに花見・・・>
今日は、バスにも電車にも乗らずに花見をしてきた。コロナウィルスの感染防止で外出自粛といっても少しは動かなければならないので、家から緑道だけを通って緑道沿いの花見をした次第。緑道は世田谷区の桜新町近辺を水源とする呑川が目黒区〜大田区を通り東京湾にそそぐ二級河川に沿って作られた道で我家の近辺の目黒区を通る緑道は全て暗渠で川は見えない。満開の桜に感激して写真を撮ったりしながら歩いていると時間を忘れる。一時間足らずで大岡山の東京工業大学まで着いてしまった。東工大は桜の名所として知られる。といっても校内に電車も通過するなど広大な敷地を持っているので裏門から入り正面の桜並木までは更に相当歩く。名所と言われるだけあって、満開の桜は素晴らしいが、やはり珍しいほど人が少なかった。帰路も同じようにまた緑道の桜並木を通って歩いて帰った。往復で二時間足らずであるので、テニスの運動量と比べると楽勝か。ウィルスの感染を危惧するような人との接触も皆無。テニスの休場期間はこの手の散歩をしようかと味を占めた・・。
 
2020-04-03呑川緑道にて
 
東京工業大学構内にて
4月4日(土) <表紙に陶芸作品「球体花器B」を掲載・・・>
表紙に陶芸作品「球体花器B」を掲載した。陶芸教室で焼成が終わった状態の球体花器(前回掲載A)ではどうしても不本意なので、家に持ち帰り色々と手を加えたもの。写真で見ると違いが分かり難いが、自分なりに家で可能な限り”改良”を試みた。テニスも陶芸教室も休業である昨今、このような家で出来る作業はいくらでも時間がとれる。釉薬を上掛けして家にある電気窯で焼成したところ大失敗するなど悪戦苦闘しながら最後には家庭用のオーブンレンジで色を固着するやり方(楽焼きマーカー)まで使った。文様が多い、このような作品は一葉の写真で表現するのは難しいと痛感する。・・昨日に続いて今日もまた大岡山の東工大まで歩いて花見に行った。今日は妻と一緒で弁当持ち。妻の写真を撮ろうと思うと花吹雪でシャッターが押せないほどだった。昨日と今日では花の散り方が大違いだ。「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかわ」(親鸞)。

 
2020-04-04 東工大校内にて
4月5日(日) <東京都で今日一日の新型コロナウィルス感染者・・・>
東京都で今日一日の新型コロナウィルス感染者が143人とこれまでの最多となり、2日連続で100人を越したという。<ちなみに現時点で日本での感染者累計3700人余、米国では感染者累計31万人> 外出自粛で感染を防ぐ山場でもある今日の日曜日、当方はパソコンを操作してアルバムを制作するなど、外出せずにできる作業がいつになくはかどる。それでも午後には気分転換で近所の道を少し歩いてきた。道端の花の名前を一つ一つ言ってみながら巡っていると、一つ非常に珍しい赤い植物を見つけた。これまで見たことがないし、もちろん名前は知らない。写真を撮って家で調べてみたが、どうしても名前が分からなかった。下に掲載する三番目の写真がそのもの。不本意ながら<名前分からず>としたが、どなたか、名前が分かればお教えいただきたい・・。
 
2020-04-05 山吹ーシャガー<名前分からず>ーハナニラ
4月6日(月) <新型コロナウィルスに関連して安倍首相が・・・>
新型コロナウィルスに関連して安倍首相が明日7日にも「緊急事態宣言」を発令する意向であると報道されている。このような時に公共機関のバス・電車を使用することはないし、繁華街にも出歩かない。けれども、今日は車で妻の実家方面に外出して滅多にないほどの肉体労働を数時間続けてくたくたになって夕方帰宅した。畑仕事でもなし、庭仕事でもなし、説明し難いが鍬(くわ)やスコップ、金槌などを駆使して砂利の山を整備する作業。他人との接触は皆無であっても体力を使った。帰宅後直ぐに風呂に入りリフレッシュ。ここで初めて”くたくた”が心地よい疲労に変わった。労働の成果が見えたこと、そして何より妻が喜んでくれたことがやりがいとなった。ウィルスにも負けてはならぬ・・。
4月7日(火) <妻が土筆(つくし)を摘んで・・・>
妻が土筆(つくし)を摘んで帰ってきた。家から20mほどの建物脇の草むらで見つけたという。珍しいのでお猪口に入れて一瞬の鑑賞材料として居間に置いた(下の写真)。これまで”ツクシ”といっても余り興味を持たなかったが、考えると「土筆」とは妙な字を当てている。グーグル検索で「土筆」をみると「スギナ」がでてくる。語源としては「ツクシ」はスギナ(杉菜)の胞子茎(くき)でスギナにくっついて出て来るから「付く子」となった説、袴の部分で継いでいるように見えることから「継く子」となった説などがあるようだ(Wikipedia)。そして、土から出てきた胞子茎の形状が筆に似ていることから「土筆(または筆頭菜)」の文字が当て字とされたというから、ツクシ=土筆と覚えるしかない。土筆は俳句では春の季語。 作例は限りないが、目についた句を掲載してみよう:「道のべにたまたま土筆一つかな(正岡子規)」、「東京もこの界隈の土筆哉( 寺田寅彦)」、「土筆のかたち光陰過ぐる矢のかたち( 中村草田男)」。
2020-04-07 土筆と杉菜
4月8日(水) <今日、4月8日は釈迦の誕生日・・・>
今日、4月8日は釈迦の誕生日。灌仏会とか花祭りといって釈迦の誕生日を祝う行事も行われる。お釈迦様は紀元前5世紀頃に北インドで生まれた。母親から生まれでて直ぐに、7歩あゆみ、右手を上に左手を下に向けて「天上天下唯我独尊」と言ったという伝説は有名だ。これは「誰でもが天上天下(大宇宙のもと)にただ一人の代わりのない人間として存在して、それぞれの人間にのみなし得る尊い目的がある」ことを意味し、本質的に命の無差別・平等を説いたものとされる。ところで、私などはモノツクリの過程で使えなくなる失敗をした時に「お釈迦にした」というが、これがお釈迦様の誕生日の4月8日と結びついているというのが面白い。江戸の鍛冶職人が火加減を間違えて駄目にした時に「火が強かった」と言った。これが、<ひ→し>→「しがつよかった」=「四月八日だ」=釈迦の誕生日。”お釈迦”はモノツクリの失敗作を表すことになってしまったのだ!
4月9日(木) <今現在、多くの人が一生に一度あるかないかの体験・・・>
今現在、多くの人が一生に一度あるかないかの体験をしている真っ最中であろう。世界の各国が新型コロナウィルスのパンデミック(世界的流行)に対処するなか日本でも国が「非常事態宣言」を発令する事態となった。感染症に対応するため外出を規制されたり、自由に人とも会えない状況を大部分の人は初めて体験している。先行きは何とも分からないが、この機会に最悪とされた伝染病「ペスト」の歴史をみると凄まじい記録ばかりである。歴史的にはペストは何度も大流行があった。ペストはネズミから蚤などを経由して人間に感染する感染症であるが、もちろん人から人への感染力も強い。14世紀のペストの大流行では当時の世界人口5億5000万人のうち1億人(22%)が死亡したという信じられない記録がある。ヨーロッパでは1348年から1420年の長期に渡って断続的に流行し、この間イングランドやイタリアでは人口の8割の死者がでて、ペストによる人口減で社会構造の変革が強いられたという(by Wikipedia)。19世紀末に日本の北里柴三郎(1853~1931)がペスト菌を発見し有効な感染防止対策がなされるようになったとの話。それでも近年でも一部の地域では感染は続いているという。ペストの致死率は極めて高かった(60~90%)のに対して、新型コロナウィルスの場合は2%程度であるようだが、現代の流行は地球規模。影響を受ける全人口はかつてないほど膨大な非常事態である・・。
4月10日(金) <ピンチはチャンス・・・>
ピンチはチャンスという言葉がある。新型コロナウィルスの大ピンチでも、これをチャンスに変えることができる人間は必ずいるのだろう。昨日のコラムで書いたように14世紀ヨーロッパのペストの大流行の時には1億人が死亡したとか、イングランドの総人口400万人の1/3が死んだとか最悪であったが、歴史上では世界中で幾度となくペストの大流行があった。その中の一つに、1665~1666年にロンドンで死者10万人を記録したペストの流行があった。その頃、かのアイザック・ニュートン(1643~1727)はロンドンのケンブリッジ大学で学位を得た後、大学に在籍していたが、ペスト禍を避けるために故郷に疎開させられたという。その疎開先でロンドンでの雑事から開放されて十分の思索時間を得たことにより、微積分、万有引力、光学研究など後に世界的な業績として評価されたほとんどを疎開先でな成し遂げたという。・・非常に些細なことでいえば、新型コロナウィルスのため自宅待機のなった家族間でドメスティック・バイオレンスが増えたなどとニュースでは伝える。けれども一方で家族が一緒になる機会が増えてこれまで以上に親密さが増した家族がDVの何倍も大いに違いない。現在の緊急事態宣言下の状況を自分のチャンスとすることを考えたい・・。
4月11日(土) <新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ・・・>
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言が発令されて初めての週末となった今日、東京都心の繁華街では”道路はこんなに広かったのか”と驚くほど人通りが少なくなったと報じられている。こちらも外出したい用事はあったが、不要不急であるので自粛。その代わりに家での作業がはかどった。陶芸教室が休場なので家に持ち帰った粘土作品へ手を加えたり、焼成が終わっているが更に改良したい作品への追加作業など、多くのことをやっているので”成果”を今日の作品で掲載したいところだが、陶芸の場合、教室の窯できっちりと焼成しなかればならないので、教室が再開しなければ結果は出せない。けれども、家庭用のオーブンレンジを使って楽焼き方式で色を追加することもいくつかやっているのこれは結果が出ている。今のように時間に余裕があるとどこを終わりとするかの決断が難しかったが、明日以降に出来上がった成果を順次掲載してみたい・・。
今日、ウォ−キング時に撮影した写真を下に掲載する。(左)駒沢公園西門付近にある「コブシ」の大木(世田谷区の名木百選)。そして、季節外れの花がそれぞれに咲いていたアヤメと八重桜(右)。
 
2020-04-11 駒沢公園(世田谷区)近辺にて
4月12日(日) <はじめは今日12日まで陶芸教室が休業・・・>
はじめは今日12日まで陶芸教室が休業とされていたが、今月末までに延長された。テニスの休場は無期限で続いている。今は誰でもが新型コロナウィルスに対応する非常事態宣言下で外出自粛の生活だ。家の中での作業の結果、色々なアウトプットがあるが、今日の表紙には球体花器C(陶芸作品)を掲載する。陶芸教室で完成した作品に対して「楽焼手法」で家庭のオーブンレンジで文様を修正したもの(230℃で焼き付け)。これまで表紙に掲載していたものと同じ球体花器であるが、模様の異なった部分の写真に変えた。この球体には文様のゾーンが全部で72カ所ある。文様を全ては紹介できないけれども、下に別の角度から見た球体の写真を合わせて掲載してみる(陶芸コーナー=ここ=にまとめて掲載)。陶芸教室が通常に開かれていると、これほどの細かい仕上げ作業はやらずに済ませたかも知れない・・。
   
2020-04-12 球体花器(陶芸作品)の仕上げ
4月13日(月) <朝から冷たい雨が終日降り続いた・・・>
朝から冷たい雨が終日降り続いた今日も非常事態宣言下でニュースは新型コロナウィルス関連の話題ばかり。いささか食傷気味だ。・・と言いながら、こちらもまた昨日と同じく陶芸作品・球体花器の写真を今日も掲載してみよう。昨日のコラムでも書いたが、この球体は72カ所の区切りがあるので、それぞれに好き勝手な文様を付けた。全体写真では見難いので、今日は部分写真を下に掲載する。外出自粛の期間、時間が取れたので一時はこのような模様を修正したり、加筆したりしていた・・。
 
2020-04-13陶芸作品・球体花器の文様例
4月14日(火) <表紙の「今日の絵」に「Nahoさんへの絵手紙・葉牡丹の花」・・・>
表紙の「今日の絵」に「Nahoさんへの絵手紙・葉牡丹の花」(ペンと水彩)を掲載した。久々の「絵手紙」だ。陶芸教室が休業、テニスも休場で外出自粛となると、絵手紙がどんどん増えても良さそうだが、他のやりたい作業が優先してなかなか絵手紙の時間が取れなかった。いざ、絵手紙を描こうとすると今度はテーマが見つからない。今回はベランダ花壇に植えた「葉牡丹(ハボタン)」の先が伸び過ぎたので剪定して切り取った部分に花が咲いていたのでこれを描いた。いわば、観賞用の「葉」には不要な「ハボタンの先」を描いたものである。「ハボタン(ハナキャベツともいう)」は色づいたキャベツのような葉が牡丹(ぼたん)の様に見えることから園芸品種として好まれるようだ。今、花壇に植えてあるハボタンはこのところ急速に茎が伸びて花も咲いてきた。そのままでも面白いが茎の部分を別にすると切り花としても十分に使える。「葉牡丹の花」を外してしまった「ハボタン」は今下の写真のようになっている。
  2020-04-14葉牡丹
4月15日(水) <以前、有名な陶芸家の展覧会を見た時・・・>
以前、有名な陶芸家の展覧会を見た時に、一つの作品に対して3~4度焼成をやり直して(釉薬を変えて)完成させたという説明があったことを覚えている。焼成してみないと結果が見えない焼物でも一発勝負でなくやり直しをするものだと知って感心したものだ。絵画ではどの時点を完成とするか専門家でも大いに悩むという話を聞く。著名な画家が売り渡した後に更に加筆したいと申し出て筆を入れたというエピソードもある。絵画の手法としては描く前に詳細な構図、色まで確実に計画をしておき、それを完璧に実行して終わりにするというやり方もあるようだが、私の場合はそれができない。絵画でも陶芸でも完成したものがベストとは思えず、出来ることなら再度手を加えたいと思うことがしばしばだ。そこで問題なのは、時間が経過するとまた”感じ方”が変わること。結局、手を加えぬ前の方がよかったと思うこともあるし、やってよかったと思うこともある。好みの問題で絶対評価ができないのが面白い。今日は一年ほど前に制作した陶芸作品「宥座の器」に対して、再々度手を加えた結果を下に掲載する。結果は少なくとも現物を見る限りでは前より多少増し。これは、もう終わりにしたい・・。
 
2020-04-15 左が今回手を加えた作品     右がはじめの状態
4月16日(木) <表紙に今日の作品として「Nahoさんへの絵手紙・テッセン」・・・>
表紙に今日の作品として「Nahoさんへの絵手紙・テッセン」(ペンと水彩)を掲載した。ベランダの花壇に今ちょうど「テッセン」の花が咲いている。テッセンは鉄線の名の通り非常に強い蔓(つる)をあらゆるところに伸ばして茎(くき)を確実に固定するなど生命力が強い。クレマチスとも呼ばれるようだが、私は鉄線の名の方が好きだ。厳密にはテッセンはクレマチスの原種の一つであり、区別されるようだが、クレマチスは世界で200種以上の品種があるといわれて分かりづらい。<テッセンの花弁は6枚、クレマチスの花弁は8枚という解説があったが、描いた花の花弁は7枚だ>・・いずれにしても”自宅待機”が続く今の非常事態宣言下では、このような絵手紙を存分に描けるのでありがたい。明日も明後日もまた絵手紙を描くことができるぞ・・。

4月17日(金) <表紙に「Nahoさんへの絵手紙・団子」(ペンと水彩)を掲載・・・>
表紙に「Nahoさんへの絵手紙・団子」(ペンと水彩)を掲載した。昨日に続いての絵手紙であるが、「団子」にしては何かおかしい。普通、団子は3個か5個(あるいは4個)が串刺しだと思うけれども、2個ずつしかない。これは買ってきたそのままの姿。けれども妻と分けるには我家ではちょうど良かった。絵の上部の茶系の団子は砂糖醤油の葛餡(くずあん)をかけた、いわゆる「みたらし団子」の流れであろう。”たれ”の下には焼き目がみえた。このような題材を描いた場合は後の楽しみがある。もちろん、このお団子も今は腹の中。妻と半分ずつを美味しくいただいた。・・この絵手紙はニューヨークに住む娘のNaho宛てに出す。けれども、本来はボストンの大学で勉強している孫娘Mieuがアメリカの新型コロナウィルス騒ぎで寮に滞在できず、いまニューヨークに引きこもっているので、絵の上の宛先は、NahoとMieuの双方としている。ニューヨークでは日本、東京以上に外出規制が厳しく生活が大変なようだ。今現在、世界中で皆が新たな歴史を体験している・・。

4月18日(土) <今日の表紙に「Nahoさんへの絵手紙・タケノコ」・・・>
今日の表紙に「Nahoさんへの絵手紙・タケノコ」(ペンと水彩)を掲載した。このところ、14日、16日、17日、更に今日18日と絵手紙が続く。まさに「今日の絵手紙」が実現したのは、新型コロナウィルスによる緊急事態のお陰だ。今日土曜日の陶芸教室も休業で時間に余裕があることは間違いない。今日の午前中に千葉の友人から「タケノコ」が届いた。毎年タケノコを送っていただくが、今年のような外出自粛の時にも送っていただいたのは特別にうれしい。妻は早速、このタケノコを使って「若竹汁」(ワカメとタケノコのお吸い物)を作って昼食にした。私も直ぐに別のタケノコを机の上に置いて、絵手紙を描いたという次第だ。・・今日は朝から激しい雨の一日。昨日、今日の雨を予測してサンルームの雨漏り対策をしたけれども、思うように改善できていなかった。もともと雨漏り(といっても雨水のサッシからのにじみ)の原因がハッキリしないところで試しに一部にシールしただけなので、今日の収穫は”駄目なことが分かったこと”。何事もやることが全て上手くいくほど甘くはない。駄目ならば、別の手でやり直す。今のように最短時間のノルマがないと実にゆったりした気持になれる・・。

4月19日(日) <今日もまた新しい絵手紙「Nahoさんへの絵手紙・あんぱん」・・・>
今日もまた新しい絵手紙「Nahoさんへの絵手紙・あんぱん」(ペンと水彩)を掲載した。木村屋のあんぱんを二つに裂いて描いた。妻に見せたところ、昔ナホがパリに留学していた頃に出した絵手紙にも同じような絵があったと言われたので調べると、確かにあった。何と25年前、1995年の一月に描いた「どらやき」の絵手紙がそっくりだった(ギャラリーの中のPostcard-Part2,どらやき=ここ)。この頃の絵手紙はほとんど忘れていたのでこの機会に見直してみると、月日の経過の割に余り進化していないなどと嘆く以前に、これほど昔からよく続いていると我ながら感無量。このホームページは1998年、コラムは1999年12月からスタートしているので、絵手紙はそれ以前の蓄積も掲載していることになる。それぞれの時代を写した絵手紙であるので、類似かどうか拘らずに今の絵として投函しよう。・・夕刻に外出自粛の中、妻と九品仏浄真寺まで歩いて墓参りに行った。外は最早桜に変わりツツジの季節となっている・・。

  2020-04-19九品仏浄真寺山門(世田谷区)
4月20日(月) <ついに「あまびえ」を絵手紙に描いてしまった・・・>
ついに「あまびえ」を絵手紙に描いてしまった(表紙に掲載)。いま、新型コロナウィルスの感染が拡大する中で江戸時代に疫病を払うとされた妖怪「あまびえ」の絵がインタネット上で評判になっている。最近はエスカレートしてこの妖怪をかたどったグッズや和菓子もあるそうだ。「あまびえ」は、長髪にくちばし、胴体は鱗に覆われた半人半魚の妖怪で、初めは江戸時代後期に肥後(熊本)の海中から現れて、豊作・凶作、疫病を予言した。やがて、その姿を写した絵によって災いが除かれると瓦版で江戸に伝わり、江戸の人々は疫病が蔓延する度にこの絵を門口に張ったという。Wikipediaによれば、「あまびえ」の名は「あまびこ」という妖怪の名を瓦版の筆者が間違えたもので、「あまびこ」は海彦(あまびこ)、尼彦などの文字でないかと解説してある(=ここ)。また語源は天の声を意味する「天響(あまびこ)」とする説もあるようだ。どちらにしても個人の力では如何ともし難い現在の新型コロナウィルス。江戸時代と同じく「あまびえ」さまの力を借りてでも何でもいいから終息させたい・・。

4月21日(火) <現在のような非常事態の下では・・・>
現在のような非常事態の下では日頃手が出せない家周りの雑事やコンピューター絡みの面倒な仕事がはかどる。今日はサンルームの雨漏り対策の追加工事と以前から気になっていた家の中のペンキの剥げた部分の補修を終えて、次に、このホームページ(HP)の不良個所の修理にとりかかった。20年間もホームページを続けていると色々と問題が起きる。10数年間使用していたインターネットのサーバーから、ある時、HPの容量がオーバーしたのでHPを継続できませんと通知を受けた。お金を出せば容量をアップできるシステムではないというので、この際、思い切って内容を整理縮小した。同時に、別のサーバー(ケーブルTVやWi-Fi契約と合わせる)とも契約してHP枠を増やした。今は、両者のサーバーを使ってこのHPは成り立っている。この整理縮小と新規サーバー設置の時に、交互のリンクやページの移動に欠陥が残っていることは承知していた。今日あらためて細かくチェックすると真に申し訳ないほど欠陥が見つかった。それでも、欠陥の内容が分かっても直しを実行するのは容易ではない。例えば、絵手紙=Postcardの項目(=ここ)はPart1,2,3で絵手紙枚数は合計100枚に近い。これらのページ(原版)を一枚ずつ開いて修正し、その後サーバーに読み込ませた。未だ完璧にはなっていないが、こうした作業は今だからできる・・。
4月22日(水) <今朝、起床する前に・・・>
今朝、起床する前に(起床は5時30分)、床の中で「あまびえ」の絵に関して突如”閃き”があった。それは、「あまえび」は妖怪、つまり幽霊の部類であるから、描いた絵は明る過ぎるということ。妖怪は暗い海の中からそ〜と現れなければならない。朝食後、直に加筆して、このホームページの表紙の絵も暗闇バージョンに変えた。ニューヨークでも最悪の新型コロナウィルス(米国ではCOVID-19というそうだ)と戦っている娘と孫娘に出す絵手紙は前に描いた分をハガキに印刷して二枚まとめて出すことにしよう(絵のコーナーには加筆前も含めて二枚掲載=ここ)。
東京都の小池知事が各地のスーパーは大変「密」になっており、新たに入店規制などの対応策を検討すると表明した。前に、近所のスーパーで卵とキャベツが売り切れていて、しかもレジで長蛇の列であったので驚いたことをコラムに書いた。昨日、別のスーパーでは納豆が売り切れで、やはり店内は混雑していた。スーパーの利用の仕方も考え直さなければならない・・。

4月23日(木) <オンライン授業が日本では遅れている・・・>
オンライン授業が日本では遅れていることが議論されている。ニューヨークで高校に通った孫娘(MIeu)は各自がパソコンを持ち、学校と自宅のパソコンの間で宿題やレポートをやり取りするのは当たり前だった。その後、ボストンで二つの大学に通い始めて半年を経過した頃に、世界的な新型コロナウィルス蔓延となりボストンの寮を引き払い家に帰省することを余儀なくされた。ニューヨークの娘宅に戻った孫娘は当然の如く「オンライン授業」を受けているようだ。この間の事情は最近更新された「Mieuのブログ」<みゆ日記>」/このHPでのSPECIAL LINK=ここ=で見ることが出来る。ハーバード大学の授業内容や宿題も興味深いが、バークリー音楽大学が音楽の授業でさえ「オンライン授業」をやるところがさすが米国。孫娘はニューヨークではほとんど家から出ることはないようだが、オンライン授業でやることが多く充実してみえる。この機会に日本でもオンライン授業が平常時でも活用されるように進化しなければならない・・。
4月24日(金) <非常事態の下、外出自粛の日々・・・>
非常事態の下、外出自粛の日々を室内でいかに過ごすか。テレビでは室内での運動やトレーニングをSNSでお互いに見せ合っている様子が紹介されており、それぞれに部屋の条件に合わせて工夫するなど個性があって面白い。私の場合、何を紹介できるか考えると、他人に勧められる運動具が二つある。一つはストレッチポール(直径15cm、長さ約1mのソフトな棒、Wikipedia=ここ=、使い方例=ここ=)。これは以前テニスのラケットが持ち上がらないほど腕が動かなくなった時に、整体に行き教えられて購入したもの。以来非常に具合よくなって気に入った。今では朝起床してコーヒーを一杯飲んだ後、毎日欠かさずにこのポールを使ったトレーニングをやる。もう一つは、室内用の小型トランポリン。トランポリンを使うと普通の室内の運動やジョギングなどでは味わえない独特の爽快感が感じられる。能書きを言うことなく体験として他人に推奨できる。しかも家庭用トランポリンは驚くほど価格が安く手に入る。・・室内での生活パターンは運動も含めてそれぞれの好みや趣向で決めれば良い。今は家でいかに過すかを自分で決める絶好のチャンスでもあろう。
 
2020-04-24 家の近所ではハナミズキの花が見事
4月25(土) <この前、テッセンの花を絵手紙に描いて・・・>
この前、テッセンの花を絵手紙に描いて表紙に掲載したのは4月16日であったが、今になってベランダ花壇のテッセンはその時以上に数多くの華やかな花を咲かせている。これから咲く蕾も数知れぬ。このテッセンについては立派な花を見る度に、花に申し訳なく思う。自分のお粗末さを恥じる。このテッセンは一昨年に購入して、振り返るとこの3年の間、毎年花の絵を絵手紙にも描いている。昨年も4月〜5月と大いにテッセンの花を楽しませてもらった。けれども、そんなことをコロリと忘れて、秋から冬にかけて外観が枯れ尽きたように見えるので処分しようかと思う。手をかける前に妻からストップがかかり、そのまま放置するのであるが、文字通り”放置”して何も面倒を見ない。栄養を加えることも特別の剪定もなし。そんなテッセンが今の季節になると、これ以上ないほど豪華に咲き誇る。ただただ素材がいいというか、DNAが優れているというか、生命力が強い・・。テッセンをみていると、面倒を見てもらえないとか、指導者が悪いとか、周囲が悪いなど、人間社会のいい訳がみな甘えっ垂れているように見えてしまう・・。
2020-04-25ベランダのテッセン
4月26(日) <表紙に「円形照明具」(陶芸作品・粘土)を掲載・・・>
表紙に「円形照明具」(陶芸作品・粘土)を掲載した。丁度、一ヶ月前に陶芸教室の休業が決まった。その時、教室でこの「円形照明具」を制作している真っ最中であったので、家に持ち帰った。家で先ずやったことは、上下から針のような棒を取り付けること(3/28にこれを完成させてHPに掲載した)。その後、細かい仕上げを行い、しばらくビニールをかけて保存しておいた。ビニールで密閉しておくと粘土の乾燥を遅らせることが出来るので後で手を加えることも容易だ。新型コロナウィルスの感染は広がるばかりで教室の再開の目処が立たないので、その後化粧を施行したり、文様を好き勝手に付けたりして遊んだ。この後は教室の窯で素焼きを行い、次に釉薬をかけて更に本焼成を実施する段取りとなる。従って「作品」としては未完成で、何時完成するかも分からないが、「今日の作品」として掲載させてもらった。今現在は家の中でやる仕事はたっぷりと時間をとって丁寧にやることができる。けれども陶芸の焼成だけは教室の大きな電気窯を使わなければ全く進行しないことを改めて思い知らされている。こうなれば焦らずに教室の再開を待つしかない。次なる作品造りのアイデイアをだして詳細の設計をするには絶好の機会であることは間違いない・・。

4月27(月) <どんなことでもいい、世のため、人のためになることをしたい・・・>
どんなことでもいい、世のため、人のためになることをしたいと誰でもが思うだろう。今は新型コロナウィルスの感染に対応して医療崩壊まで叫ばれる中で昼夜を問わず治療に専念している多くに人がいる。感謝を直接は伝えられないけれども皆の役に立っている貴重な仕事だ・・。自分で陶芸をやる時に”役に立つか”は非常に微妙な考えどころになる。”役に立たないモノばかりを制作する”と自認しながら、どこかで役に立って欲しいとも思う。陶芸の場合、お皿、お茶碗類が定番であるが、家の食器は間に合っているので最近はほとんど作らなくなった。表紙に掲載している「照明具」も役に立つから制作するのでなく、面白いから作る。どこかで完成品を喜んで見てくれる人がいれば、それだけでうれしい。そう、誰か人を楽しませることができれば、それが人の役に立つという見方も出来る。考えてみると、彫刻家なども愛好家がいなければ処分に困る粗大ゴミの山となる。一方で、人に感動を与えられれば大いに役立つことになろう。陶芸に話を戻すと、どのような形であれ水を溜めることが出来る容器は「花器」と呼ぶことが出来る。今日は以前完成させた逆U字型の花器(2月8日コラム=ここ)にテッセンを活けて家の共通玄関に飾った。この花器としてはこれが初舞台(写真を下に掲載)。この花器も少しは役に立っている・・。
2020-04-27
4月28(火) <今日は月に一回の病院での検診日・・・>
今日は月に一回の病院での検診日。東京医療センター(旧国立東京第二病院・目黒区東が丘)まで歩いて往復をした。バスで4停留所ほどなので大した距離ではない。非常事態の最中、病院ではいつもにない緊張感が漂っていた。病院への入口では間隔をあけた長い列ができており、入門すると遠隔で顔の温度が計測された。院内ではいつものように、まず採血をして、その後、注射。待ち時間のことは言うまい。本番の検診の際には採血の分析結果が既にコンピュータデータとして把握できており、その結果を見ながら医者と話をする。今日の結果は特別に悪くはなかったが良くもなしの想定内。帰りは住宅街を歩いた。ハナミズキの白い花が爽やかに咲いている。外出自粛が原則である今は何をするにしても、急ぐことはないし、焦る必要も全くない。時間に余裕があるということは何と素晴らしいことだろう。歩くことが楽しくなる。これから先、緊急事態宣言が解除されたとしても、この病院には歩いて行こうと思う・・。
4月29日(水) <表紙に「Nahoさんへの絵手紙・パンジー」(ペンと水彩)を掲載・・・>
表紙に「Nahoさんへの絵手紙・パンジー」(ペンと水彩)を掲載した。我家のベランダ花壇は今テッセンとともにパンジーが真っ盛り。パンジーの花もよく見ると実に不思議な構成で面白い。といって、実は”パンジー”だか”ビオラ”だかよく分かっていない。花の大きさで区別とか言われるが中間的でもあるのでパンジーとしておく。”三色すみれ”ではまた名前とイメージがずれる。今日は二枚の絵手紙を同時に掲載したが、これも非常事態宣言下の時間のゆとりの賜物であろう。はじめに左側の絵を描いた。このように仕上げる前にはバックを更に派手な橙系の色にしていた。「今日の絵」のコーナー(=ここ)には最初のバックの絵も掲載した。改めて見るとどちらがベターとも言えない。少々不満であったので、花だけをアップにした右側の絵手紙を新たに描いた。絵手紙の宛先はニューヨークに住む娘Nahoだが、今はボストンでの学校の寮を退去させられた孫娘Mieuも一緒に住んでいるので、ハガキには二人の名を書いている。アメリカ宛の小包は送れませんと郵便局で断られたが、ハガキは大丈夫だろう。ハーバード大学とバークリー音楽大学、両方のオンライン授業を受けている孫娘Mieuが健気(けなげ)にみえてしようがない(Mieuのブログ=ここ)。
 
4月30日(木) <コンピューターを前にして作業を始めると・・・>
コンピューターを前にして作業を始めると止まらなくなった。プログラムなど高級な仕事ではない。コンピューターに保存している内容の確認整理、特にハードデイスクに溜め込んだ写真の見直しが主なところ。今はデジカメで容易に写真が撮影できるので膨大な量の写真データーがコンピューターに蓄積されるている。必要な写真をアルバムに整理すると写真データーはもうほとんど必要なくなる訳だが、そのアルバム整理が10年以上前から十分には実行されていない。正確には、最近の2~3年間はきっちりと整理できているが、その前がブランクが多く、年によってはアルバムゼロの年もある。見直してみると、息子が病死した2009年4月前から写真の整理は少なくなっており、死後数年間は明らかにアルバム制作数が激減している。我ながら興味深いのは、この時期でも、ホームページではコラムも絵や陶芸の作品紹介も確実に継続している。これは習慣の強さであろうか。写真のアルバムの整理はやらなくても誰も困らない。けれども、外出自粛で時間がたっぷりととれる今の時期に欠けていたアルバム整理をしなければ二度と写真が活用されることはないことに気がついた。今だから古いアルバムを整理することができる、と始めだすとまた底が見えない・・。


これまでの「今日のコラム」(総括版)に戻る

 Menu + Picture + Ceramics+ Gallery + Corgi + Special + Links